わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

大晦日も遊ぶ@自然史博物館

2013-12-31 | Museumsとイベント
 若息子はここのところ毎晩、お友達(♂)と、ゲームをしながらスカイプで長電話。途中、中座してラーメン作って食べたり、トイレに行ったりしてるけど、よく耳が痛くならないもんだと妙に感心します。しかも、ガールフレンドときゃっきゃウフフで長電話ならまだしも、高校生男子が4人でやんややんや。若息子はともかく、あとの二人はバスケ部のイケメン(長身)、空手黒帯の武闘派(ムキムキ)、アメフト部のラインバッカー(デカい)。イケメンなのにゲームおたく、武闘派なのにゲームオタク、アメフト選手なのにゲームおたく…

 毎晩、夜更かししてワイワイやってるので、当然、朝は寝坊です。だから今日は朝から叩き起こして、お出かけしました。行き先はロサンゼルス群立自然史博物館。目当ては先週から始まった特別展示の「Traveling The Silk Road」です。西安からスタートして、トルファンからサマルカンドを経てバグダッドへ。頭のなかでは喜多郎さんの音楽が流れ、説明を読むときの脳内ナレーションは当然ながら石坂浩二氏。期待していたほどの規模ではなく、小一時間で4600マイルを旅してしまいました。むかしむかしNHKの「シルクロード」シリーズで見た品々の本物にお目にかかれるかも、という期待は外れましたが、雰囲気の良い展示で、たっぷりと浪漫に浸ることが出来ました。

 芸術品等の公開や途中のオアシスの紹介より、本当に「旅」そのものに焦点を当てた展示で、絹や香辛料などの取引された品々や、その運搬方法の説明が中心。らくだの剥製や使われた瓶の再現等、興味深かったです。特別展示場の出口周辺に売店があるのは、アメリカでもお約束ですが、中国、インド、中央アジアから中東の品を揃えたギフトショップの品揃えが素適で、財布の紐を握りしめる手が震えて、うっかり緩んでしまいそうで意志力が必要だった。

  

  

    

 その後は、一昨年オープンした恐竜の化石の展示を見学。息子たちはオープンしてすぐに見に行ったんだけど、私は今回が初めてです。広々とした展示場におなじみの骨格標本がいっぱい。教科書で見た化石の本物に対面すると、いつも大感動してしまいます。中でも目玉は、ティラノサウルスの成体、子供、赤ちゃんの3世代骨格展示(上の写真の一段目左)です。模型だけではなく、貴重な本物の化石も多く、とても見応えのある展示でした。点状がガラス張りに成っていて、自然光がさんさんと降り注いでいるのもいい感じ。影が入っちゃうんで、写真を撮るには曇ってるほうがいいんでしょうけど、年中晴れてるこの辺じゃ難しい。説明を全部読み切れなかったし、インタアクティブな展示もあるので、じっくりと時間を取って満喫したい展示です。平日にまた来ようv

 おとなりのカリフォルニア・サイエンスセンターでサンドイッチと飲み物を買って、バラ園のベンチで遅めのお昼を食べて帰ってきました。一年中温暖なので、冬なのに、沢山のバラが咲いていました。その代わり、どの季節に来ても、このバラ園が満開というのも見たこと無いんですけど。帰り道に図書館に寄り道して、お正月に見る映画借りようと思ったら、今日は閉館だった。残念~



遊んだ!

2013-12-28 | グルメ
 今年も押し迫り、昨日が仕事納めという方も多かったのではないでしょうか?日本のお正月を迎えるような、年賀状にお節作り、大掃除等々はサボっているにも関わらず、ここ数週間わけもなく大童していた私は、もし日本で正しい日本人生活をしていたら、過労死していたかもしれません…と、いうより、オノレの手際の悪さが全ての元凶でワヤしてた。そのくせ今日は、ここしばらく働いたから、と、自分自身に弁解して、丸一日中遊びほうけました。大掃除?何それ?お切料理?スーパーじゃ材料が調達できないし、日系スーパーにあっても高いし。

 まず、午前にまたもアクリル絵の具のお絵かき教室に参加。今回は好きなテーマを描くクラスだったので、愛犬のポートレートに挑戦。すっかりアクリル絵の具にはまってしまい、ついに今日はアマゾンで絵の具と筆のセットを注文してしまった。軽く肉まんとペットボトルのお茶でランチの後は、月一の贅沢タイム、韓国スパで垢すりしてもらって、3時間近くもオンドルでゴロゴロ。その後は、汗で流した体重を取り戻すべく(トホホ…orz)、マイクロブリューワリーに行って、ビールの試飲。サウスベイのマイクロ・ブリューワリーを全制覇するという野望達成に向けて、着々と歩を進めております。
  
