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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

Stud!o Yunfat選出 2006年度バカデミー賞!!

2007-01-04 18:59:51 | 私の映画年間ベスト
あけましておめでとうございます。

さてさて、多くの雑誌やブログで2006年度のベストとかワーストとかが発表されており、当ブログでも勝手に選んだベストテンなどを記事にしましたが、少し趣向を変えて、独断と偏見で愛すべきバカ映画を褒め讃える「バカデミー賞」を開催したいと思います。

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バカ映画とは・・・
ワーストではありません。これから挙げる映画や映画人を私は心から愛しています。
また、よく「おバカ映画」などとして宣伝されるコメディ映画ともちがいます。
監督や俳優が間違った方向に頑張っために、あるいは情熱ばかり先走ってやりすぎちゃったがために、それが思わぬ効果(主に笑い)を生む作品のことです。
もちろん「バカ」か「おバカ」か「駄作」か「傑作」かは、全て私の主観によって選んでおり、明確な規定はありません。
なお去年のバカデミーの結果は→こちら
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2006年度バカデミー賞

バカデミー作品賞
最優秀賞 レディ・イン・ザ・ウォーター (M.ナイト・シャマラン 監督)
アホで貧乏でシャマランが一番のイケメンに見えてしまうほどのブサイクぞろいのアパートに現れた水の精・・・心の底からあり得ない設定だが、これが物語を語ることのみを目的とし、物語を語ることをテーマとした映画として意外と硬派の映画ファンにも支持されている不思議作。
世界が平和になりますように・・・との祈りは、全裸の女と、底抜けに人のいい住人と、意味不明な怪物たちによって世界に投げかけられる。果たして世界に祈りは通じるのか!!


ノミネート作品
DEATH NOTE (前編) (金子修介 監督)
DEATH NOTE The Last Name (金子修介 監督)
全部台詞で説明してしまう豪快脚本と、暴走ノリノリの主演男優の判ってるのか判ってないのか微妙な熱演と、まるでCGみたいな質感の死神と、やっちゃった要素満載ながら、開き直ってイヤッホーと楽しめるまさにバカ映画の名に恥じないある意味傑作が誕生した

ウルトラ・バイオレット (カート・ウィマー監督)
「リベリオン」で二丁拳銃+格闘技=ガンカタ、という意味不明な格闘ジャンルを作り上げたカート・ウィマー監督の新たな挑戦。
それは、もしガンカタの達人でニュータイプでしかもドラえもん世界に生まれていたら・・・


PROMISE 無極 (チェン・カイコー監督)
日韓中・・・アジアのバカが一同に介して挑むビッグ・プロジェクト。必要でもつまんなきゃ端折る・・・そんな信念に貫かれた猛烈スピード感の脚本は暴走気味のスターたち、とりわけ文字通り暴走しているチャン・ドンゴンらによってさらにテンションを増していく


惜しくも圏外!!
レジェンド・オブ・ゾロ (マーティン・キャンベル監督)
ゾロをリスペクトし真似してばかりの息子も、恥ずかしいコスプレだけは真似しない。なのに父は誇らしくコスプレ姿を息子に見せつけ・・・実は家族の断絶を描いているかもしれない深い物語

[真救世主伝説] 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章 (今村隆寛 監督)
下手な声優にどうでもいい追加書き下ろしエピソードに水準を遥かに下回る作画だが、サウザーとシュウの本筋部分だけで泣けて燃えてしまう熱ーいアニメ。
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バカデミー監督賞
最優秀賞 M.ナイト・シャマラン「レディ・イン・ザ・ウォーター」
こんな物語で世界中で公開できるやつは世界で彼一人。ビリオンダラー・バカーのシャマラン。無意識の悪のりが今後ますますエスカレートしていくことを願って・・・

ノミネート
チェン・カイコー 「PROMISE」
これほどの失敗作にこれほどの貫禄を与えてしまえるのはチェン・カイコーくらいだろう。

キム・ギドク 「うつせみ
我が目を疑う予測不能の衝撃展開!誰も考えつかない現代の忍者誕生物語とラブストーリーの融合。考えついてたまるか

カート・ウィマー 「ウルトラ・バイオレット」
ミラがドラえもんみたいな世界でガンカタで暴れるんですよ。テーマですか?「悪は許さない」です。どうです深いでしょ

マーティン・キャンベル 「レジェンド・オブ・ゾロ」
映画界の爆弾マスター・キャンベル。心理描写重視のリアルスパイなんか撮らなくていいからさ・・・コスプレバカヒーローの大暴れ頼むよ。


