ぱんくず介護録

在宅介護事情。

珈琲飲みながら

2009-12-31 23:00:00 | じじの在宅介護
第九が終わって21:00。
画面にいろんな演奏家やオペラ歌手が登場する。
シルヴィ・ギエムがボレロを踊っている。


珈琲を飲みながら、じじと昔の話をする。


じじにとっても私にとっても
長年の手械足枷であり
心理的な呪縛となっている問題について。


この事を
じじ本人が自分の口で私に話したのは初めてだ。
これまでは人づてに、断片的に耳にしただけで、
それを口にするのは私が物心ついた時から既に禁忌だった。
じじがここまで晩年にならなければ
言葉として表出する事も出来ないほど
じじの中では根の深い恨みであり呪いだった。






主イエス・キリスト、感謝します。
やっとスタートラインに立つ事が出来ました。

ちあきなおみ、紅白、第九

2009-12-31 22:30:00 | じじの在宅介護
蕎麦を食べた後の丼を洗いながら
ちあきなおみの「喝采」を横耳で聞く。


この歌を聞いた時、小学生だったな。


ちあきなおみが終わって、
別のチャンネルで第九が始まるまでまだ1時間あって
仕方なく紅白にチャンネルを合わせた。
かつてじじはハマサキアユミを見て
「この人は何処の国の人だ?」と言っていたが
私もじじと同じくらいに芸能人の顔と名前が一致しない。
何よりも
ちあきなおみの歌を何時間も聞いた後に
紅白で今時のおにっちゃんやおねっちゃん達が
歌ったり踊ったりしているのを見ても
何だかなー・・・・・・退屈だぁ。


つまらんつまらんと文句言っているうちに
20:00になって、第九が始まった。
何年前からか、
毎年大晦日の夜には
見てもわからない紅白よりも
第九にチャンネルを合わせるようになった。
珈琲飲みながらね。


今年の第九は子供達が合唱に加わっている。


いいよね第九は。


そうだな。
いい歌だな。


教会の賛美歌にも収録されてたんだよ。


ほう、そうか。


今度教会で
前の賛美歌集に載ってるから教えるよ。


そうか。
で、この曲は何ていう題名だ?
『新世界』と似てるな。


似てるか???・・・・・・・・・・・・・・・orz


さんざんこの交響曲の良さを語って
初演の時にベートーベンは既に聴覚を失っていたエピソードまで
さんざんしみじみ語った挙句に。

年越し蕎麦

2009-12-31 19:30:00 | じじの在宅介護
大晦日だし、
昼食から年越し蕎麦にした。


例年は
私が十分な休日を取る事が出来ず、
夜勤明けの大晦日とか夜勤入りとか明けの元旦などは珍しくなく
必ず自分で作ると決めている旨煮などの料理を作る以外、
年越し蕎麦は時間が無くて贔屓の蕎麦屋に出前を頼んでいた。


しかし今年は
私に時間はあっても一食に出前を頼むほど経済的な余裕が無く
生蕎麦を買って来た訳であるが、これは大変良かった。
自分で蕎麦を茹でて、蕎麦湯も楽しめるのと
予想外に美味く出来たからだ。


年越し蕎麦、二回食べたであるよ。
めでたし、日本人の食文化。


大晦日の昼食には
長芋を摩り下ろして冷たいとろろ蕎麦にした。
いや、自分でも感動するほどウマかった。
じじもしきりに「うまいうまい」と連発していた。
(昼食が1時間遅れたので余程空腹だったに違いない。)
今後は乾麺の蕎麦よりも
生蕎麦を買ってじじに食べさせよう。
冷たいのも温かいのも手早く簡単だし。


長芋でとろろ蕎麦は美味だったが
次回は大根をおろして刻み青じそと合わせ、
納豆蕎麦を作ろう。


昼食後、
くつろいでいるじじに
これまで見た事無かったキリスト教の映画を物色して
『マルセリーノ・パンとぶどう酒』を持って来た。
主人公の子供が可愛いくてじじは喜んで見ている。


