NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

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スキルアップセミナー「タイル張り外壁における施工技術&施工不良 」

2016-07-14 13:32:40 | 集改塾

集改センターの第140回 スキルアップセミナー報告

開催日:2016年(平成28年)7月6日(水)
テーマ:タイル張り外壁における施工技術&施工不良 ~ 劣化事例と補修工法の選定 ~
講 師:コニシ株式会社(NPO集改センター賛助会員)

◎平成20年4月に建築基準法第12条に基づく定期報告制度の改正で、タイル外壁等は「2~3年毎の目視及び部分打診調査」と「10年毎の外壁全面打診調査」が義務化された。また、2011年には最高裁により設計・監督者・施工者は損害賠償として1.外壁に「浮き」があった場合の剥落防止措置としての補修費用、2.剥落が生じた場合の補修費用、けが人の治療費、慰謝料、弁償費用を負う、という判決がくだされた。外壁の剥落を防止する補修工法について、最適な補修方法を解説する。

 <セミナー概要>
 ■タイル張り外壁の劣化事例

耐久性、高級感・清潔感やコンクリート躯体の保護等の利点により、外装材としてタイルは多用されているが、ひび割れ、欠損、浮きといった劣化現象に適切に対処する必要がある。「ひび割れ」の要因としては、過荷重、不同沈下、コンクリートの乾燥収縮が、鉄筋の錆膨張等が考えられる。「欠損」はタイル仕上げ層と躯体の付着力低下、内部鋼材の腐食膨張による仕上げ層の押し上げ等要因となり剥落を起こす。「浮き」はタイル、張付モルタル、コンクリート躯体の界面相互の接着が不良となり隙間が生じた状態を指し、建物の挙動や界面への雨水の侵入等による付着力の低下が原因として発生する。その他の劣化現象としては、白華、はらみ、錆水付着、汚れなどがある。

 ■タイル張り仕上げ外壁の改修工法
 外壁の調査・診断によってその劣化現象に適した改修方法を選択する必要がある。

「ひび割れ」「欠損」の改修方法としては、構造体コンクリートに達しているかどうか、で変わってくるが、樹脂注入工法・Uカットシール材充填工法・タイル張替え工法・タイル部分張替え工法などが採用される。「浮き」の改修工法にはピンニング工法、CPアンカーピン工法、ボンドMGアンカーピン工法、タイル張替え工法、カーボンピンネット工法等がある。劣化状況に応じて最適な改修方法を採用できればベストだが、修繕工事予算によっては、次善の改修工法にならざるを得ない場合もあるのが現状である。

 【接着張り工法】

有機系弾性接着剤を用いた最新のタイル張替え工法で、従来工法ほどの熟練度を必要とせず、下地を選ばず、下地の動きに対する追従性に優れているが、コストが高く、厚塗りができないため不陸の調整ができない、という短所もある。改良型としてコニシ(株)と竹中工務店が開発した弾性下地調整材を用いた「トータルフレックス工法」が注目されている。


 ~ 次 回 開 催 予 告 ~
 ■第141回スキルアップセミナー 2016年8月3日(水)午後3時から
 テーマ:「平成28年3月15日国交省発表の標準管理規約をみてみましょう」
 講 師:木村長敏(マンション管理士)

◎変更箇所を中心に逐条解釈を検討し、単なる規約モデルに過ぎないとしても事実上実務的に影響を与えてきた標準管理規約の今回の改正の意味も考えて見てみます。皆様の管理組合の規約改正にきっとお役にたてるものになると思っております。

 



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