ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

バッソ=ヴァルダンブリーニ・セクステット

2017-08-10 23:28:53 | ジャズ(ヨーロッパ)
前回エントリーで「チェット・ベイカー・イン・ミラノ」をアップしましたが、本日はその流れでイタリアのジャズメン達の力作をご紹介しましょう。上述の録音にも参加していたテナーのジャンニ・バッソがトランぺッターのオスカル・ヴァルダンブリーニと組んだバッソ=ヴァルダンブリーニ・セクステットによる1962年の作品ですね。このグループに関しては2年前にもバッソ=ヴァルダンブリーニ・クインテット名義の作品をご紹介しましたが、トロンボーンが増えて5人から6人編成になっています。当時は本場アメリカでもジャズ・メッセンジャーズがカーティス・フラーを加えた3管編成で注目を浴びていましたから、それに合わせたのかもしれませんね。メンバーはバッソ(テナー)、ヴァルダンブリーニ(トランペット)に加え、ディノ・ピアナ(トロンボーン)、レナト・セッラーニ(ピアノ)、ジョルジョ・アッゾリーニ(ベース)、リオネッロ・ビアンダ(ドラム)と言った面々です。



曲は全7曲。「バッソ=ヴァルダンブリーニ・クインテット」は全曲オリジナルで固めた作品でしたが、本作は4曲が本場アメリカのジャズメン達のカバーで3曲がオリジナルとなっています。カバー曲はジャッキー・マクリーン作でマイルスの演奏で知られる“Dr. Jackle”、デイヴ・ブルーベックの“In Your Own Sweet Way”、ジュニア・マンスの“Jubiliation”、そしてベニー・ゴルソン作でジャズ・メッセンジャーズも演奏した“Are You Real”です。1曲だけバラードの“In Your Own Sweet Way”は正直イマイチですが、他は本場アメリカのジャズメン達に負けじとかなり気合の入った演奏です。特に典型的な黒人ジャズである“Jubiliation”や“Are You Real”にイタリア人の彼らが果敢に挑んでいる様は痛快です。一方でオリジナルもなかなか捨て難い。バッソ作の“Coltrane Style”は文字通りジョン・コルトレーンに捧げた曲ですが、曲風の方は当時モード路線を突っ走っていたコルトレーンとはちょっと違い、ベニー・ゴルソン風のファンキー・ジャズ。ヴァルダンブリーニ作の“Monotonia”は彼の切れ味鋭いトランペット・ソロから始まるハードなナンバーです。“Vinnie's Components”はジョージ・グルンツと言うスイスの作曲家の曲らしいですが、ちょっと暗めの曲で、これは正直イマイチ。とは言え、全体的に見ると粒揃いの演奏が多く、イタリアン・ハードバップここにあり!と言った感じですね。

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