クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

バイクのFCU

2024-05-07 15:59:25 | バイクのサスペンション
ある日知人が二輪で来社。

二輪、四輪のライターをやっている器用な人です。

で跨ってきたそれはバイクメーカーの広報車両。

滅多にないことなので試乗させてもらいました。

250ccだったか400ccだったか⋯記憶に残っているのがフロントフォークの動きが雑だったこと。

この時のフォークの中身を知る由もないのですが、これで新車?と思ったことを覚えています。

それ以降は特に縁の無かったバイクですが、最近になって触れる機会ができました。

となるとフォークを分解して"雑"な動きの元はどこなのか、その理由を確かめてみたくなります。

作動時に若干は加圧されるものの、四輪の"オイルショック"と同じ大気圧封入方式。

クルマと大きく違うところは、バイクのフロントフォーク⋯テレスコピックが
伸び縮みする時の摩擦が大きいこと。

特に「静摩擦」がストロークのたびに動き始めが引っかかります。

スッとストロークし始めないことは、停止しているときに押さえ込んでみるとわかります。

手で押さえたくらいでは張り付いているかのようにびくともしません、
勢いよく体重をかけてやっと沈み込みます。

車両重量(車体重量)は乗用車の数分の一なので、動きはじめの渋さは
ゴツゴツあるいはボコボコとした、硬いタイヤを履いている印象の乗り味になります。

このフロントフォークの摩擦が大きいことは広く知られているようで、
低フリクションをうたうダストシールが売られていたりします。

さらに減衰値を発生するカートリッジを社外品に交換するケースもあります。

これはより洗練された乗り心地?高性能???を"期待"させるモノです。

裏を返せば、純正フォークではその余地があると思われていることです。

以前感じた雑な動きというのがもしかしたらそれかもしれません。

*FCU⋯front cushion unit