司馬遼太郎 新潮文庫
司馬作品の中でも好きなうちの一つ。明治陸軍の父・大村益次郎こと村田蔵六が主人公。村医者時代、「暑くなりましたな」と挨拶されたら「夏は暑いのが当たり前です」と返し、「豆腐を肴に酒を飲むしか芸がない」と言われた男。こんな面白くない男を主人公に、よくこれだけ面白い小説が書けるものである。
だが蔵六、宇和島時代に殿様から蒸気船をつくれと言われて困惑したり(仕事は蘭学講師って聞いて来たのにぃ)、長州軍を率いて出陣する際、馬に乗れないので軽装で歩いてたら、見送りの群衆には誰が大将かわかんなかったりと、まじめにやるほど、どこかユーモラスである。
『花神』も大河ドラマ化され、中村梅之介さんの好演とテーマ曲が素晴らしかった。が、製作サイドが蔵六だけでは華がないと考えたのか(たぶん正しい)、他の司馬作品から吉田松陰、高杉晋作、河合継之介などを助っ人に動員していた。
「花神」とは「花さか爺さん」のことで、思想家・戦略家を引き継いで維新を花咲かせた技術者(軍事・法律を含む)になぞらえたらしい。
司馬作品の中でも好きなうちの一つ。明治陸軍の父・大村益次郎こと村田蔵六が主人公。村医者時代、「暑くなりましたな」と挨拶されたら「夏は暑いのが当たり前です」と返し、「豆腐を肴に酒を飲むしか芸がない」と言われた男。こんな面白くない男を主人公に、よくこれだけ面白い小説が書けるものである。
だが蔵六、宇和島時代に殿様から蒸気船をつくれと言われて困惑したり(仕事は蘭学講師って聞いて来たのにぃ)、長州軍を率いて出陣する際、馬に乗れないので軽装で歩いてたら、見送りの群衆には誰が大将かわかんなかったりと、まじめにやるほど、どこかユーモラスである。
『花神』も大河ドラマ化され、中村梅之介さんの好演とテーマ曲が素晴らしかった。が、製作サイドが蔵六だけでは華がないと考えたのか(たぶん正しい)、他の司馬作品から吉田松陰、高杉晋作、河合継之介などを助っ人に動員していた。
「花神」とは「花さか爺さん」のことで、思想家・戦略家を引き継いで維新を花咲かせた技術者(軍事・法律を含む)になぞらえたらしい。
益次郎のブキヨウさ・世渡り下手っぷりと、職能の高さのアンバランスがイイ味出してました。