みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

花野・汀・睡蓮・じゃんけん

2005年09月30日 | 俳句・短歌
汀(みぎわ)まで 月の道ある 花野かな
(茨木市 中村ふさこ)

星ひとつ 消え睡蓮の 花ひとつ
(京都市 小林則子)

昃(ひかげ)れば 春水(しゅんすい)の心 あともどり
(星野立子)

不器用に 突き出すグーを
しなやかな パーが包みて 勝負決まりぬ
(詠み人知らず)

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
俳句は、きれいな情景が思い浮かぶ句が好み。
「みぎわ」の句、汀という言葉がいい。湖と月と秋の野原、そして一本の道。静かな美しい光景。
「睡蓮」の句もいい光景。星は明けの明星?夜明けの風景だそうな。星と睡蓮、いい組み合わせ。

「じゃんけん」の歌、不器用なグーというのは頷ける。パーをしなやかというのは、面白い感性だなぁと思う。

(NHK俳句・短歌より)
(今週は仕事が増えてきて、ブログの更新、ままならず)
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「翼のはえた指」のびっくり

2005年09月26日 | ピアノ
「翼のはえた指」で、幾つか印象に残った話のつづき。

1.聴いただけで指使いが分かる
安川さんがパリ音楽院で学ばれていた頃、恩師ラザール・レヴィのレッスンの話。
「どの指がどんな音を出すかを完全に熟知していた師が、広い部屋の向こうで、全く生徒の指をみずに指使いを訂正」したとのこと。
演奏を聴いただけで指使いが分かるとは・・・・。一流の音楽を聴く耳って、そういうものなんですね。

2.ベーゼンドルファー
安川さんが好んで弾かれていたピアノがエラール(非常に軽いタッチで、カラッとしていて、それでいて腰がある)。
でも、残念ながら、今は会社がつぶれてガヴォーという会社がひきつぐものの、昔日の面影はない。その往年のエラールに一番近いのが、ベーゼンドルファーで、タッチで音色を変化させられる可能性があるとのこと。
ベーゼンドルファーのピアノ、一度、さわってみたい。

3.晩学ピアニスト
昭和前期に活躍したピアニスト、井口基成氏(中村紘子さんの師事した井口愛子女史の兄)は、ピアノの本格的スタートが16歳だったとのこと。「本格的」という言葉がとても気になるけれど、しかし、16歳スタートで日本を代表するピアニストとは!
これもびっくりする話でした。
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翼のはえた指

2005年09月25日 | ピアノ
青柳いづみこ著「翼のはえた指(評伝 安川加壽子)」を読む。
安川加壽子、戦中・戦後の日本を代表するピアニスト。9年前の1996年に他界される。
青柳いづみこさんの筆は鮮やかで、ぐいぐい読み進む。冷静で理知的な文章の随所に青柳さんの師、安川加壽子への敬愛の念が滲み出ているように感じる。

安川加壽子の生涯(幼少時に渡仏、15歳にしてパリ音楽院を最高の成績で卒業し、第二次大戦を機に帰国、戦中、戦後は日本の楽壇の重鎮として活躍)を辿りながら、今まで断片的にしか持ち合わせていなかったピアニズム、ピアニストの系譜が、線で繋がってゆく。
 ショパン → ドビュッシー → コルトー、ラザール・レヴィ → 安川加寿子
安川加寿子の門下には、館野泉さんや、羽田健太郎の師の有賀和子の名前も。

それにしても本書に出てくる、驚異的なエピソードには、ただただ目を見張るばかりだった。
・肩を骨折した状態で、ショパンのピアノ協奏曲1番を演奏。
・リウマチで、右手の薬指が動かない(腱切断)状態で、リサイタルに臨みシューマンを、更にリサイタルの途中からは右手の小指も動かなくなってしまった状態、3本の指でショパンのマズルカやワルツを弾いた。
俄かには信じ難い話。こういうアクシデントに見舞われて、観客にそれと知られずに演奏を続けられるというのは、想像を絶して凄い。まさにヴィルトゥオーゾ。
この逸話は最後のリサイタルの話だけど、その後、リウマチにピアニスト生命を絶たれ、骨疎しょうで骨折を繰り返された晩年の苦労を思うと、胸に迫るものがある。
ついつい、こういった目立つエピソードに目がいってしまうけど、肝心なのは安川加寿子の最大の功績、美しい音色や脱力奏法の追究といった今日のピアニズムの潮流の礎を築いたことだろう。

個人的に、安川加寿子さんといえば、小さい頃のレッスンで安川さんの教則本「ピアノのテクニック」(緑色の大きな本)を使っていたことが唯一の接点。こんなに凄いピアニストだったとは、その当時、知る由もない・・・。自分のピアノの基礎の幾らかはこの「ピアノのテクニック」にあるわけで、改めてご冥福をお祈りしたい。

