!キユミ感覚的事情

中国の古武術や螳螂拳を学ぶ仲間に向けて、武術的な情報は勿論ですが、それに以外の発見や情報を発信して行きたいと思います。

中国から帰りました⑧

2007-12-31 18:29:29 | 武術
高老師からは「精要螳螂拳」という型を学びました。全部で30動作程度の短い型です。高老師の先生で青島在住の先生が作った型だそうです。今回習ったものの他に総合螳螂拳もあるそうで、更に動作が長くなるとの事でした。
たどれば姜化龍老師に行き着くとの事でしたが、現代拳法的なその動きはどうも違うと思います。老螳螂拳としての味わいは少しもありません。これを続けて練習しても、螳螂門の理解の助けにはならないと思いますが、現代長拳を学んでいる方や武術運動として身体能力を高める補助として捉えるなら、この種の動きは分りやすいかもしれません。
一方で、王老師は我々の学習の合間を見て色々と質問してこられます。
「摘要のこの動作をやってみろ」だとか、「これはどのように習ったのか」とか。
結論として、海陽こそ螳螂拳の発祥地であり、それ以外はどんなに有名な先生の拳だろうと価値を認めないという姿勢です。説明には必ず意味を伴います。型だけで実用できない拳法は価値がないと言うことでした。
初めは王先生の動きには癖があって、動作を真似ることにも抵抗があったのですが、その力強さ、用法、そして時折みせる満面の笑顔から、もっと教えて頂きたいなと思うようになりました。スルメみたいに噛めば噛むほど味が出る感じです。
腕をぶつけて鍛えあう練習では、「こんなに近い間距離でやるのか?」と思う位です。単に腕をぶつけ合うのではなく、正に寸勁を併せ練るもので、腕を跳ね飛ばされました。
螳螂拳では「為行手」と言って、拳を開始する時に腰に引き付けた両手を返して下を押さえて、気を下腹部に落とします。
王老師に伺うと「現代の為行手は大げさすぎるし、羅漢功のようだ。実際にはこれで良い。」と言って見せて頂いたものは、王元亮先生から習ったものに近いものでした。
また終功の必要性も説かれ、教えて頂きました。
おっしゃられるように、激しい練習であればあるほど興奮して頭に血が上ります。相対練習や打撃を含む練習なら尚更でしょう。上った気血を静め、リラックスするための養生功で、言い換えれば現代のクールダウンです。確かに準備体操には時間をかけても、終功には気をまわしていませんでした。男女共できるようですから、これから実践して行きたいと思います。

中国から帰りました⑦

2007-12-30 17:29:44 | 武術
中国滞在中のホテルは、基本的にツインです。
滞在中はダーイエさんと一緒でした。この海怡大酒店は応接セットの他に執務ができるカウンターも付いていて、窓も南の黄海に向けて付いています。
昨年煙台で泊った「東山ホテル」オーシャンビューの再現かと思う程です。最も東山ホテルは政府要人が宿泊する高級感と閑静さを備えていましたが。
閉口したのはガラス張りのバスルームです。
スクリーンを降ろして目隠しはできるのですが、夜は間接照明になる部屋と電気をつけたバスルームの視界が逆転します。それに気づかなかった初日のシャワータイムでは、ダーイエさんにお尻を見られてしまいました。
入浴の時は気をつけた方が良いですね。

