2014年2月28日午前11時35分 成田空港を離陸したJAL749便はゆっくりと高度を上げながら、機首を南へ向けました。
東京の北部をかすめ、奥多摩辺りから甲府盆地に入り、南アルプスを越えて行きます。
飛行機が向かう先はインドの首都デリー。
そして、私の旅の目的地はネパールです。
南西方向へ、太陽を追うように飛び続ける飛行機の到着予定時間は現地時刻の18時20分。
東シナ海を越え、上海辺りから真直ぐデリーに向かう経路をとれば、最短距離となるはずです。
その経路であれば、南アルプスを眼下としたように、ヒマラヤ山脈の雄姿を拝めるかもしれません。
その光景を期待した私は、飛行機の窓側に席を確保し、離陸後もずっと機外を眺め続けていました。
しかし、JAL749便は上海辺りから中国上空に入りましたが、そのまま南下を続け、まるでヒマラヤを迂回するかのように、雲南省の昆明から、ミャンマー国境附近へと航路を進めます。
あぁ、そうでしたよね。
旅客機は高度1万メートル前後を航行しています。
エベレストは標高が9千メートル程もあり、安全な飛行経路を考えればヒマラヤを迂回するのは当然かもしれません。
ちょっと考えが甘かったようです。
それでも、もしかしてヒマラヤの山影が見えはしないかと目を凝らしましたが、ヒマラヤの方角に乳白色の雲が広がるばかりでした。
こんな風に、離陸直後からヒマラヤが気になって、窓の外ばかり眺めていましたが、山が見えないことが確実となった辺りから、いつの間にか、隣席に座る女性との会話が始まっていました。
私は三年程前に民間会社を定年退職し、花や木を眺めながら暮らしていること。
今回はヒマラヤで花の写真などを撮影しながら、歩き廻る予定であることなどをお話しました。
私の席の周囲の10人程の女性の方々は、皆さんヨガのインストラクターをなさっているのだそうです。
明日から一週間、デリーから北へ100km程の場所で、ヨガの世界大会に参加されるとのことでした。
そんなこんなの会話を弾ませている内に、順調に飛行を続けたJAL749便は、ほぼ定刻通りの時刻にデリーに到着しました。
※ 他の記事へは index をご利用頂くと便利です。
ヒマラヤトレッキング 花の旅 index 1
ヒマラヤトレッキング 花の旅 index 2
全ての「花の旅」はこちら → 「花の旅」 総合目次