わに作品(まだ完成途中ですが)と、ケイティー・ペリー似な先生と彼女の描いたお手本

 今日、行ったマイクロ・ブリューワリーは、トーランス市のSmog Tree。今までに試した中では、一番大規模でした。週末の夕方だったせいもあるでしょうが、すっごく混んでて驚いた!ビール買うのに並ばなきゃならないくらい。オレンジジュース味のビールやコーヒ-味のビールなんて変わり種もあり、種類が豊富です。オレンジジュース味に思えたけど、「ホップ・マンゴ」とおう名前なので、実はマンゴのビール(?)ですが、正直なところ、ビールのオレンジジュース割りって味だった。一口目は「???」でしたが、後味がさっぱりしていて、仄かな甘味があり飲み進めていくとだんだんハマる味。コーヒーのビールは、しっかり両方の味がして不思議。人気のフレーバーらしく、これを飲んでる人が多く目につきました。チョコレートのビールというのも試しましたが、これは「試飲サイズでよかった」と思う味だった。
  

 小さなカップ(とはいえ、日本の小さいコップのサイズよか大きいと思う)で試飲ができるのが、ここの楽しいところ。左上の写真の上のカップが、お友達の頼んだずっしり重いダーク・ビールのおまかせサンプル、下側に写っているカラフルなトレイの4つが、私が頼んださっぱりライト・ビールのおまかせサンプルです。下の右から2番目は「Weird Beer(変なビール)」という名前。でも、味は試した中で一番普通で、なんとなく、サッポロ一番って感じ。なんっだかチャレンジャーなフレーバーを取り揃えているブリューワリーダから敢えて、普通のビールがこういう名前なのかしら?ちなみに、トレイの間にあるのは、持ち込んだおつまみのお好みアラレw

 私達は、5時前に入りましたが、その時には学生さんっぽい若い人のグループが目立ち、暫くすると今度は、高齢のカップルが増えてきました。以前行ったブリューワリーは、小学生くらいの子供と一緒の家族連れがいたし、ビール醸造所ってのは友だち同志やカップル、家族で楽しむものらしい。お友達は、息子が21歳になったら一緒に来たいな、と言っていましたが、私が同じことを上息子(18歳)に言ったら、「母ちゃんと飲みになんか行きたくねぇや…」って嫌な顔された。オマエ、むかつく奴だな!!



Exciting Christmas(日中韓関係的に)

2013-12-25 | 時の話題
と、言いましても、うちみたいにクリスチャンじゃない家庭だと、クリスマスはただのイベントに過ぎないので、子供が大きくなると、何のエキサイトメントもなくなるもんです。子供達が小さかった頃は、ツリー飾って、特別なお料理して、早起きしてプレゼント開けて… 楽しかったなぁ。今じゃ、うちの息子どもはクリスマスだからって早起きなんかしたくない、じじばばから送られてきたクリスマスのプレゼントは着いたその日にとっとと開封。だいたいがプレゼントに欲しいものが、1に現金、2にギフトカード。既に孫ができる日が待ち遠しい。

 私にとってはクリスマスもいつもと変わらぬ怠惰な一日でしたが、日本のニュースがとってもエキサイティング!安倍首相の靖国参拝は、個人的には「でかした!」と喝采を送りたい気分です。中国や韓国が一斉に大騒ぎし、アメリカまでが「失望した」なんて言っていますが、首都のど真ん中に巨大な戦没者メモリアルを幾つもおっ建て、ことあらば大統領がアーリントンの墓地に参り、戦没者記念日を国民の祭日にして、毎年派手に祝っている国が、どの口で日本を批判する?!って思う。中国も、韓国も、何の権利があって、他国の首相の行動を非難する?内政干渉じゃないの、それ?韓国は、日本との外交関係を断絶するなんて言ってますが、すると来年早々のIMFストレス・テストの結果如何で困っちゃっても、日本に援助は求めないということですね(わはは!)

