NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、福岡を中心に大規模修繕工事やマンション管理運営をサポートいたします。

集改センター、第168回スキルアップセミナーの報告

2019-04-14 11:14:22 | 集改塾

集改センターの第168回 スキルアップセミナー報告

開催日:2019年(平成31年)3月6日(水)

テーマ:「実践で役立つ長期修繕計画 

~ 今後、機械式立体駐車場を取り替えた場合と撤去した場合の案 ~」

講 師:上村 允郎(本会・正会員/設計監理事業部長・建築担当)

 

<セミナー概要>

■はじめに

 昨今、形ばかりでつじつま合わせの長期修繕計画が多いように思います。そこで実践に役立つ長期修繕計画について、機械式の立体駐車場を保有するマンションを想定して考えてみましょう。

■長期修繕計画の基本

 長期修繕計画は標準様式を参考に作成します。標準様式は一般的な仕様の中高層の単棟型マンションを想定していますので、それぞれのマンションに適した長期修繕計画にするためには必要に応じて内容を追加することが求められます。

■機械式立体駐車場の修繕を織り込んだ大規模修繕工事

 立体駐車場の改修において修繕積立金が不足するという事例の報告が、ここ最近目立つように感じています。マンションによっては3回目の大規模修繕工事で、今まで手をつけてこなかった機械式駐車場の改修に向き合わざるを得なくなったが、駐車場収入が駐車場会計もしくは修繕積立金として全額プールされておらず、管理費会計に組み込まれている管理組合が多いという実態が資金不足の原因を作っています。また、区分所有者の高齢化等により駐車台数も減少している、という事実もあります。長期修繕計画を作成する場合は、敷地に余裕があるのであれば、今後の駐車場の需給バランスや機械式駐車場のメンテナンス費用を考慮して、駐車台数を減らして自走式の駐車場に切り替える、という案も検討する必要があります。

■管理費および修繕積立金の見直し

 機械式立体駐車場を保有しているほとんどの管理組合において、長期修繕計画を作成する段階で、修繕積立金が不足するという結論にいたるのではないか、と思われます。当然、修繕積立金の増額ということになりますが、管理費に組み入れている比率の見直しも議題にのぼってくるでしょう。また比率を変えなくても駐車台数の減少ということは駐車場収入の一部を受け入れている管理費の不足にもつながってきます。駐車料金の値上げも含め、管理組合での協議が重要となります。

■最後に

 長期修繕計画は一度作ったから、数年は見直しをする必要はない、ということではありません。こまめに見直しをすべきだと考えます。

 

~次回開催予告~

■第169回スキルアップセミナー 2019年4月3日(水)午後3時から

 テーマ: ①「特別の影響を及ぼす」共用部分の変更決議

      ②「区分所有法が規定する管理者(理事長)の責任と権限

講 師:九鬼 正光 (本会・正会員/弁護士)

<上記の項目について、事例・判例等を参考に検証を行います。>

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする