エドワード・ヤン監督「台北ストーリー」を見る。
長らく未公開だった同監督の第二作。
主演はなんとホウ・シャオシエン監督で、
相手役の女優さんは、ヤン監督の奥さんだった人。
そんな情報を頭に入れて見ていたら、
厳しくてキレのある演出に、
ヨコシマな考えなど吹っ飛んでしまったというか。
かつて野球選手として名を馳せたアリョンは、
実家の織物問屋を継ぎながら、まったく浮上しない自身に苛立ち、
恋人のアジンも、仕事をリストラとなり、
気持ちのはっきりしないアリョンにためらいながら、
快楽にまかせた毎日を送る。
淡々としたストーリー展開のなか、
だんだんストレスをため込んでいく登場人物たち。
見た目は普通なのだけど、
体と心のなかはストレスで充満して、
もう暴発寸前、というか。
制作が85年だから、バブル前で、
変貌著しい台北という街並みを見つめる映画でもある。
ビルのネオンサインをバックに捉えられた
ヒロインのロングショットの美しさに目を見張る。
こういうのをキレのある映画と言うのだろう。
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