そうそう、青柳いづみこさんと言えば、新刊の「ピアニストが見たピアニスト」も楽しみなのだ。
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詩とデザインの合体

2005年09月24日 | 俳句・短歌
高原に 草食む牛いて われが居て
そふとくりいむの 雲近づきぬ
(東大和市 森田洋子)

日常の 有象無象(うぞうむぞう)を飲み込んで
有無を言わさず 瀑布は落ちる
(金沢市 筒井清広)

岩山に 朝の光の 出づる刻(とき)
ヨセミテの滝は 躍動始む
(カリフォルニア州 ホイラップ房子)

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
たいへん面白いと思ったのが、この日出演されていた詩人、佐々木幹朗さんの「春の日の空の」の詩。
右側のT字の形は、下から見上げた飛行機。左側「わたしは~」は一人でぽつんと空を見上げる少年をイメージしているとのこと。
短歌や俳句の定型詩にはありえない自由で遊び心がいっぱいの作品。
短歌や俳句では、意味はもちろんとして、言葉自体の響き(リズム、韻、語感の統一(「な」行の音を多くして、やわらかい雰囲気を出す etc.))も大切な要素だけど(ほとんど音楽)、それに加えて、字の形までも!デザイン(美術)と詩の世界のクロスオーバー。いろんなアートが混ざり合ってのジャムセッション。面白い。

そのあとの3つの歌は、山や、のんびりした自然の風景が浮かんできて、どれもいい歌。
「高原に」の歌、なんといっても、ひらがなの「そふとくりいむ」のワンポイントがよい。個人的には美ヶ原高原ののんびりした風景が広がる。
「有象無象」の歌、選者評でもあった直球勝負でまっすぐなところ、勢い、男性的にバシっとしたところ、よし。
「ヨセミテ」の歌、いいなぁと思うのは、山頂で向かえる御来光、雲海が動き出す様子が体験としてあるから?「ヨセミテの滝」を「穂高の雲海は」とでも詠み替えたい気分。
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メールアドレスの変更

2005年09月23日 | 雑記
迷惑メールがあまりにひどいため、メールアドレスを変更しました。
(趣味用、プライベート用双方)

今まで公開していた趣味用アドレスは、こちらでお願いします。
 e-mail:ZZ-tarosora@goo.ne.jp
ただし、お手数ですが、頭の ZZ- を削除してコピーしてお送りください。

今回メールアドレスを変更して感じたのだけど、アドレス変更や、退会の手続きが、たいへん煩雑だということ。
そもそもYahooからして事務手続きは、どこから入ってゆけばよいのか、よくわからない。入口を探すだけでも一苦労。ものによっては、どれだけ頑張っても、退会手続きをするとエラーが出たりで、かなり、いらいら。
もう真面目に退会手続きをするのは止めだ。実力行使だ。

教訓その1
いろいろなサービスを利用するときは、簡単に退会できることを重視すべし。
(常に退路を考えて進撃するのが、兵法の基本。)
(やり直しに不寛容な日本だけの事情?米国だと退会手続きも楽なのだろうか・・・)

もし、自分が、お役人 or ISOの国際規約を定める立場だったら、事務処理のメニューを必ず右上に設置すること。などルールを真っ先に作るだろうに・・・。
(WebデザインについてのISO規約ってあるんだっけ・・・)
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二つの法則

2005年09月22日 | 俳句・短歌
秋風に揺られ朝顔 蝶となる
(そらみみ)

似たもの同士の二人が集うと、そこには、おのずとリズムが生まれる。
~リズムの第1法則~(←嘘)

しかしだ、あくまで素人の意見として、
1.一花よりも二花の方が構図的に安定するように思う。
2.どちらかが、少し引いた方が安定するように思う。
3.そして、これも、あくまで素人の意見として、同じ旋律は、少し違えて弾いた方がよいように思う。

~「二つ」の第1法則~(←大嘘)

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夏も終わりで

2005年09月21日 | 俳句・短歌
蛸壺に 腰掛けてゐる 晩夏かな
(横浜市 海老名英樹)

一撃に ボクサー沈む 晩夏かな
(町田市 鈴木朗)

火達磨と なりて晩夏の 百日紅
(鹿児島市 尾辻敬弘)

先週放送のNHK俳句より。兼題は「晩夏」。もう晩夏も終わりだけど・・・。
「蛸壺」の句。静かな海辺の風景の絵が広がる。「蛸壺」の小道具がとても効いている。
先週の「手紙」でも、そうだけど、粋な小道具が使えるようになると、俳句が上達しそう。
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PCの買い替え

