犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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『オクトパスの神秘』を観る

2022年07月22日 | よみものみもの
NETFLIXのドキュメンタリー映画である。
評判を耳にしていたので、ずっと見たかった。
原題は‘My Octopus Teacher.’
ちょ、直訳すると「僕のタコ先生」。

なんでも「神秘」なんて言葉に託すのはどうかと思うな。
この映画は、自然や動物という普遍的なテーマも扱っているけれど、
とても個人的なものも描いている。
それが「My」の一語に籠められている。
翻訳するなら、「蛸が僕に教えてくれたこと」とでもやるのはどうかな。



ある映像作家が、心傷付き果てて、
映画を撮ることもできなくなってしまい、
おそらく妻子とも離れて、海辺の家に暮らす。

家の目の前は海で、中は深い海藻の森である。
男は日々その海に潜る中で、一匹の若い雌のマダコに出会う。

毎日々々海に潜り、観察を続ける。
そのうち、タコはその人間への警戒心をちょいと解く。
そうして、文字通りの触れ合いが起きる。

タコにとって、あの足は大切な感覚器官であるらしい。
触れるということは、相手を深く知ろうとすることのようだ。

足を伸ばすということは、
あなたをもっとよく知りたい、
と言っているようにも感じられる。



タコは夜行性だという。
人間は、危険を賭して夜の海に潜り、
昼間に見るのとまったく異なるタコの姿を見る。

活発に餌を獲って食う様子が観察される。



タコがカニを獲って食うことが有るように、
タコもサメに追われる。

人間は、親しい仲になったタコを守るため、サメを追い払いたくなる。
しかし、それは、その小さな海域の生態系を狂わす行為だと気付き、
踏みとどまる。

仲良くなったタコがサメに襲われるのを、
人間は、ただ撮影するしかない。



タコの寿命は1年あまりだという。
卵を産んだら、何も食わずただただ孵化まで守り抜き、
命が果ててゆく。



それだけの映画なのだが。



またあのタコに会いたくなる。
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