ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

モダン・ジャズ・カルテット/淋しい女

2012-10-11 22:59:10 | ジャズ(その他)

マイナーレーベルの作品が続きましたが、今日はメジャー所でアトランティックの名盤コレクションからMJQ「淋しい女」をご紹介します。ジャズ史上最も有名なコンボと呼ばれる彼らについてあらためて紹介する必要もないとは思いますが、一応ミルト・ジャクソン(ヴァイブ)、ジョン・ルイス(ピアノ)、パーシー・ヒース(ベース)、コニー・ケイ(ドラム)からなるカルテットです。1952年に結成され、55年にドラムがケニー・クラークからコニー・ケイに交代したのを除けば74年に解散するまで同じメンバーで活動し続けた希有なグループです。ただ、異論を承知で言わせてもらえば私はこのMJQ、そんなに好きじゃないんです。クラシックの影響を大きく受けたジョン・ルイスの室内楽的サウンドはややもすればジャズ特有のダイナミズムに欠けるんですよね。一応、代表作に挙げられる「コンコルド」「フォンテッサ」は持ってますが、正直そこまで愛聴してませんし・・・



という訳で深く期待もせずに買った本作ですが、なかなか良かったです。1962年の録音ということもあり、レパートリーも50年代とは違い、バラエティあふれる内容。特に表題曲の“Lonely Woman”は何とフリージャズの旗手であるオーネット・コールマンのナンバー。おどろおどろしいテーマは原曲そのままですが、その後に続くアドリブはMJQらしい端正なもので、結果的によりドラマチックな楽曲に仕上がっています。続く“Animal Dance”は躍動感に満ちた明るい曲で、ミルトのヴァイブが素晴らしい。こういうノリのいい演奏はMJQには珍しいので新鮮です。3曲目の“New York 19”はジョン・ルイスが残した名曲で、都会的フィーリングに溢れた美しいミディアムナンバー。勝手なイメージですが、晩秋のセントラルパークの情景が思い浮かびます。4曲目以降も悪くはないですが、この前半3曲だけで買う価値ありですね。美女のアップが写ったジャケットもGOOD!


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