2005年09月20日 | 雑記
数日前、ディスプレイが壊れたのを機にPCを買い換え。といっても自分のではなく両親のパソコン。なので、選択の決め手は
 ・ディスプレイのサイズ(19インチ)
あとは
 ・長期保証 ・家の近くの店
と、ほんとうに家電品の感覚での買い物。
もう今時のPCの性能は、十分すぎるくらいハイパワーなので、性能を気にするのは、あまり意味がないように思う。その昔、PCを買う時は、何ヶ月も雑誌を読んで、研究に研究を重ね、吟味して買ったものだった。ようやく手に入れた時はワクワクして、たいへん喜んだのに・・・。今となっては、PCの交換は、蛍光灯を交換するぐらいの味気ない作業。(PCの基本的なところは10年前のWindows95から、あまり進化してなくて、10年間、裏切られっぱなし・・・。昔は夢があると感じていたのだけど。)

それに加えて、案の定、初期不良で早速交換。(DVDドライブが認識されていない)
購入したのは買収されてヤマダ電機の傘下となったんですね、フロンティア神代(こうじろ))その昔、性能の良さ名を馳せていた懐かしいブランドだったのに・・・。とにかく近くで買っておいて良かった・・・。音は少しうるさめだろうか。

これからは、高齢者向けに、本体の性能は二の次でいいので、とにかくディスプレイが大きくて、目に負担が少ないモデルも出してほしいと思う。>PCメーカー。

我ながらPCへの関心がすっかり失われてしまったのには驚くが、今のピアノ熱は10年後も変わらないはず。
今日もグランドピアノをレンタル(3日間連続だ)する。スケルツォ2番の中間部クライマックス、渾身の力で音を響かせるのは、実に爽快で、こんなに凄い音楽がこの世に存在していいのか!と、しきりに感心、感動しながら練習中。
趣味のピアノについては、きっと不惑だ。
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弱い音をむらなく弾くことの実験

2005年09月19日 | ピアノレッスン
今日は中秋の名月。ここ名古屋では薄雲一つなく、月の光が静かに降りそそぐ。(個人的には、少し雲が出ている方が好きか)

満月になると、海亀が産卵したり、狼男が出没したり?、いろんな事件が起きるようだけど、そらみみの本日のミニ事件は、ピアノで一つ良い方法を発見したこと。

今まで何年間も、左手の伴奏音型を静かに、むらなく弾くのが課題だったのだけど、先生のあるアドバイスを元に、練習してみて、これは、いいかもしれないと思った。

それは、手のひら(手相用語で言う所の金星丘、月丘)を白鍵に触れながら、弾くこと。弱い音で、むらなく弾くためには、指の可動範囲を最小限にして無駄な動きを省くのはセオリーであるし、この弾き方だと、上下の無駄な動きは、かなり押さえられる。いい感じ。

あと、この奏法の、もう一つの副産物は意外と力が要ること。(単に慣れてないだけ?)
よく「ピアノ(弱音)で弾く時の方がフォルテよりも力が要る」という話を耳にするのだけど、いままで、その感覚が、よく分かってなかった。自分自身、「脱力」という金科玉条のキーワードを前にして、力が要る奏法なんて・・・、と、この話を真剣に考えなかったのだけど、力を使うp(ピアノ)奏法に、少し近づけたかもしれない。

などと試行錯誤は続く。
脱力奏法って何?という疑問は再び、持ち上がりつつあり。
(弱音の意味のピアノと、楽器としてのピアノ、紛らわしい・・・。困った同音異義語だ。)
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●レッスン スケルツォ2番の1回目

2005年09月18日 | ピアノレッスン
今日はレッスン。

・ハノン42番 アルペジオ(減7和音)
ドレミファソラシのそれぞれの音からスタートする7つの山を越えてゆくのだけど、シ始まりがとても難。ファ始まり、レ始まりもかなり難。ひたすらにリズム変奏練習で、なんとかしのいだ。とりあえず合格、次へ。

・チェルニー40-22(連打練習)
よし。合格。三重丸。嬉しい。同音連打は得意みたい。直前のグランドピアノ練習のおかげか。グランドの連打性能の良さが少しわかってきた感じ。

・ショパン「スケルツォ2番」
第1主題と第2主題の129小節目まで。
・冒頭の「ダーン・ダラララン、ダラララン」はソフトペダル。自分の場合、どうも拍が短くなりがちで、音の長さをしっかり数えて。
・スフォルツァンドは、腰浮かせ、全体重かけのフォルテシモが欲しい。
・とにかく第2主題(65小節目~)の左手をどれだけきれいに弾けるようになるかだ。なるべく手を低い位置で、指の腹で打鍵して、弱い音で安定して弾けるように。身体を揺らさない。左手は極力動かさない。無駄な動きはカット!
・歌い方、全般。力が左右にぶれないように。歌の塊の途中で、力が抜けないように。

などなど。
休日、いきなりピアノを長時間、弾くと、指先が痛くなる。スケルツォはいったいどのくらいの時間がかかるのか、まるで見当がつかない・・・。弱気は禁物。
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