じじはマルセリーノに
教会に来ている子供の誰彼を重ねているだろうか、
自分の幼少時を重ねているだろうか。
食い入るように画面に釘付けになっていた。


私はその間に
洗濯機を回し、食べた食器を洗い、
夕食の仕込みをする。


大晦日の夕食も年越し蕎麦で、
温かいかしわ蕎麦にした。
昆布茶と少量のめんつゆで薄味にして、
鶏肉と牛蒡と人参、しめじとエノキタケを入れ、
薬味に刻み葱。


洗濯が終わり、
かしわ蕎麦の仕込みが出来上がり、
台所を片付けて、
鉢植えの水遣りを済ませ、
ヘルパーの日誌に目を通し、
介護関係の書類や領収書の整理をし、
昨年以前までのじじ宛てのはがき類をファイルに収納する。


気がついたらマルセリーノの映画は終わって、
ちあきなおみの昔の映像が画面に出ている。
大晦日のBS歌番組はちあきなおみらしい。
しみじみ、いい歌や。


ちあきなおみに聞き入る間に
もう夕食の時間になっていた。


再び蕎麦を茹でて
かしわ蕎麦を食べる。
ウマいわ。
鶏と牛蒡としめじ、
一体何だったのこれまで自分が金払って
食べ歩いていた蕎麦は。


これからは自分でちゃんと料理作ろう。

大晦日の動き

2009-12-31 14:30:00 | Weblog
12/30の夕方から旨煮を作り始め、
大晦日の明け方に完成させた。


大晦日と元旦の二日間は
私が仕事の休みを取ったのもあって
ヘルパーさん達には休んで貰い、
じじ宅には朝から誰も行かない。


大晦日のじじの朝食は
前夜ヘルパーさんが用意してくれているので
昼食から私が用意する事になっていた。


完成した旨煮を温め、
きんぴらを炒め、
茶筅茄子を作り、
厚焼き玉子を二本焼いた。


料理は重箱2セットに詰め、
片方はばば宅に届けたら外出中だった。
メールで呼び出し、
鍵を開けて玄関の中に置いたその足でヨー○ドーに行き、
生蕎麦や餅など食材を買った。


店内でばばとばったり鉢合わせした。
買ったばかりの生蕎麦を手渡して別れた。
道路はざぶざぶに融け出して水溜りだらけ、
しかも水溜りの底は氷である。
タクシーを呼び、
買い込んだ食材を乗せ私の自宅に寄って
重箱に詰めた料理を取り、
急ぎじじ宅に向かう。
もう13:00を過ぎていた。
じじの昼食を早く作らないと。

正月料理

2009-12-30 21:19:00 | Weblog
精神状態がよろしくないので
今年は何も作りたくないし食べたくも無いので
じじが利用している配食業者の正月料理を予約して
今年は何も作らないつもりでいた。


しかし
申し込み用紙は私が手に取らないうちに
新聞紙と一緒に廃棄されてしまっていたらしい。
気づいたのは既に予約を締め切られた後だった。


結局一から全部自分で作らねばならず。


ま、食べたいものだけ作ればいいので
経済的には安上がりである。


今さっきから旨煮作成に取り掛かった。

迂回して珈琲店に行く

2009-12-30 21:17:00 | Weblog
じじはテレビのドラマに見入っていた。


カレンダーを取り替え、
通院、デイケア、教会行事とヘルパー同行年始の日程を確認する。


鏡餅と擬似松飾を設置し、雰囲気だけ正月。


じじから珈琲店の店主夫妻に宜しくと伝言あり、
じじ宅を出て珈琲の飲み納めに行く。
通路が除雪の山で塞がれていたので敷地をぐるりと迂回した。

除雪の山

2009-12-30 20:50:00 | じじの在宅介護
買い物帰りに
正月料理の重箱を持って来ようと
じじ宅に寄った。


もう徒歩は断念したよ。
幾ら何でもこりゃ無理。


行ってみると、
じじは昨日今日、
日課の珈琲店に行くのを断念していた。
除雪の雪山が硬く凍って氷山のようになり
車椅子の進路を塞がれてしまっていた。


あーこれは私でも無理だ。


じじが
珈琲の飲み納めを断念したら
ヘルパーさんが珈琲を自室で入れてくれたらしい。
よかったな。
有難い事だ。

『塩狩峠』鑑賞中だった。

2009-12-27 21:09:00 | じじの在宅介護
積もったベタ雪を漕いでバスに乗り、
所用で出歩いていた。


帰りに届ける物があってじじ宅に行くと、
じじが床に転がっていて、一瞬ぎょっとした。


教会から帰って来て、
ストーブの傍で寝転がったまま
借りて来たVHS『塩狩峠』を見ながら
うとうとしていたらしい。


ストーブからもっと離れた場所に移動させ、
茶を入れて帰って来た。
うとうとしているからと言って
見ていない訳ではないらしい。
主人公が寝たきりの恋人と離れて札幌に転勤し、
洗礼を受けようとする場面だった。


