Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

地震の瞬間

2011-03-11 23:32:19 | つれづれ・・・

認知症グループホームで音楽療法。「最後にもう1曲」のところでグラグラ~、「あら揺れてる。地震?」と言ってからが長い。横揺れがしばらく続く。「大丈夫、皆一緒だから。ここは安心なのよ」と職員が励ます。でも長い、大丈夫かしら・・・と思っていたら、100歳になるAさんが「オレは浅草だけど、関東大震災にくらべたら、こんなの『へのかっぱ』」。

おさまったところでおやつタイム。その間にも何度も大きく揺れる、「こわい」と泣き出す人もいる。TVをつける。この辺りは震度5。津波情報が繰り返し流れるが、ニュースでは続々と地震や津波の様子が流れている。「もしかしたら大変な状況?」と思われる映像が放映され、TVから目が離せない。「先生、車が流れてるよ」「石油コンビナートが燃えてる」「これが津波なの?」・・・

母体の医療法人から状況確認の電話、その後すぐに訪問看護ステーションのナースが見回りに訪れ、安全を確認。私のケータイに<職員安否確認メール>が入る。リハビリテーション科で今日外に出ているのは私だけ、「グループホームにいます。全員無事です」と返信。職員も私も家族や友人が気になりケータイ片手にトライするが、なかなか繋がらない。交通機関がストップし、夜勤者が来られない。もちろん私も帰れない。そんな午後を過ごした。

自宅まで車で送ってもらうことになり、夕方遅く出たが、停電で信号がついていない。車しか手段がないので渋滞。気がついたらすっかり夜になっていたが、停電で道も危ない。灯りの消えた商店街は、まるでホラー映画の世界で身震いするほど。車の帰り道を思うと歩くほうが安全な気がしてきたので、途中で車を降りた。「そういえば我が家はどうなっているのか」と初めて気になった。

目指す方向の何棟もある60階タワーマンション群は真っ暗。停電? 家が近づくにつれ明るくなってきた。その先のマンションは明るい、よかった、停電ではない。でも震度5は食器が散乱しているに違いない。エレベータは停止しているので、8階まで階段であがる。途中ご老人と一緒になったので、「大丈夫ですか?」と声かけしたら、「13階まで行くので休み休みゆっくり行きます。ご心配なく」とのことだった。

家に入って唖然! 「やっぱり~」、キッチンもリビングも食器が割れている。普段使いのキッチン食器より、リビングにおいているフィンランド製品の方が多く割れていた、ショック。気を取り直して、軍手3枚重ね+ソックス2枚重ねで片付け作業。ころころ形のあるものがやられていて、ソーサは6枚残ったのにカップは2個だけ、グラスや深皿、煮物を入れる深めの鉢類全滅。そのひとつひとつに思いがあるが、いただいたものはほとんど無事。またフィンランドで買う楽しみがある、と思いながら片づけ作業をすすめる。でもヘルシンキのアンティークショップで買った古い Arabia製品  はめちゃくちゃで悲しかった。CDや本も床に散乱、これはもう明日。

中高の友人から「皆、大丈夫?」と、またフィンランド族のカンテレ仲間から「無事ですか?」とそれぞれ一斉メール。こんなときにありがたい。「全員に返信」して安否確認。身内は、何かのときの情報集結先の妹に連絡、夫は会社のある神保町から3時間歩いて帰宅、息子は「まだ会社」。

とりあえず、無事で~す。そういえばお昼のお弁当以降何も食べていなかった。軽く何か食べて寝ようかしら、明日も仕事だから。