雨が降っていたこともあってか、その日の三島大社は閑散としていた。
それでも、ときどき観光バスが到着すると、おじいさんおばあさんたちが本殿に向かって行進して行く。その様子がよく見える駐車場の脇にある茶店で、名物だという「福太郎餅」を食べた。
お餅２個に熱いお茶がついて200円。観光地にしては、とても良心的な価格で驚いた。いまお参りしてきたご利益がもうあったかな（笑）。
草餅に餡子が塗られた、どこにでもあるような和菓子なのだが、ビジュアルがなかなか可愛らしい。なんでも神事に登場する人物（福太郎）の顔を模しているそうで、そういえば餡が髪の毛にも見える。顔つきが、いかにも福々しくて嬉しくなってきた。
味のほうも、ヨモギがしっかり香って普通においしい。この普通のおいしさこそ、雨の中を徘徊していた僕の疲れをふわっと取ってくれるには充分すぎるスイーツだった。
しかも、これでまた福を授かったとみえて、このあと昔ながらのおいしいラーメンと出会うことになる。その店の名にも『福』がついていたのだ。