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「相手を壊してこい」というアンフェア

《東ニ病気ノコドモアレバ行ツテ看病シテヤリ》(「賢治詩碑」、平成27年10日5日撮影)

 NHKNEWS WEB 5月17日付 「アメフト危険行為」
    「相手を壊してこい」 日大監督が試合前に発言 アメフト問題
によれば、
 日本大学のアメリカンフットボール部の選手が、関西学院大学との定期戦で重大な反則行為を行った問題で、日大の内田正人監督が試合前、この選手に対し、「相手を壊してこい」と話し、反則行為を促すような発言をしていたことが関係者への取材でわかりました。
という。予想すらできないことが、アンフェアの極みが現実にそこでなされていたということになる。しかし、それは何もそこだけではなく、残念なことにここでもそのようなことが行われているのである。

 さて、ではその「ここでも」とはどこでか。あろうことか賢治の名を冠す『宮沢賢治学会』においてである。そしてそれがなぜアンフェアの極みなのかというと、〝賢治学会の一般会員の皆様に改めて訴えます(鈴木 守)〟で一度報告したように、次のようなこと、
 過日(5/9)ある方からご心配のお電話を頂いた。それは、この度、宮沢賢治学会の会員に代表理事名でわざわざ郵送された、
というタイトルの、何とA4判6頁にもわたる文書に関してである。
 その方は、『あの文書は問題ですよ。あれは鈴木さんに対する個人攻撃であって、代表理事が責任を取って辞任せねばならないようなやり方です。鈴木さんはこのままだとこれによって殺されますよというような意味のお電話だった。そしてその方から、このような件に関しては無料で弁護士が相談に乗ってくれる制度もありますよ、というアドバイスも同時に頂いた。
ということがあったからである。

 それにしても、賢治の名を冠する学会の代表が、非対称性を使っての私を狙い撃ちにした理不尽な個人攻撃をなさるとは。そしてそもそも、「学会」と銘打った組織であるならば、私の主張に異論があるのであればそんなアンフェアな攻撃ではなくて、
    当該の仮説に反例を提示するという正面攻撃
をなさって、会員に自ら範を示すのが学会の代表の姿勢でしょう。ところが、こんなアンフェアな攻撃をなさっておられるようでは、『正直、「学会」としての体をなしていない』と嘆く人だって中には当然おられるはずだ。まさに、増子義久氏が〝黄昏(たそがれ)の宮沢賢治”学会“〟において論じておられるように。
 しかし一方で客観的に考えてみると、賢治学会員全員にこの文書を送付したということは、現実としては、私を学会からつまはじきにする効果は絶大だろう。まさに、「相手を壊してこい」というアンフェアな攻撃そのものだと、私には思えてきた。

 なお、忘れてはならない重要なことがまだ一つある。それは、監督がこのような発言することは到底赦されたことではないが、だからといってそのような発言をした監督の意を体して「壊そうとする選手」の行為もまた赦されないということである。「選手」であること以前に、人としてやってよい事と悪い事の峻別はできなければならないし、せねばならない。
 そしてそれと同様に、あくまでも一般論ではあるが、学会のトップが学問的に理不尽な横車を押したからといって、以下の学会員も右に倣っったり、そのことを容認したり、あるいは等閑視したりすることは赦されないということである。なぜならば、それは学問を究める自分自身を真っ向から否定することになるからである。

 ……と、五月晴れの清々しい朝、万緑の花巻でつらつら考えてみた。

 そしてその清々しさに比べて、昨年の「春期セミナー」に於ける同セミナーの責任者から受けた非道い仕打ち、そして約半年前に起こった賢治学会幹部による三陸被災地支援募金の押し潰し、さらに今回は、個人名「鈴木守」を数箇所にわたって載せた上掲のような個人攻撃をしている「代表理事名の文書」の学会員全員への送付というように、これらの三度にも及ぶ予想だにできなかった現実とのあまりにも大きな落差。さて、賢治は今どのようこれらのことを思っているだろうか。

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《『本統の賢治と本当の露』の広告 》(平成30年5月1日付『岩手日報』一面下段)

 この度、『本統の賢治と本当の露』(鈴木守著、ツーワンライフ出版、定価(本体価格1,500円+税))

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      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813
 なお、〈目次〉は以下のとおりです。
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