中国から帰りました⑥

2007-12-30 17:12:05 | 武術
海陽で宿泊したホテルは「海怡大酒店」です。
日本語だと「海を楽しむホテル」、英語なら「enjoy sea hotel」です。市内から車で20分ほど海の方へ行った所です。
昨年行った楡山村があまりにも現代から隔離された印象だったので、事前に三等級ホテルと聞いた時は、昔、青島で泊っていた「壁紙が剥れ、お湯が出ず、トイレが詰まる」和平賓館クラスのホテルだと思い込んでいました。
ところが黄海に程近いリゾートホテルです。
聞けば2007年の8月にオープンしたとの事で、従業員は皆若く、サービスも上々です。食事も悪くないものでした。螳螂拳の練習も1Fの空いている部屋を借りてやりました。
非常に快適な空間を提供して頂きましたが、ホテルの運営母体企業の副社長は高老師から太極拳を学んでいて、付近の別荘やリゾートマンションの開発を手がけています。おりしも年末、「海陽テレビ」から日本人が螳螂拳を学びに来ているということで取材を受けましたが、インタビューの半分がホテルの宣伝のようでした(番組は宴会が終わった直後の放映だったようで見逃してしまいました)。
難点があるとすれば、市内から遠いことと買い物に不便な事です。隔離されるにはちょうど良いかもしれません。


中国から帰りました⑤

2007-12-30 12:36:07 | 武術
高老師、王老師との記念写真です。
お二方とも目の力が強いのが印象的でした。
特に王老師は会話もストレートです。
「隠して伝えるようなものは何にもないに決まってるだろっ。」
「それぞれの型を理解してどのように応用すべきかが分れば、技に得意不得意があるわけないだろっ」
「お前はこの技についてどのように理解しているのか。」
「先生が教えないのは先生の責任だが、教えられたものを行わないのは学生の責任だ。そうだろっ。」等等。



中国から帰りました④

2007-12-29 12:18:16 | 武術
いよいよ先生方との対面です。
海陽は歴代の螳螂拳師を生んだところです。清朝中期までの螳螂拳は「海陽拳法」と言っても過言ではありません。
お会いできたのは高炳南老師、王慕洲老師、劉培義老師の御三方です。共に近代螳螂拳の祖、姜化龍老師の系統です。
高老師は海陽螳螂拳法研究会の会長を勤めていて、陳氏太極拳も得意とし、話方も物腰も落ち着いた教養の高い紳士を思わせます。白い演武服で迎えてくれました。
一方、王老師は海陽螳螂拳法研究会の副会長ですが、バリバリの螳螂拳師です。7才より学び始めたとおっしゃっていました。
「螳螂拳の本質は実用だ。形をいかに理解するかが重要だ。」として、摘要拳を得意とされているようです。黒い演武服で迎えてくれましたが、あれはきっと戦闘服だと皆で言っていました。笑顔が魅力的な老師です。
劉老師は農村部のお住まいだそうで、遠方からわざわざ来ていただきました。あまりおしゃべりが得意ではないようで拝見に終わってしまいましが、日本では知られていない、梁学香老師が伝えた拳法を伝承されているとの事でした。普通の洋服で迎えていただきました。
高老師方は、2005年以降に国内で行われている螳螂拳の交流大会には積極的に出場していますが、それ以前はほとんど海陽から外には出ていないようです。アメリカや韓国からは螳螂拳を学びに来ているとの事ですが、文化の質に差のある欧米人には伝える事が難しいともおっしゃっていました。
海陽の農村地区では、恐らく過疎状態なのだと思いますが、螳螂拳法を学ぶ若者が非常に少なくなっている事に加えて、老拳師の高齢化も進み、農村の老師方も非常に保守的な方が多く、伝承の喪失が危惧されているため、現在省をあげて海陽螳螂拳の保護が検討されているとの事です。

中国から帰りました③

2007-12-29 11:21:54 | 武術
螳螂拳の発祥地「海陽」に向けて出発当日です。
交通は路線バスを使いました。高速道路を利用しますから青島の渋滞を抜ければ、所要時間は約2時間程度です。
費用は片道35元(1元は16円)ですから、車をチャーターするよりは格安です。予約制ではないので切符は当日入手します。
青島-海陽へは2時間程度置きに便があるようなので、めちゃくちゃな混雑はありません。全部で50人乗り位の中型バスですが、帰りの海陽からは、休みということもあって簡易椅子を使用するほどの混雑ぶりです。
基本的には道端(多分特定の場所だと思いますが、バス停らしき目印はありません)で乗客を拾い、降ろす以外はnon-stopです。ですから帰りのトイレには苦労しました。
乗車前にトイレには行ったのですが、こればっかりは生理現象ですから仕方ありません。車掌からは「我慢しろ。ちょっと待ってろ。」の一点張りです。舗装が悪いため車がよく揺れる事や、狭い社内での姿勢が膀胱を更に圧迫します。前にかがめない状態を継続しました。あと到着が10分遅かったらと思うと冷や汗ものです。
到着後はトイレへ駆け込み、自由の悦びを改めてかみしめました。次回は携帯トイレを持参しようと思います。

