市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

猛暑、サンダルを求めて

2015-08-06 | 日常
 現在、九州全域はもちろん日本列島でいちばん炎暑を免れているのは、宮崎市である。太平洋で
ひやされた大気が、東風となってこの低い家並みとビルと野原の市街地を20キロ先の九州山脈まで
吹き抜けていくからである。しかし、太陽光線は圧力を感じるように照射しつづてて、コンクリー
ト道路は摂氏50度を超えている。

 歩行するのに靴と靴下では歩けるものではないので、サンダルを求めて、店を先週日曜以来、ひま
をみて回った。自転車で5分のイオンショッピング・モール、川向こうの新しくできた大型店のニトリ
や、スポーツ店などである。またダイエーの流れを汲む百貨店の靴売り場、イオンの旭スポーツ、良
品計画、大型靴店、ユニクロ、ブティック、セレクトショップつまり雑貨店、スーパーなどなど。だ
が気に入ったものは、見つからなかった。2年ほど前までは、安売り店でも、スポーツ専門店でも、か
んたんにみつがったのだが、ないのだ。これらの店、店でぼくが手にして、履いてためしたのは、ほ
とんど格好だけで、機能が、満足できないものばかりであった。

 あるスポーツ店で、店員にどういう基準で、サンダルを選んで品揃えしたのかと聞くと、おしゃれ
感覚ですと一言で答えられた。なるほど、てかてかと光ったもの、あちこちに余計なバンドがくっつ
けられて、かんたんにつっかけられないもの、綺麗は色彩で、板のように平板なもの、またゴム草履
風なもの、曲がりくねったもの、ボート状で、ふちがつき、下が平底、サンダルの案内に海辺の楽しも
うなどとある。そうか、サンダルを海用としか考えてないのかと、はではでで、安っぽい草履風のサン
ダルも納得はできた。そして、全体の印象は、派手に見えて、安くて、手軽で、使い捨ての製作意図が
ありありとかんじられるのであった。こんな劣位のひと夏の日用品などに手間はかけられぬという販売
意識に不快感をおぼえてくるのであった。

 たしかに、この宮崎市では、家から自転車なら30分で海辺にいけるし、自動車で30分も走れば有名な
青島海水浴場、ここからはじまる日南海岸のさまざまの海水浴場にいける。しかし、小学生のこどもで
もいなければ、ひと夏に、海浜に行くことはないのが普通である。まして、自動車で3時間もかかるよう
な、東京などの都市住民が、海浜に行くことは、何べんあるのだろう。サンダルなどで楽しむひまなど
ないだろうと思う。サンダルは、海浜だとか、避暑地用ではなくて、炎暑の市街地を、靴よりも快適に
歩けるという機能の履物なのである。炎暑の街路を、快適に歩けるサンダル、これが、ぼくの求めるサ
ンダルなのだが、サンダルなどは、以前は手軽に簡単にすぐ見つかったものだが、デザインや装飾や、
低価格の保持のために材質が悪くなり、手抜きがあり、派手な形だけで用を足すに至らないというサン
ダルが山積みされていた。 
 
 ただ、なんとか、一点だけ、ぐうぜんに靴専門店「てづか」で見つけた。しゃれている。むだがない、
ウレタン底で、かかとがある。全体は紺色で瀟洒である。その商標が底にはりつけてあるが、あの映画
のトラック野郎の電飾看板のようである。そのアンバランスな商標に同社の時代ばなれした職人気質が
あるのかもしれない。MADE IN JAPAN と刻印されている。これもほっとした。しかし、はきごこちは、
おととし購入したサンダルよりも劣る。ここで、ふと連想した。サンダルも、冬、年末のNHK紅白歌
合戦のように外面だけがはってんし、中味はからっぽになった、あの勘違いの流れになったのか。

 サンダルよ、お前もかである。もうすこし、サンダル探しを、この夏探しつづけてみよう。見つかれば
いいけど。
 
コメント
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