じきにヘルパーさんが来る。
邪魔しないようにして置く事にした。


次回、じじは教会で牧師先生や教会仲間達と
この映画の話をする事が出来るだろう。

祝会の夜

2009-12-24 23:30:00 | じじと教会
教会の有志が賛美歌を歌い、
市の交響楽団の指揮者である方のチェロ演奏を披露し、
しみじみとした夜であった。


じじは
茶菓子のチョコをぽりぽり食べていたと思ったら、
賛美歌の時に拍子をとってちゃんと賛美歌を歌っていた。
「耳が遠くて歌わん」と言っていたので少なからず驚いた。


ふと見ると、
礼拝堂の隅の本棚に映画『塩狩峠』のVHSがある事に気づいた。
先月、教会で映画会をやったのだが
じじはヘルパーの勤務時間も絡み、
トイレ誘導や長時間の座位は疲れるのもあり、
見たくても見られず残念そうにしていたのだった。
既に原作の小説は読んだが
じじは映画も見たがっていたのだ。
貸し出し可能だったので借りて来た。


(じじの関心は一際高い。
 この小説の主人公同様、若い頃じじは蒸気機関士だった。
 子供時代に継母がいたのも共通している。)


最後に参加者全員で持ち寄ったプレゼントを交換し、
帰りがけに
婦人会恒例のクリスマスクッキーをお土産に貰って
じじはまた満面の笑みを浮かべて帰って行った。
じじに付いてくれたヘルパーさんにも
プレゼント交換には参加して貰い、
クッキーをお土産に渡す事が出来た。


教会の後片付けを手伝った足でじじ宅に行くと、
ヘルパーさんは施錠を忘れて帰ったらしい。
扉の鍵が掛かっていなかった。


じじが朝デイケアに出かけてから
夕方ほんの30分程度、
食事の時間しか暖房を作動させなかったためか
室内は寒く、冷え切っていた。
ヘルパーさんがじじのために
温かいお茶を入れてくれていたが既にぬるくなっていた。


じじが貰って来た交換プレゼントを開くと、
婦人会の誰だろうか、
モロゾフのお洒落な缶の中に、
ジプロック入りの自家製糠漬けが入っていて、
じじは大笑いしていた。


食事につけて貰おう。


あんまり寒いので珈琲を沸かした。
前夜のクリスマスケーキがまだ残っていたので
それを食べながらしばらくじじと話をした。
『塩狩峠』の事故の話。
実際にあった事件であり、
同じような仕事で働いていた事もあって
『塩狩峠』に関してはじじの方が詳しい。


いつも来てくれているヘルパーさん達一人一人に
教会のクッキーを渡すよう、じじに伝えた。
付箋紙を貼って一人一人の名前を書いたので
気づいて貰えるだろう。


「いいクリスマスだったな。」


よかったなじじ。

じじの策

2009-12-24 21:00:01 | じじと教会
牧師夫人達に
「井上さん、お父さん来たよ。」と声をかけられて
玄関に行くと、
教会仲間達に出迎えられて満面の笑みを浮かべたじじと
この夜の教会同行のためだけに
急なシフト変更でクリスマスイブが勤務になってしまった
気の毒なヘルパーさんがいた。


ヘルパーさんが言いにくそうに「あの、これ・・・」と言った。
じじの足元にあの将棋盤がでんと置かれている。


「何なのこれは!」


じじ、開き直る。


「タクシーに積んで来たんだからいいだろうっ!」


違うだろじじ。
タクシーまでその重い将棋盤を運んだのは
あんたではなくてヘルパーさんだろ。
タクシーからこの教会の中まで重い将棋盤を運んで来たのは
あんたではなくてヘルパーさんだろ。


「もう教会まで持って来てしまったんだから
 いいだろうっ!」


玄関の通り道に置かれて邪魔なので
とりあえずクローゼットの中に置かせて貰った。


実力行使のつもりか妖怪め!