ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

エグザム

2011年09月08日 | 激辛こきおろし篇
「SAW」や「es」などの流れをくむ密室シチュエーション・スリラー。合格すればなんと1億円の年俸が保障されているとある会社の試験会場、選抜された8人の男女に担当官は奇妙なルールを告げて部屋を出て行ってしまった。質問の中身がわからず途方にくれる応募者たち。机上におかれた白紙に何かしかけがあるのではと、××をこわしたり、○○をぶかっけたりするものの、結局何もわからずじまい。制限時間が迫る中焦りはじめた応募者たちは、しだいにエゴをむき出しにしていく・・・・・・

舞台が一箇所に限定されているため、途中経過はどうしても地味になりがちである。一応いけてるブロンドとブルネットが登場するものの、ここはちゃんとした会社の試験会場、お里がしれるようなことができるわけがない。日本の試験会場であれば、ゆとり教育で育った君たちはおそらく何もしゃべらず無言のまま、時間が過ぎ去るのをただ待っていたことだろう。しかしここに集まっているのは、他人を蹴落とすためなら相手を殺すこともいとわない肉食獣たちだ。

(その血の気の多さが災いし))面接会場はガラスの破片だらけ、しかも水びたし、失神者続出の修羅場と化していく。こんな危ない連中は全員即刻不合格といきたいところだが、人を採用するのが人事のお仕事、不採用ばかりでは自らの評価も悪くなるというもの。欠陥人間にも何か取り柄があるはずと、小学生にもわかるくだらない謎かけと対人関係を重視したケース・ワークを(しょうがなく)課したのであろう(なんつって)。

世界同時不況の真っ只中、株式市場の7割を占めるといわれる外国人投資家へ高配当をまかなうため、人件費をますます削っている有名企業。そんなただでさえ狭き門に殺到する、何も知らない若者たちの無意味な足の引っ張り合いを描いたわけでもなかろうが、ナゾナゾと大してかわらない質問に答えようと必死になる(金魚にはけっしてなれない)ドジョウ君たちの姿を見ていると、ひとあはれに思えてくるのだ。


まいとし まいとし ぼくらはやっつけの
 しごと まかされ いやになっちゃうよ
 あるあさ ぼくは けばいねぇちゃんと
 入社テスト うけて とじこめられたのさ

 うかれば もらえる 1おくえん
 とっても きもちが いいだろね
 テストの なかみが むずいけど
 かねは デカいぜ こころがはずむ
 地味な 警備員 かたまって
 ぼくらの さわぎを ながめていたよ


エグザム
監督 スチュアート・ヘイゼルダイン(2009年)
〔オススメ度 

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