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院長からのメッセージ

2011年3月7日 朝礼 院長談話より

2011年03月07日 | メッセージ
2011年3月7日 院長談話より

今年度の佐野市民病院事業計画―佐野市民へのご報告その2―

 前回2月7日の談話では佐野市民病院のこの4年間の歩みを、かいつまんでお話しました。
 端的にいえば、この4年間で病院の再生計画は前倒しで進行したということでした。
 年度末の今月は、新年度の主な事業計画と、これからの展望についてお話しておきたいと思います。

1.健康管理センタ―の「新健康管理システム」稼働

 4月から、健康管理センタ―のIT化が進み、新しく導入する健康管理システムが稼働します。
 昨年4月以降、新センタ―長 安藤 武士 医師以下センタ―スタッフの努力により、検診・ドックの多様化と質の向上が図られ、非常にレベルが向上しました。
 今回の新システムの稼働によって、臨床部門との情報連携が画期的に正確になり速くなります。
 利用者の便宜と医師・スタッフの無駄な労力軽減が達成されます。3月12日に稼働リハーサルを挙行し、万全を期します。

2.佐野市国保診療所と市民病院間の「診療データ連携システム」稼働

 佐野市民病院が、へき地医療拠点病院として支援に当たっている佐野市4か所のへき地診療所及び常盤診療所と病院の間の診療情報連携システムが稼働します。
 これにより、各診療所の機能が改善され、患者さんの安全と安心が向上します。
 
 将来は、地域内すべての病院と病院、診療所と診療所、診療所と病院との間の情報ネットワークにまで拡大し、地域の医療機関が密接に結ばれて、全体として一つの医療機関として機能するところまで持っていきたい、という夢を育んでいます。
 さらに、現代の日本社会には「国民の超高齢化にともなう医療難民の大量発生」が起こり始めていますので、地域内だけで完結する医療体制は実現が大変困難である上、今後ますます悪化することが予想されます。
 これに対処する手段のうち、「医療情報ネットワークの広域化」は、今から急いで実行しなければならない課題です。
 この分野で、佐野市民病院が一歩を踏み出しているという事実は、「失敗の出来ない社会実験」を標榜している我々にとって、大変心強いことです。


3.オ-ダリングシステムから「完全電子カルテ」への移行・稼働

 平成21年10月のオーダリングシステムの導入から丸2年後の本年10月、かねてから着々と準備を整えてきた「完全電子カルテ化」したシステムを稼働させる計画です。
 これで院内のIT化は計画どおり完成いたします。
 オーダリングシステムと格闘した2年間は「電子カルテ」移行のための準備期間として、戦略的に設定したものでした。
 いまや職員全員がシステムの導入を待ち望んでいます。
 電子カルテ化による混乱のリスクはほとんどないでしょう。

4.看護スタッフの増員と一般病棟50床(A4病棟)の全開棟
 本年2月にA4病棟の一部を開棟し、22床を運用していますが、看護職員の増員を推進して、許可病床の50床を運用する。
 これが実現すれば、一般病床はA3・B3病棟60床と合わせて110床となり、医療型療養病床89床と合計199床が運用可能となります。
 年度内達成を目指します。

5.常勤医師の招聘

 現在の10名の常勤医に加えて、新たに2名の常勤医の招聘が決まりました。
 4月に赴任されます。
 麻酔科部長 1名
 循環器内科部長 1名
で常勤医12名体制となり、より充実した診療活動ができるようになります。
 さらに病院総合医としての常勤医、及び専門に特化した常勤医・非常勤医の増強に努めます。

6.今後の展望

 市民の要望と切実な需要がありながら、それに応える事ができていない領域については、徹底した現場主義を貫徹して、実現可能な計画をたて、実行していきたいと考えております。
 そのために必要な条件は
①市民・行政・法人による三位一体の運営を堅持すること。
②とかくブレ勝ちに見える国策と、その根底にある深刻な問題をしっかり見据えつつ、常に具体的な施策を打ち出し、実行すること。
であると考えます。
  
  以上