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ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

プーランク/グローリア&スターバト・マーテル

2014-10-25 11:20:05 | クラシック(声楽)
クラシック音楽の歴史において宗教音楽というのは重要な位置を占めていますが、どことなく取っつきにくさを感じている人は私に限らず日本のクラシックファンには多いのではないでしょうか?やはりキリスト教の世界観というものに馴染みがないため、どうしても身構えてしまうんですよね。恥ずかしながら私はモンデヴェルディもバッハもヘンデルも、それどころかモーツァルトの「レクイエム」さえきちんと聴いたことありません。そんな宗教音楽初心者の私ですが、今日ご紹介するプーランクの宗教曲2曲はとても気に入りました。プーランクは1899年生まれですので時代的には完全に現代の作曲家ですが、20世紀前半に主流だった前衛的な音楽とは一線を画し、モーツァルトら古典派の影響を感じさせる曲を多く残しました。(以前、当ブログでも「牝鹿」を紹介しました。)この「グローリア」「スターバト・マーテル」もバロック風の伝統的な様式に則りながらも、管弦楽の使い方に随所に20世紀的な要素も感じさせ、荘厳であると同時にエンターテイメント性も高い作品となっています。



まず、「グロリア」ですが、神の栄光を讃える歌ということもあり、まずは「天においては、神に栄えあれ」「われら主をほめ」のパワフルな合唱で始まります。中盤の「主なる神よ」「主なる神、神の子羊」は一転して敬虔な雰囲気に満ちあふれた美しい旋律。何より素晴らしいのが最終第6曲「父の右に座したもう主よ」で、ソプラノ独唱と合唱とオーケストラサウンドが三位一体で奏でる美しい旋律に思わず恍惚としてしまいます。もう1曲の「スターバト・マーテル」は、我が子イエスを失った聖母マリアの嘆きを歌にしたもの(以前UPしたドヴォルザーク「スターバト・マーテル」を参照)で、「グローリア」に比べるとやや重苦しい印象です。それでも美しい合唱とダイナミックなオーケストラが生み出す世界観はこちらも負けず劣らず素晴らしいものがあります。2曲とも作曲年代は1950年代と完全に現代なのですが、そんなことを感じさせないぐらい普遍的な魅力を持った名曲だと思います。CDはジョルジュ・プレートル指揮フランス国立管弦楽団&フランス国立放送合唱団のものを買いました。独唱はオペラでも名高い世界的ソプラノ、バーバラ・ヘンドリックスで美しいオーケストラ&合唱とともに彼女の独唱も聴きモノです。

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