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バカデミー脚本賞
この部門では、物語概要を超簡潔にまとめ、ストーリーからバカエッセンスの抽出を図り、もっとも面白いものに賞を与えたい

最優秀賞 「レディ・イン・ザ・ウォーター」(M.ナイト・シャマラン)
プールから現れた全裸女を獣から守り空に逃がせば世界が平和になる

ノミネート作品
フライト・プラン
飛行機の構造に詳しくキレたら機内を大パニックにする女を誇大妄想狂イカレ女に見せかけろ

PROMISE
絶世の美女奪回のため、死にかけた常勝将軍は駆け足自慢の奴隷を送り込む

ウルトラ・バイオレット
悪の政府は許せないが心情の超強い女が、悪を皆殺しにする。しかも圧勝。


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バカデミー主演女優賞
最優秀賞 ブライス・ダラス・ハワード 「レディ・イン・ザ・ウォーター」
文句なしの主演女優賞。突如プールから現れた水の精という前代未聞の役どころに果敢に挑戦。登場シーンの半分は全裸、もう半分はノーパンノーブラシャツ一枚。そんなイッちゃってる日常描写は、大鷲に連れ去られても誰も助けようとしないラストへの説得力に繋がる。

ノミネート
ミラ・ジョボビッチ 「ウルトラ・バイオレット」
この部門常連のミラ姉さん。余裕のへそ出し軽装で悪に圧勝。

セシリア・チャン 「PROMISE」
絶世の美女役。ちよっと過大評価しすぎでは・・・

ジョディ・フォスター 「フライト・プラン」
あら二代目クラリスのあの女優、ジュリアンなんとかって女、子供が消えて周囲が誰も信じないトンデモサスペンスに出たらしいじゃない?私は全てにおいてあの女より上に立ってなきゃいけないの。エージェントに電話して、それ系の映画のオファー取り付けさせなきゃ・・・

キャサリン・ゼタ・ジョーンズ 「レジェンド・オブ・ゾロ」
オスカー女優となって余裕の出たキャサリン。ゾロのコスプレ批判しつつ亭主に内緒で悪と戦うモーレツ女を熱演


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バカデミー主演男優賞
最優秀賞 藤原竜也 「DEATH NOTE the Last Name」
受賞コメント「勝った・・・」
バトルロワイヤルの続編以来、ワナワナと擬音がバックに書いてありそうな熱演が得意技の彼。デスノート2部作でその真骨頂を見せた。特に後編は名台詞多し!!


ノミネート
アントニオ・バンデラス 「レジェンド・オブ・ゾロ」
目の周り隠しただけの変装で、息子と正体を隠して会話。あの派手な衣装で潜入工作。あの派手な衣装で投票に行く。誇らしげにコスプレ姿を妻子に見せつけまくるラスト・・・変態だ

チャン・ドンゴン 「PROMISE」
韓国のアラレちゃん。脚力なら誰にも負けない。笑うところじゃないよ。泣いて。熱演してんだから。

真田広之 「PROMISE」
韓国、中国に負けてられるかと、我がジャパンからもアジア・バカプロジェクトに堂々参戦。ド派手衣装で三国無双ばりの戦闘したかと思えば、中盤以降は死にかけヘロヘロっぷりがたまらない

ポール・ジアマッティ 「レディ・イン・ザ・ウォーター」
シャマラン引き立てのためのブオトコ起用でも怒らないのは過去二回のオスカー候補の余裕か。子供化しておばさんにオネダリする演技を堂々演じてシャマランの信頼と世間の失笑を買う!!

