ひとり上手

あぁ、今日もお酒がおいしいわ…・。お兄さん、一杯ご一緒にいかが?

2012-02-17

2012-02-17 | 日記
名古屋以西の人と話していて、東北に通っていることを口にしてしまうと
「地震どんな感じだったの?ひどかった?」
って聞かれるけど、どうしても口ごもってしまう。

倒れそうになるPCや散乱する書類を必死で抑え、
あまりの揺れに壁にはミシミシと亀裂が入る中、
「逃げろーーー!!!!!」の総務の人の声に、
開け放たれた非常階段から、震える膝を必死に抑えながら地上へ降りたこと。

何とか新宿駅までは出られたものの、京王線の改札どころか
その外にまで溢れる疲れ切った人達を見て、
会社の先輩と「歩いて帰りましょう」と、
長い長い人の行列の後ろを無言でひたすら歩いたこと。

家に帰り着いて、ドアを開けた途端、
傾いた本棚、どうしてこんな所にまで飛んだんだという電子レンジが目に飛び込んできたこと。

つけたテレビに映る、真っ暗やみの中に燃えた石巻の街。
「警察の発表によると、海岸には200名を超えると思われる遺体が」のニュースが、
あまりにも現実離れを起こして、吐き気にトイレに駆け込んだこと。

30分置きに襲ってくる余震に怯え、
枕元にいつでも逃げられるようにと、
ありったけの荷物を詰めて眠ったこと。

3/11のたった数時間でさえそうなのに、
その後、実際に東北に行った時のことなんて、
どう言葉を選べば伝わるのだろう。

何とも言えない、生臭い海水の混じった泥の匂い、
何もなくなった荒野に、びょうびょうと鳴る風の音、
「目の前で何が起こったのか」あまりに想像を超えるた光景を前にすると、
人間は本能で「思考」を停止すること。

これはブログでしか呟けないこと。
友人は「実際行きたいんだよね」「行かなきゃって思うんだよね」
って言うのだけれど、お願いだから僕の前では言わないでほしい。
0泊3日の弾丸ツアーや、福島への日帰りツアーだって、
都内でだって、津波に流された写真の洗浄のプロジェクト、
色んな手を差し伸べる術はあったし、それとなく紹介もした。
でも、「あなたは行かなかった人」である、「できることを探さなかった人」である、その事実を受け入れるべきだ。
別に僕はそれを弾劾する気はない。
ただ、イラッとするのは、「行った人」と同じ彼岸に立とうとするからだ。
「こんな想いはあるんだから一緒よね」
って、時間もお金も、労力も使わずに、「やった気」になられるから腹が立つのだ。

あれからの日々をどう話せばいいのだろう、
どう話していけばいいのだろう。

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