わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

おせっかいすぎる美術館

2017-11-05 | Museumsとイベント
 コロンバス美術館に行ってみました。美術館や博物館大好きの私が、イマイチ心惹かれなかったものの、特別展の「Beyond Impressionism」に興味を惹かれたのです。ところが、その展示は次の土曜日からだった…orz

 ここは日曜日は入場無料。折角、ここまで来たので、鑑賞してみることにしました。規模はあまり大きくないので、直ぐに全ての展示室を回ってしまえます。今まで、メトロポリタン、シカゴ、ボストンのビッグ3を含め、アメリカ国内のいろいろな美術館を訪れましたが、こんな美術館は初めてでした。規模的には、同じオハイオ州内のデイトン美術館と同じくらいですが、アプローチの仕方が全く違います。



 デイトン美術館が落ち着いた大人の美術館であるのに対して、こちらは子供博物館(Chilldren's Museum)の趣。なぜなら、むっちゃ押し付けがましいですよ。

 館内の大きな面積を占めるのが、子供向けの教育セクションであり、各展示室にパズル等の、展示作品モチーフを使ったアクティビティーが設えられて、子供たちが小さかった頃、連れてきたかったのは、こんな美術館だったわと思いました。

目前のシャガールの絵のパズルをしている男の子


 しっかし、このインターアクティブ性に重きをおいたアプローチが、子供対象だけではなく、一貫して「教育指導」付きなのは辟易。

 例えば、下の馬。これは、作者のセルフポートレイトなのだそうですが、横に机があって「この作品で作者は自分の何を表そうとしていると思いますか?」という質問に対して、訪問客が答えた小さい紙がいっぱい貼り付けてあるコーナーが。
中学校の美術の授業か~?


 ある展示の横には、アーティストが元難民であることを含めた経歴が説明され、この作品に表された、作者が逃れようとしているものは何だと思いますか?と。万事、この調子で、あちこちに、そういった感想コーナーが有ります。展示のカテゴりーも、通常通り、印象派の部屋とかキュービズムの部屋とかもあるけど、スタイルや年代を超えて社会的テーマに基づいた部屋も。うーむ…(-人-)


 テーマや書かれた背景が、日本でよくある名画解説本よろしく詳しく説明され、おまけに「寂寥感を感じませんか?」とかってイタリック体でダメ押ししてくるのには参った。読まなきゃいいんだけど、眼の前にあったら、つい読んじゃうやん。私も、「怖い絵」シリーズとかの名画解説本好きだから、時代背景まで説明してくれるのは確かに興味深いんだけど、正しい解釈の指導的な説明が、「いいから。そういうの、本当にいいから… 勝手に、好きなように感じさせてください…」って気になる。

 知ってる有名な絵や、美術館で気になった絵を後から、へぇ~、この絵にはこういう意味があったのか、と、知るのは面白いけど、そんな解説を期待して、美術館に来る人ばっかじゃないっと思うんですけど… 

 ギフトショップには、付き物の所有作品の絵葉書たポスターもなく、カフェテリアは高くてメニュー少なくて、ギフトショップとレストラン込みで美術館好きな私には肩透かし。正直、近年稀なほど魅力を感じなかったコロンバス美術館ですが、良い作品も多かったし、いつも通り犬猫集め(かなりのコレクションになってきたよ)もしたし、気に入った作品は写真に収めてきたし、こんな美術館もあるんだなぁ、と、新しい経験もできた。元々の目当てだった特別展を見るために、近々、再訪するつもりです。入場料タダの日曜日に。

以下、気になった作品:

何なのか全く分かんないけど、なんとなく好き


カリフォルニアの風景だって。なんか判る気がする


ブルックリンのアパートの裏庭に畑作ってる人の絵。黒猫がいるよ


入り口吹き抜けのモビール。カラフルなお魚が泳いでるみたい

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2 コメント

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こんばんは (JUNxxx)
2019-02-19 19:37:20
いいな〜ゆったりと絵を鑑賞できそうですね。
関西の美術館なんて作品間隔がギュウギュウな上、入口からすでにランチの行列並みで出口までひたすら牛歩。
目録買うのも行列。
美術館出る頃には真っ白に燃え尽きた矢吹丈状態ですよ^^;
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JUNxxxさん (わに)
2019-02-20 09:18:50
日本の企画展ってレベルが高いので、羨ましいです。ひょえ~、ってなるような作品が、常に日本の何処かで公開されてるみたい。
 燃え尽きて、ついでに翌日はパンチドランカー状態になっても、実物を見に行く!な、日本人の知的好奇心って凄いですよね。名作が公開されるとなると、そんなに人が詰めかけるのですもん!アメリカ人に「フェルメール」っていっても、知ってる人は少ないと思うのですが、日本人は誰でも知ってそう。
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