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バカデミー助演女優賞
最優秀賞 香椎由宇 「DEATH NOTE (前編)」
ぶっちゃけあまりいいバカ女優が思いつかなかったので、大好きな香椎由宇ちゃんエコヒイキで2年連続でこの賞をプレゼント。欲しくないか・・・?(なお去年は「ローレライ」で同賞受賞です)

ノミネート
戸田恵梨香 「DEATH NOTE the Last Name」
とりあえず縛られてくれたから1ポイント

瀬戸朝香 「DEATH NOTE (前編)」
がんばって前編の終盤盛り上げてくれました。FBIと付き合ってるって設定がいいね

フィオナ・ショー 「ブラック・ダリア」
怖ええ

相田翔子 「虹の女神 Rainbow Song」
不思議ちゃんをある意味怪演。胸に光るハートマークがコワキモ。

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バカデミー助演男優賞
最優秀賞 M.ナイト・シャマラン 「レディ・イン・ザ・ウォーター」
確信犯で登場人物中一番のイケメンに座ったシャマラン。全裸美女に「あなたの本が将来大統領の愛読書になる」と予言させ自分で自分の未来を超ポジティブに占う役どころ。怖いものなしシャマランは次回作でついに主演してしまうのか?

ノミネート
ニコラス・ツェー 「PROMISE」
冗談かマジメか判断に悩む、グッジョブ棒。

フィリップ・シーモア・ホフマン 「M:i:3」
さすが大物デブ。自分に変装したトムを演じるところも貫禄。

ボブ・バラバン 「レディ・イン・ザ・ウォーター」
独り言で状況を説明しながら死んでくれるシーンはシャマラン面目躍如の名シーンでした。映画評論家になってシャマラン映画にケチ付けると喰われるぞと、シャマランのスポークスマンの役を充分に果たしてくれました

鹿賀丈史 「DEATH NOTE (前編)」
大物俳優の自信たっぷり貫禄充分の説明台詞は聞いてて気持ちがいいです

ショーン・ビーン 「フライト・プラン」
てっきり悪役だと思ってたら・・・普通の役かよ!!

まるでCGみたいな死神にまるで中村獅童みたいな声をあてた人 「DEATH NOTE (前編)」


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バカデミークリーチャー賞
最優秀賞 芝生獣「レディ・イン・ザ・ウォーター」


ノミネート
大鷲「レディ・イン・ザ・ウォーター」

右だけマッチョな男「レディ・イン・ザ・ウォーター」

まるでCGみたいな牛  「PROMISE」

まるでCGみたいな死神  「DEATH NOTE (前編)」

性懲りも無く登場した2人目のまるでCGみたいな死神  「DEATH NOTE the Last Name」

まるでインド人みたいなライター「レディ・イン・ザ・ウォーター」


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バカデミーアイテム賞
四次元ポケット内蔵アタッシェ・ケース「ウルトラ・バイオレット」
なんであのサイズの鞄に子供が収納できるのかいまだに判りません。

ノミネート
ファイヤーブレード  「ウルトラ・バイオレット」
グッジョブ棒 「PROMISE」

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バカデミー必殺技賞
丸腰の美女を取り囲む武装マフィア皆殺しの全弾よけ「ウルトラ・バイオレット」
ミラ姉さんの究極技。こんな女に勝つのは不可能と、この時点で敵はミラに全面降伏すべきだった

ノミネート
ドンゴンの超速ダッシュ  「PROMISE」

究極居候術・気配なき同棲  「うつせみ」

隠れ剣 屋根から斬り「武士の一分」

同じ能力を持つ敵に対する武器“10倍の怒り”「ウルトラ・バイオレット」

アホで貧しいブオトコとブスたちの世界救済計画「レディ・イン・ザ・ウォーター」

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以上、長々とお伝えしてきたバカデミー賞2006。いかがでしたでしょうか。
今年は「レディ・イン・ザ・ウォーター」が6部門制覇、しかもシャマランが一人で三冠という圧倒的力を見せつけた結果となりました。2007年も愛すべきバカ映画に出会えることを心から願っております。それではこの辺で。また来年!!

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2 コメント

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「スケ番」は? (aq99)
2007-01-09 19:34:58
この賞の常連、深作Jr作品は、見てなかったけ・・・。
今村Jrの「暗いところで待ち合わせ」は、偏愛する要素満点のバカデミーっぽい作品でしたが、なぜか好きになれませんでした。「まんてん」の宮地真緒が出てたからかな~・・・。
私のバカデミーは「東京ゾンビ」かな~。
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コメントどうもです (しん)
2007-01-12 01:57:34
>aq99さま
スケ番は未見でした。
というか、aq99さんに指摘されるまで、あの巨匠深作健太の作品であることすら知らなかったのです。
くっそおおお
観ればよかったぁぁ!!
返信する

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