ひぐらし:アニメ版暇潰し編までの評価と前回の補足

2007-01-30 02:18:36 | ひぐらし
さっきひぐらしアニメ版の暇潰し編まで見終わったので感想を書いておく。ただその前に、前回のひぐらし礼のレビューに一点補足しておきたい。

それは「舞台の中心には誰もいない」という特徴である。どういうことかと言うと、賽殺し編・昼殺し編を終えたらお疲れ様会に入れるのだが、その最後で出てくるカーテンコール(喩えではなくこう表現するのが相応しいだろう)において、真ん中に立っている人物が誰もいないのだ(この点、中心から少しズラした所に魅音を置き、その横に一番プレイヤーが付き合いの長い[≒主役であった時間が長い]圭一を配しているあたりに作為を感じる)。みんな立ち位置がバラバラだからそもそも気にする必要はないのかもしれないが、主役を誰か一人に絞れないし、またこれからの設定次第で誰でも主役になりうる(なぜなら皆「役者」なのだから)ことを暗示しているように思う。


さて、本題であるアニメの評価に移ろう。

(鬼隠し編)
レナが夕食を作ってきた時の「嘘だよっ!!」はなかなか迫真の演技でよかった。後は細かい変更はあったが微妙。しかし一番気になったのは、レナや魅音の豹変をどうするのかという問題。これは放置されていたが、そうすると罪殺し編が崩壊するのではないだろうか?というのも、あくまで圭一の視点でこそレナや魅音は豹変するのであり、第三者視点では正常なままだと考えられるからだ。これでは「鬼編=圭一が症候群」という図式が成立しなくなってしまう。

(綿流し編)
良くできている。この話の場合圭一は振り回される役であるため、原作でも事態の推移が描写の中心となる。それゆえ濃密な心理描写が(他と比べてだが)少なくて済むのだ。そのことに加え、地下牢や釘が目に見える形になったため迫力が出てよかったのだと思われる。ただ、古手家捜索の時の魅音の描写は下手だなと感じた。

(祟殺し編)
やはり濃密な心理描写が必要となる話はきつい。沙都子が教室で暴走するシーンは、魅音が歯を食いしばりながら泣いていたり(お魎の意向により沙都子を助けられないからだ)、レナが沙都子を抱きしめて謝ったり、圭一が無力を嘆くだけの部活メンバーに怒って凶行を計画するなど、祟殺し編最大の見せ場の一つであり、どれ一つとして削ったり変更していい部分などないように(少なくとも私には)思える。しかし実際には、レナと魅音のそれは無くなり、圭一が怒るシーンも改変されて今一つ迫力がない。また第三者視点になることでかなり迫力が弱まっている部分があるから、代わりに君望のような新視点を入れるなどしていれば…とも思ったが、展開のスピードからしてそれも難しいだろう(現時点ですでにかなりの部分が削られており、これ以上改変すると混乱をきたす危険性が大きい)。要するに、祟殺し編をきちんと演出するのには120分(5話)でも全く足りないということであり、原作の密度を考えればしょうがないとも思うが、この辺危惧していたことが諸に当たってしまっている感じだ。
ところで、梨花の死体が結構容赦なく出てきたのには驚いた(鉄平撲殺シーンがカットされていたので暴力やグロはカットされるのだと判断していたため)。これが目明し編にどう生かされるのか期待しておこう(一応断っておくが、私はスプラッター自体は苦手だ。しかしあのシーンの衝撃は梨花の凄惨な死体なしに成立しない。だから、それをきちんと見せたことを評価しているだけだ)。ちなみに、圭一が突き落とされるシーンから大災害のニュースまで一気に飛んでおり、詳しい内容はほとんどわからないまま終わる。おそらく、テレビニュースだけ見せることで「ええぇ!?」と引き付けておき、暇潰し編の大石と赤坂の会話できちんと説明させる仕組みなのだろう。

(暇潰し編)
梨花は、「運動ではなく意見して闘え」という赤坂に「ダムが沈んだらどうすればいいのですか」「私達はここでしか生きられないのです」と言っている。この後に「都会では生きられないのです」と続くからあまり気にしてなかったが、梨花の台詞だと考えたら症候群を想定せざるをえない。
ところで、大災害の生々しい説明を想定していたところかなり淡白だったのには驚いた。祟殺し編のニュースを考えたらここで一気に新事実を提示するつもりだと思っていたのに、ガス災害で村が死滅したことと梨花が死んだこと以外ほとんど触れられなかったからだ。まあニ話分しかないのを考えればこれが限界なのかもしれなが、話題が話題なのでもしかすると意図的にぼかしたのかともしれない(何しろこれが日本政府のせいになるわけだから)。まあ皆編を見れば、自ずと答えは出るだろう。


さてさて、ここから先はただでさえ波紋を呼んだ解答編。一体どうなることやら…

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