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万葉の里 ひみ椿物語

2017-09-08 14:50:05 | 氷見に椿古木を訪ねる

 

 薮田から車を10分程はしらせた辺りで泊共同墓地のヤブツバキを探しました。

 国道脇に佇む一軒の民家を訪ね、氷見ツバキ愛好会の丸山志郎さんの資料を基に椿の古木を訪ね歩いていることを説明し、泊共同墓地の場所をお尋ねすると、すぐに所在地を教えて頂くことができました。


 丸山さんの調査を基に、氷見市が「万葉の里 ひみ椿物語」というパンフレットを作成したこともあり、氷見の街で、丸山志郎さんのお名前を出せば、誰もが「ああ、あの丸山さんが調べた椿ね」と親切に答えてくれました。

 


 泊共同墓地は国道を見下ろす丘陵の突端で、富山湾に昇る陽の光を浴びていました。

 



 それらしきツバキが、墓地の片隅で紅色の花を咲かせています。


 丸山さんの資料には、「泊共同墓地 根元128㎝ 地上65㎝で2幹の古木」と記載され、目の前のツバキも腰の高さ辺りで二股に分かれていますので、この木に間違いはありません。

 

 

 
 泊共同墓地のツバキを難なく探し出せたことで、私は今回の旅が予定通り恙なく終わるであろうことの確信を得ることができました。


 ツバキの横で、ヒサカキが白い小粒の花を枝一面に咲かせていました。


 旅の目途が付いたことで、ツバキ以外の花木にも目を向ける余裕が出てきました。

 

 


 
 氷見市小境の朝日社叢は、国道脇に建つ鳥居の存在で、すぐにそれと分かりました。

 



 掲示板には、


 「朝日社叢 昭和四十年一月一日指定


 この社叢は、タブノキ、スダジイ、ヤブツバキ等の暖地性の常緑高木やアオキ等の常緑低木を中心に構成されている。


 スダジイ等の常緑広葉樹は、日本海側の北限分布域にあたり、イヌシデ等冷温帯で見られる落葉広葉樹も混交している。云々 富山県教育委員会」と記載されていました。

 


 金刀毘羅六権現の石碑の周囲に降り注ぐ、落ち椿が贅沢な光景を見せてくれていました。

 



 氷見市小境の髪塚は、昨年閉校になった氷見市立灘浦中学校の裏手に立つ標識で位置を確認することができました。




 高さ約180cmの自然石の石塔正面に、月輪と梵字「バク」、その下に「貞和三年□十五日」(1347年)と刻まれています。


 後醍醐天皇の第8王子である宗良親王が、この地の大栄寺で剃髪し、その髪を埋めたとされる髪塚だそうです。


 髪塚の周囲に、椿の古木が繫みをなしていましたが、海岸から少し奥まった場所の為か、この場所での開花はもう少し先のようです。

 

 


 
 氷見市大境の慈光寺に淡桃色の一重椀咲 中輪の椿があるはずなので、人気のない寺の裏手に回り、それらしき椿を確認しましたが、枝が剪定されていた為に椿花を確認することはできませんでした。

 

 前庭で梅の木が、幹を捩り、枝を伸ばし、青い空と白い雲を背に、桃色の花を咲かせていました。


 のどかな季節の、のどかな花の風情に心が和みます。

 

 

 

 紅の花を訪ねる旅は、春の日のぽかぽか陽気に恵まれ、微笑みの時を刻みながら、麗らかな道行を続けました。

 

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