連載エッセイ しとせいかつ 第3回 誰かのために詩を書ける?―石巻にて   亜久津歩

2015年03月10日 | エッセイ
わたしは「意味づける」ために、詩のようなものを書き始めた。何のために生きるのか、何なら信じられるのか、知りようもなかった頃のことだ。誰にも言えない、わけのわからないものに自分なりの名や価値や定義をつけ、否定を否定し肯定と断定し続けることでひとつずつ小石をつくり、岸になるよう積んだ。すぐさま崩れては、また。あるいは、抱えきれない感情や感覚を客体化するために書いた。排出というよりも、まるで作品であるよ . . . 本文を読む

連載エッセイ しとせいかつ 第2回 夢ですか?助産師です。本の。   亜久津歩

2015年03月09日 | エッセイ
わたしは4年ほど情報誌をつくる仕事をした後、6年と少しブックデザイナーとして会社勤めをしてきた。そこで「本の出産」にくり返し立ち会いながら、ことばの衣装、いや肉体である装幀の奥深さ、おもしろさに惚れこんできた。そんなこんなもちょっぴり踏まえつつ、今回は制作面の話をしたい。 と、言うのも。 前回、創刊時の話をした「CMYK」について、「どうやって作ってるの?」とよく尋ねられるのだ。詩は読者と実作 . . . 本文を読む

連載エッセイ しとせいかつ 第1回 Poe-Zine「CMYK」創刊譚   亜久津歩

2015年03月09日 | エッセイ
こんばんは。今回よりこちらでエッセイを連載させていただけることとなりました、亜久津歩(あくつ あゆむ)と申します。よろしくお願いいたします。私は読書量も詩歌の知識も多くないもので、難しいことは書けません。迷いましたが、背伸びせずに自分の手足でふれてきたことを書いていくことにしました。お付き合いいただけましたら幸いです。  第1回 Poe-Zine「CMYK」創刊譚   . . . 本文を読む