読後感

歴史小説、ホラー、エッセイ、競馬本…。いろんなジャンルで、「書評」までいかない読後感を綴ってみます。

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橋上風景

2013年10月04日 | 日常


チャリで通勤中、スマホで撮影しました(本格的なカメラじゃないんですよね~)。
通勤途中のでかい橋の街灯には、秋になると、ほとんどもれなくカモメが停まっています。酷暑の後、ようやく秋が来たようです。

この橋からは、時々息をのむ光景が観られます。
3枚目は、昼間の月と立山です。
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意地悪な食卓

2013年08月29日 | ホラー
         新津きよみ      角川ホラー文庫

 ホラーといっても化け物は出てこない、食べ物にまつわる心理ホラー短編集。

 「嗅覚」 家庭環境のせいで以上に嗅覚が鋭くなった女性の恋愛の顛末。う~ん、ありがちな結末でちょっとがっかり。「珍味」自然派志向の食生活にはまって携帯もほとんど圏外の長寿村に引っ越した友人を訪ねた女性は…。私、自然派志向、苦手です。この人もちょっとはまりすぎ、と思ったら案の定。結構面白くなってきた。
 「遺品」 亡くなった女性を偲ぶ会に集まった妹や友人たちは遺品の梅酒を飲むが、その梅酒には自白作用が。亡くなった玲子さん、めちゃ嫌われてるじゃん(^_^;)。 「弁当箱」 プライドを傷つけられたOLが男性の弁当箱にちょっとしたいたずらを。ところがその男性が交通事故で亡くなって…。奥さんが中身を見ても、そんなに悲惨なことにはならないんじゃないかと思う。うっかり何かを入れる場所じゃないし。 「給食」 お年寄り向けデイサービスで介護を担当する女性のもとに入居してきたのは、昔給食を無理やり食べさせられた元教師。念とかじゃなくて、具体的にぐちぐち意地悪した方がリアルに怖かったと思う。
 「手作り」 恋人の男性は、他人の作ったものは一切受け付けない体質だった。岡本かの子の「鮨」でも似た症状の人が登場するけど、この人はコンビニや外食は大丈夫なのね。主人公は子供を作り家族になることで壁を越えようとする。その後について、一番悪い予感がするのは、この話だな。「珍味」も軟禁だから怖いけど。「お裾分け」30年連れ添った旦那さんのお葬式。実は2人は、食生活の食い違いからこじれた、ダブル不倫のカップルだった。あそこまで好みが違えば、最初の旦那さんと別れたのは正解かも。
 「怖い食卓」 OLさんの茶飲み話で、まったくホラー色はないけど、ダントツで面白くて怖かった。注意書きのやたら多い店、水のおかわりもおしゃべりも禁止って、入りたくね~~。焼き鳥を8本頼まないと出てこない人気のラーメン、ラーメン屋に転業しろ~。こだわりでしょう油を置かない寿司屋(TT)。客の前でバイトや奥さんを怒鳴る店。耳に入ってくる他人の知ったかぶり話…等々。どれも小さい奴は経験してるなぁ。でかいのに逢ったら、ホント怖いです。
 
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粘膜人間

2013年08月05日 | ホラー
    飴村 行                角川ホラー文庫

 タイトルと、日本ホラー大賞長編賞とあるのに魅かれて購入。いやー、日本にもこんなのがあったのかと思うくらいのグッチャングッチャンどろどろのスプラッタホラー。
 著者が子供のころ、腐臭をはなつ河童の生首の夢を見て、巨大な小学生と河童の殺し合いをイメージしたという。非凡だ。下卑て戦いの本能に優れる河童たちと、それをも圧倒する怪物小学生雷太の迫力がすごい。
 雷太も、その兄達も父親も憲兵たちも、森の妖精のような存在も、そろいもそろって下衆でありクズである。だから誰が殺されても心が痛まない。中盤で理不尽に拷問される女性だけが気の毒だが、彼女もそれなりのことはしてたんだね。
 ラストの雷太と河童の長兄との対決は、エイリアンvsプレデターを連想しました。
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存在しなかった惑星

