「たばこと塩の博物館」で開催中の「西アジア遊牧民の染織」を見にいった。イランを中心にしたクルド族などの部族が制作してきた伝統的な絨毯、鞍袋、塩袋、食卓布などの丸山コレクションが展示されている。手織りの絨毯は模様といい、色彩といい、これを1枚ずつ織り込んだのかと思うと気が遠くなった。独特の文様は部族ごとに特徴があるらしい。展示品の中で面白いと思ったのは塩袋。大きさはスーパーでくれるビニール袋ほどの大きさ。大小二つの正方形をタテにつなぎ、小さい上部に開口部がある。これの用途だが、西アジアの遊牧民は羊などの群れを率いるのに塩袋を用いた。砂漠で羊たちが生きていくのに塩は不可欠で、遊牧民は塩を与えることで羊の群れをコントロールしたのだという。生活の道具だから何の装飾もいらないはずだが、絨毯と同じような色糸を使った模様や、緑、オレンジ、紫などのカラフルな房飾りがついている。これも遊牧民が一枚一枚手織りしたのだろう。見学の帰りにミュージアムショップで30センチ四方ぐらいの布袋を求めた。塩袋ではなさそうだが、一部ほつれがあるので安く買えた。遊牧民が実際に使っていた袋だと思うと、民族の知恵やぬくもりのようなものが感じられるように思えた。
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