賢治が封印した詩稿群(「補遺詩篇Ⅱ」分)
〔十いくつかの夜とひる〕
十いくつかの夜とひる
患んでもだえてゐた間
寒くあかるい空気のなかで
千の芝罘白菜は
はぢけるまでの砲弾になり
包頭連の七百は
立派な麺麭の形になった
あゝひっそりとしたこの霜の国
ひっそりとしたすぎなや砂
しかも向ふでは川がときどき、
不定な湯気をあちらこちらで爆発させ
残丘の一列も
雪を冠って青ぞらに立つ
病んでゐても
或ひは死んでしまっても
かういふ風に川はきれいに流れるのだ
白菜の膨れた葉脉の間には
氷の粒が填ってゐて
緑いろした鎧の片のやうでもある
<『校本宮澤賢治全集第六巻』(筑摩書房)>
《鈴木 守著作案内》
◇ この度、拙著『「涙ヲ流サナカッタ」賢治の悔い』(定価 500円、税込)が出来しました。
本書は『宮沢賢治イーハトーブ館』にて販売しております。
あるいは、次の方法でもご購入いただけます。
なお、既刊『羅須地人協会の真実―賢治昭和二年の上京―』、『宮澤賢治と高瀬露』につきましても同様ですが、こちらの場合はそれぞれ1,000円分(送料込)の郵便切手をお送り下さい。
☆『賢治と一緒に暮らした男-千葉恭を尋ねて-』 ☆『羅須地人協会の真実-賢治昭和2年の上京-』 ☆『羅須地人協会の終焉-その真実-』
☆『「涙ヲ流サナカッタ」賢治の悔い』 ☆『宮澤賢治と高瀬露』(上田哲との共著)
◇ 拙ブログ〝検証「羅須地人協会時代」〟において、各書の中身そのままで掲載をしています。
〔十いくつかの夜とひる〕
十いくつかの夜とひる
患んでもだえてゐた間
寒くあかるい空気のなかで
千の芝罘白菜は
はぢけるまでの砲弾になり
包頭連の七百は
立派な麺麭の形になった
あゝひっそりとしたこの霜の国
ひっそりとしたすぎなや砂
しかも向ふでは川がときどき、
不定な湯気をあちらこちらで爆発させ
残丘の一列も
雪を冠って青ぞらに立つ
病んでゐても
或ひは死んでしまっても
かういふ風に川はきれいに流れるのだ
白菜の膨れた葉脉の間には
氷の粒が填ってゐて
緑いろした鎧の片のやうでもある
<『校本宮澤賢治全集第六巻』(筑摩書房)>
《鈴木 守著作案内》
◇ この度、拙著『「涙ヲ流サナカッタ」賢治の悔い』(定価 500円、税込)が出来しました。
本書は『宮沢賢治イーハトーブ館』にて販売しております。
あるいは、次の方法でもご購入いただけます。
まず、葉書か電話にて下記にその旨をご連絡していただければ最初に本書を郵送いたします。到着後、その代金として500円、送料180円、計680円分の郵便切手をお送り下さい。
〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木 守 電話 0198-24-9813なお、既刊『羅須地人協会の真実―賢治昭和二年の上京―』、『宮澤賢治と高瀬露』につきましても同様ですが、こちらの場合はそれぞれ1,000円分(送料込)の郵便切手をお送り下さい。
☆『賢治と一緒に暮らした男-千葉恭を尋ねて-』 ☆『羅須地人協会の真実-賢治昭和2年の上京-』 ☆『羅須地人協会の終焉-その真実-』
☆『「涙ヲ流サナカッタ」賢治の悔い』 ☆『宮澤賢治と高瀬露』(上田哲との共著)
◇ 拙ブログ〝検証「羅須地人協会時代」〟において、各書の中身そのままで掲載をしています。
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