『大津波のあとに』
2011年/日本/73分
監督・撮影:森元修一
震災後数日の仙台荒浜地区、東松島、石巻の様子を無言で撮影。
映像に加えて風の音が、
何にもなくなってしまったという事実の残酷さを切実に訴える。
瓦礫の中を自衛隊と警察が歩く。
遺体を発見したのか担架に載せて運び、自衛隊のトラックに乗せ換えて運ぶ。
被災者が自宅跡地を残されたものを探して歩く。
話しかける。
悲しみ、怒り、無念と共に思いのたけを話すことができる人もいれば、
「取材なんて状況じゃないから」と子供の遺品を探す人も。
なんか、
こういう映像を残しておかなければいけないというのもわかるけど、
よほどの神経じゃないとあの場面でカメラを回して話しかけるなんてできないなと、
別の意味で胸が痛かった。
『槌音』
2011年/日本/23分
監督・撮影:大久保愉伊
岩手県大槌町出身の監督が
以前から撮っている大槌の町の様子と震災後の様子を重ねあわせていく。
お祭りや駅の映像もさることながら、
監督の家族の映像なんかが、
あまりにも普通の家族の、作られてないごくありふれたホームビデオの映像すぎて、
あーこんなふつうの家族がものすごい数でバラバラになってしまったんだ、
多くの家族はこういう映像とか思い出の品とかも一切なくなったんだと
自分のことのように感じられて、
もう涙がボロボロ出て一人で大変なことになってしまいました・・・。
短く、言葉がほとんどないドキュメンタリーです。
ぜひみんなに見てほしいです。