中国から帰りました②

2007-12-28 23:54:35 | 武術
入国は青島からです。空港も08年夏のオリンピックを予想してか、12月30日より国際線と国内線の出発を分けました。本当に近代的です。
ここへは随分前から来ています。大都市という意味もあるし、解放前から外国の影響を受けているためか、居心地がとても好い所だと思います。
市内も郊外もビルやマンションの建設ラッシュです。
10年前は田舎だと思っていた郊外の四方区は今やベッドタウンで、すっかり青島の町に溶け込んでいました。
明朝7時30分発予定のバスで海陽に向かいます。宿泊は新市街の中心にある青島飯店でした。ランクは落ちますが、不都合はない程度のホテルです。
只、窓が小さく部屋が狭いのはちょっと不満です。

中国から帰りました①

2007-12-28 23:53:21 | 武術
帰国後の書き込み報告ですが、螳螂拳の発祥地「海陽」を訪れて来ました。
海陽は黄海に面していて、青島から約130キロほど離れていて、ちょうど青島と煙台の中間に位置する人口約66万人ほどの主要市政区です。
2006年の春、螳螂門第3代梁学香老師のお墓を訪ねて一度ここへ来ました。でも梁老師が生前住んでいた農村部の楡山村への訪問が主で、現在伝わっている海陽の螳螂拳は見ていないままでした。
そんなわけで年末の休みを利用して、老螳螂拳を尋ねて今回海陽へやってきました。



宜しければ見てみて下さい

2007-12-24 21:02:53 | Weblog
年末です。お酒を飲む機会もひと段落しました。
趣味の集まりで飲むお酒はダラダラできて肩が凝らず大変嬉しいです。特に今年は、幹事さんのおかげで念願のあんこう鍋も美味しく食べられました。
後は年末から年始にかけての久しぶりの冬の山東への準備をするだけです。
ところで忘年会の席で申し上げたのですが、アニメ「キャッツ・アイ」のテーマ曲にあわせた全く関係ない画像ですが、将校軍服が大好きな私にとっては後半に踊る軍服の将校さんたちが心地良いのでちょっと紹介します。前半に登場する萌え系アニメキャラには特に興味は覚えませんでしたが、こちらが好きな方がいるかもしれません。
特にコザックダンスのような踊りは感心してしまいます。筋が柔らかいのは当然として、素晴らしいバランス感覚には感心してしまいます。
旋子も最後に出てきます。練習の参考にできるかなと思います。
http://jp.youtube.com/watch?v=pxCQqCdtkSk

風邪ひいた様です

2007-12-10 21:56:32 | Weblog
どうも風邪をひいたようで咳がひどくていけません
秋は体調が崩れる季節で、倒れるのはこの時期です。確か去年も声が出なくなったような気がします。
高熱は出ていないのでインフルエンザではないようです。インフルエンザの接種は先日受けましたが、抗体はまだできていないと思います。
それにしても声が枯れて、喉が痛いのは堪えます。
頭がボーっとしていて、今日仕事中に接触事故を起こしてしまいました。
駐車場内で徐行していたので大きな事故にならずに済みましたが、車の存在に全く気が付きませんでした。気が付いたら目の前に車が、という状態です。
体調を崩しているときは車の運転は控えた方が良いという警告かもしれません。
とにかく中国に遊びに行くまでには治さねばなりません。螳螂拳の発祥地の拳法を見る機会ですから万全を整えたいですね。