2013年06月13日 | その他
アイザック・アシモフ              ハヤカワ文庫

 久々に本のレビューをやります。SF作家アイザックアシモフによる、17編からなる科学エッセイ集。下の2つが抜群に面白かった。

存在しなかった惑星

 表題作。科学史ドキュメンタリーとでもいうべきか。事実しか書いていないのに、見事なドラマになっている。時は1843年、フランスの天文学者ルヴェリが、当時太陽系の一番外側の惑星とされていた天王星の軌道に、重力の法則からみてズレがあることを発見。彼はそれがさらに外側にある惑星の重力の影響だと主張し、場所まで示した。それを受けた別の天文学者が、そこになんと………海王星を発見したのである!
 科学者として大ホームランである。ノーベル賞があったら(当時はまだない)、物理学賞でも受賞してたんじゃないだろうか。
 調子に乗った(?)ルヴェリは、水星の軌道にもズレがあると主張、その内側にある惑星の存在を予言、その惑星をヴァルカンと名付けた。さあ、世界中の天文学者によるヴァルカン探しが始まった。見つからない……日食のときならもしかして……見つからない。そして20世紀になって、ヴァルカンの存在は否定された。ニュートン物理学では説明できなかった水星の軌道のズレは、アインシュタイン物理学では説明できたのだ。

さまよえる宇宙船

 アシモフは、UFO=宇宙人の乗った宇宙船という説に大反対であり、強烈な嫌悪さえ抱いている。彼のところに送られてきた雑誌に「著名なSF作家のアシモフとアーサー・クラークがUFOに反感を持っているのは驚きだ」というような文章があるのを見て怒り狂う。「アーサーや私がSF作家だからといって、それが自己の知性を喪失したり、SFと何か共通点があるらしい神秘的な新興宗教を信じたりするのが当然だと人々から思われる理由に、どうしてなるのか?」
 反対の根拠は「恒星間旅行に必要なエネルギーは莫大なものだから、どんな生物であれ、広大な宇宙空間を超えて宇宙船を操縦してきながら、何十年にもわたって我々と隠れんぼしているだけというのは、私には想像もつかないことだ」というもの。至極もっともである。
 さらにアシモフは、UFO=宇宙船論者の主張を12のパターンに分け、そのすべてを粉々に論破している(笑)。

 私はよく数十年前のSFを読むのだが、そこで描かれる現代(21世紀初頭)よりも現実の方が進んでいる部分(インターネットや携帯端末)もあれば、現実が遅々として進まない部分もある。後者の代表が、「恒星間旅行」と「意志のある人工知能」だろう。その意味で、アシモフの見解(1980年代のもの)は卓見だったといえる。
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棋士の運営する将棋界は特殊か?― 他の業界はどうなの?―

2013年06月10日 | Weblog
 「即席の足跡」へのコメントにまつわる「英の放電日記」の記事の中で出てきた、興味深いテーマです。全然整理がついていないのですが、思いつくままに書きます。いずれも日本の場合です。超遅い反応ですみません。
 
相撲
 英さんのおっしゃる通り、一番将棋に近いと思います。幕下以下=奨励会ととらえると、若手は参入退出が活発です。ただ、四段=十両への昇格が将棋が年4人に対して十数人、4勝6敗を繰り返せばどこまでも落ちる、一方で師弟兄弟弟子は対戦しない、横綱は陥落しない等の違いがあります。将棋の運営が親方ではなく現役選手なのは、選手寿命の違いが原因でしょう。横綱審議会という、弱い監査機関があります。

落語
 唐突に思うかもしれませんが、選手が運営しているという点では将棋と共通しています。世襲もまだあり、伝統芸能の一面も。ただし他のジャンルのお笑い(昔は色モノと呼ばれ格下扱いだった)との激烈な業際競争にさらされています。

プロ野球
 オーナー会議(それも特定オーナー)が強力な権限で運営し、コミッショナーという弱~い上位機関(?)があります。選手間の競争、参入退出はきわめて激しいですが、球団は固定されています。下位球団は保護されているともいえますが、上位球団との高コスト競争を強いられており、時々オーナーが交代します。

陸上、卓球、水泳などオリンピック競技
 ごく一部のスポンサーつき選手、契約選手、実業団、学生の混合体。「実業団」というと、サッカーが実業団を脱してプロ化する時「競技に専念できないダメな制度」という言われ方をしましたが(間違いなくそういう面もありますが)、若い選手が競技をやりつつ普通の仕事のスキルを身に着けられるという利点があります。

ボクシング、ゴルフ
 ライセンスは必需品ですが、それだけではまず食えません。たいていは副業(そっちが主収入)やレッスンプロで食いつなぎ、頂点では収入が青天井になるアメリカンドリーム的競技。

 きりがないのでこの辺にしますが、実は将棋(囲碁)が最も特殊なのは「新聞が超安定したスポンサー」という点だと思います。私のように新聞の将棋欄を必ず読む人がいるのは確かですが、将棋人気と新聞の売り上げの因果関係など、あまり分析されません(他の要因が多すぎて無理)。だから目先の人気に一喜一憂せずに済むんですが、危機感が生まれにくい一因にもなっているのでしょう。

 次回の電王戦をやるのなら、精鋭1~3名(阿久津、木村、菅井、阿部ケンなど)を、一般棋戦の休場を認めつつ送り出してはどうかと思います。
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