賢治の詩集「春と修羅 第二集」の中に作品『測候所』
シャーマン山の右肩が
にはかに雪で被はれました
うしろの方の高原も
おかしな雲がいっぱいで
なんだか非常に荒れて居ります
……凶作がたうたう来たな……
杉の木がみんな茶いろにかはってしまひ
わたりの鳥はもう幾むれも落ちました
……炭酸表をもってこい……
いま . . . 本文を読む
さいかち淵について気になっていることがある。
それは、賢治の童話『さいかち淵』の”八月十四日”の章の出だし
ぼくらは、蝉が雨のやうに鳴いてゐるいつもの松林を通って、それから、祭のときの瓦斯のやうな匂のむっとする、ねむの河原を急いで抜けて、いつものさいかち淵に行った。今日なら、もうほんとうに立派な雲の峰が、東でむくむく盛りあがり、みみずくの頭の形をした鳥ヶ森も、ぎらぎら青く光って見えた。しゅ . . . 本文を読む