な一票

雨続きの今日も大雨。
台風が来る前。
朝８時過ぎに投票所。
長靴を履いて。

投票場は小さな集会場。
長靴を脱いで入る。
投票用紙を前にちょっと悩む。
随分悩む。
この期におよんで。
来なきゃ良かったかな。
４０ん年間棄権したことはなかったけど。

夫とふたりだけの投票人。
受付の人と監視の人が合わせて１０名近く。
夫はさっさと書いて出て行く。
みんなで私を見てる。
暇だから。
いや、彼らのお仕事だから。

静まりかえった１０畳ほどの部屋。
お仕事の観客に囲まれてる。
記入する鉛筆の動き。
投票用紙を通してアルミニウムの台に芯が擦れる音。
知られそう。
最高裁のペケ。
してもしなくても知られる。

とにかく国民の義務を果たすべく。
いや、今回は、
棄権の罪悪感を持ちたくないだけ。

出口でおじさんがポケット・ティシュをひとつくれた。