宮澤賢治の里より

下根子桜時代の真実の宮澤賢治を知りたくて、賢治の周辺を彷徨う。

32 (12) 姫神山(その1)

2008年10月18日 | Weblog
 「経埋ムベキ山」の姫神山について報告する。

 姫神山は、古くから、岩手山そして早池峰山と共に山岳信仰の霊山として崇拝されてきた。そして、これらの山々の間には”岩手山、姫神山、早池峰山の三山が同時に姿を現すことはめったにない”という三山伝説がある。
 かつて岩手山は姫神山を妻にしていたのだが次第に疎ましくなり、代わって美しい早池峰山に惹かれるようになっていった。そこで、岩手山は家来の送仙(おくりせん)山に、姫神山を儂の見えない所へ連れて行けと命じた。その家来は姫神山を東の方へ連れて行こうとしたのだが、傷心の姫神山の歩は遅々として進まない。翌朝、二人がまだ見えるところにいることに苛立った岩手山は怒り心頭に発し、ついに家来の首をはねてしまったという。
 それ以来、岩手山が現れる日は姫神山は姿を隠し、姫神山が見える日は早池峰山が見えない。

 因みに、当日の
《1 姫神山》(平成20年6月27日撮影)

《2 岩手山》(平成20年6月27日撮影)

である。

 さて、国道4号線から一本杉園地の第二駐車場を目指す。
《3 城内登山口への分岐》(平成20年6月27日撮影)

このY字路を左に行けば一本杉登山口である。
《4 次の分岐》(平成20年6月27日撮影)

はT字路になっていて、ここは右折する。
《5 姫神山の全貌が見えてきた》(平成20年6月27日撮影)

 ほどなく
《6 姫神山と第二駐車場》(平成20年6月27日撮影)

に到着。
 ところで、『校本 宮沢賢治全集 第十四巻』(筑摩書房)の中に高橋秀松による話として
  「北上山地探訪の時は、土曜の午後から出掛け姫神の下のあたりを通つて夜道となつた。山道は尽きて広い野原に出た。先途に、ボーツと明るい一角が見えいい香りがしてくる。花盛りの鈴蘭群生地であつた。二人は嬉々として花の上に寝転んで考えた。賢さんは、
今夜は松の大木の下に寝るとしようかと、松の大木は暗くて見付からなかつたが三・四反もある耕地を発見した。賢さんはしめたと一言いうて畑があれば近くに人家がある筈だと畑地通いの小道を辿つて谷に下りた。しかし、流れがあるばかりで人家が見当たらない。土橋の上でねる事にきめていたら川下の方から一老人が現われた。「オメエサンダチ、ナニシテル、こん処で寝たら狼にやられるぞ、オラノウチサオデンセ」と親切な言葉に導れて、二人は老人について川上に上つたら、大きな一軒家があつた。」

というエピソードが紹介されており、賢治の自然児らしさを彷彿とさせる。

 ここからは徒歩となる。
《8 姫神山登山案内図》(平成20年6月27日撮影)

《9 登り口はトイレの脇》(平成20年6月27日撮影)

 最初、登山路は広い草地の中を通る。
《10 ハナニガナ》(平成20年6月27日撮影)

が咲いており、
《11 シロバナニガナ》(平成20年6月27日撮影)

も。また、
《12 ホタルカズラ》(平成20年6月27日撮影)

《13 ヘラオオバコ》(平成20年6月27日撮影)

《14 ノアザミ》(平成20年6月27日撮影)

《15 アカツメクサ、ミヤコグサ》(平成20年6月27日撮影)

《16 ハナニガナの群生》(平成20年6月27日撮影)

などが見られる。そして、秋ならば
《17 ノコンギク》(平成16年10月17日撮影)

《18 〃 》(平成16年10月17日撮影)

《19 エノコログサ》(平成16年10月17日撮影)

《20 リンドウ》(平成16年10月17日撮影)

《22 アカハナワラビ》(平成16年10月17日撮影)

《23 ヒメアカタテハ》(平成16年10月17日撮影)

 西方には
《24 岩手山》(平成16年10月17日撮影)

《25 石碑と一本杉登山口の標識》(平成20年6月27日撮影)

があり、そこからルートは林の中に入る。路の脇には
《26 実の付いたマイヅルソウ》(平成20年6月27日撮影)

《27 バイカウツギ》(平成20年6月27日撮影)

 直ぐに登山路は
《28 十字路》(平成20年6月27日撮影)

に出くわすが、ここは真っ直ぐに進む。路は林の中を進む。
《29 フタリシズカ》(平成20年6月27日撮影)

《30 クルマバツクバネソウ》(平成20年6月27日撮影)

やがて、
《31 一本杉の標識》(平成20年6月27日撮影)

が立ててある。次の写真の中央に見える枝の多い杉の木が
《32 一本杉》(平成20年6月27日撮影)

である。この辺りは
《33 杉の美林》(平成16年10月17日撮影)

が広がる。林床には
《34 マムシグサ》(平成20年6月27日撮影)

《35 サイハイラン》(平成20年6月27日撮影)

《36 クルマムグラ(平成20年6月27日撮影)

などが咲いていた。
 やがて、路は急な坂となる。
《37 ざんげ坂》(平成20年6月27日撮影)

である。この辺りは秋ならば
《38 黄葉が美しい》(平成16年10月17日撮影)

《39 〃 》(平成16年10月17日撮影)

《40 〃 》(平成16年10月17日撮影)

《41 〃 》(平成16年10月17日撮影)

《42 〃 》(平成16年10月17日撮影)

《43 〃 》(平成16年10月17日撮影)

あえぎながら登ると
《44 坂の前方が明るくなってきた》(平成20年6月27日撮影)

と思ったならば、そこは
《45 五合目》(平成20年6月27日撮影)

である。ここからルートは直角に右に曲がり尾根筋を登る。
 この辺りになると咲いている花は殆ど無くかろうじて
《46 ヤマオダマキ》(平成20年6月27日撮影)

が咲いていた。そして、
《47 六合目通過》(平成20年6月27日撮影)

 さて、六合目が過ぎると路には
《48 大きな岩》(平成20年6月27日撮影)

がゴロゴロ横たわる。その脇には
《49 ヤマブキショウマ》(平成20年6月27日撮影)

が間もなく咲きそうにしているが、それ以外の植物の花々はコース近くには見えない。
 春の姫神山を一面に飾るカタクリなどは、いまは
《50 カタクリの果》(平成20年6月27日撮影)

が間もなくはじけそうになっている。
 そして、何故かは判らないが登山路の中に
《51 一本だけ電信柱?》(平成20年6月27日撮影)

が立っていた。この辺りは秋ならば
《52 紅葉》(平成16年10月17日撮影)

《53 〃 》(平成16年10月17日撮影)

《54 〃 》(平成16年10月17日撮影)

《55 〃 》(平成16年10月17日撮影)

が美しい。
 そうこうしているうちに
《56 七合目》(平成20年6月27日撮影)

に到着。すると、ひっそりと隠れるように
《57 コケイラン》(平成20年6月27日撮影)

が咲いていて、また
《58 フデリンドウ》(平成20年6月27日撮影)

は種を頭に見せていた。
 困った、
《59 路を塞ぐ大岩》(平成20年6月27日撮影)

あり・・・どうしよう、と思ったならば
《60 木の梯子》(平成20年6月27日撮影)

がかけてあり、何とか通過し、ほどなく
《61 八合目》(平成20年6月27日撮影)

に到着した。

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