 それにしても、政府要人の靖国参拝を韓国や中国が騒ぎ立てだしたのは、一体いつ頃からなのでしょうか?特に中国は、一体いつの間に反日を騒ぎ出したのかを、思い返してみても、ここ数年でいきなり!と、いう気がするのですが、そうでもないのでしょうか。国交回復時には当然ながら、反日なんてなかったし、日本側も中国に交換を持っていたと思う。私が国際機関で働いていた20年弱前でも、日中で互いに反感のようなものは、少なくとも表面化していなかった。それが何時から互いに批判し合うようになったのか?

 その中国の日本語変換プログラム、百度(Baidu・バイドゥ)を使って打ち込んだデータや識別子が、ぜーんぶソーバーに送信されていたというニュースも報道されました。私は数ヶ月間、派遣で某自動車会社の開発部の翻訳をしていましたが、打ち込んだ文章が残るからとグーグル等の翻訳サービスは使用禁止でした。調べ物をするために検索をかける時も、その会社の用語は使っちゃ駄目という機密主義でした。別にこの会社だけではなく、どこでも開発部や法務部などは特に機密保持に気を使っていると思います。なのに、こんなところでダダ漏れだったとは… この報道を読んだ時、ただでさえアメリカなんて頻繁に中国にハックされてキーキー言ってるくらいやのに、中国製のソフト使う日本人はおらんやろ、と、思ったら、官公庁でも広く利用されていたらしい… 靖国参拝より、こっちのほうが重大な国際問題だと思うんですけど!日本は中国にガンガン怒っていいと思うんですけど!!!



SilentでもないNight

2013-12-24 | 時の話題
 昨今の日本では、クリスマス当日よりも、前夜(イブ)が盛り上がるのだそうです。バブル期に大いにステマされた、彼氏が高価なブランド品をプレゼントし、二人で高級レストランでディナーの後、景色のきれいな高級ホテルでお泊りというステキ・カップルのリチュアルが、しっかりと日本の風習として根付いたというのが、その要因らしいですが。そういや、私が大学生だったバブル初期、ガールフレンドへのクリスマス・プレゼントを男が買うのが恥ずかしいから、という級友に頼まれ、その品物を買いに行かされたことがあります(大変に女子の割合が低い学部だったんである)。彼女が欲しがっている品をプレゼントしたくてバイトに励んだ結果の、そのご予算は結構な額でした。すごーい、彼女シアワセもんやねー、ロマンティックやねー、と、お目々キラキラな私に、「年に二回(もう一回は誕生日)の投資でヤリ放題やとおもたら安いもんや」と言ってのけ、いつかワタシにも彼氏ができたら~という、喪女な私の儚い夢を完全に叩き潰してくれたXXくん、お元気ですか?

 今年はバブル期を彷彿とさせるような高額のプレゼントやレストランの特別メニューの予約が大人気というニュースを数日前に読みましたが、これも景気が上向きな証拠なのでしょう。アベノミクスに対する評価は、未だ右往左往していますが、実際の結果と評価は年月を経てみないと分かりません。とりあえずは、その恩恵を受け、余剰資金を得ている国民が存在しているのは、素直にポジティブに受け取ってもいいのではないでしょうか?大企業のボーナス額も軒並み上昇しているそうですし、株をやってる人は喜んでいる。アメリカの共和党が、高所得層への課税率を上げるのに反対するときに使う、お金持ちが潤ったら、そのオコボレで下々の者も恩恵を得るのだよ、というトリクルダウン理論(trickle-down theory)は、当のアメリカじゃてんで機能しないけど、アメリカみたいに金持ちは冗談みたいに資産を蓄えてて、貧困層はこぞって福祉に群がるという状況ではない日本においては、実は機能するんじゃないかって気がする。アメリカは、さっさとと金持ちから税金搾り取るべきだと思います。銃を持つ権利を支持し、高所得層への課税率上昇に反対する皆さんは、折角なので自慢の銃で頭を撃ち抜いて下さるといいと思います。



バカッターとはよく言ったもの

2013-12-23 | 時の話題

バカが出たぞー!


 インターネット企業「IAC(InterActive Corp)」の広報部長だったジャスティーン・サッコ(Justine Sacco)さんが、南アフリカに向かう飛行機の中で、ツイッターに「アフリカに向かっています。エイズにかからないといいな…なーんて冗談よ。私は白人だもの!」と投稿し、炎上して、サッコさんはクビになっちったというニュースが。IACは、「Match.com」や「Dictionary.com」「OkCupid」「Vimeo」等の有名サイトを所有する大企業です。こんな人が広報部長なんて!と、会社そのものが信頼失落で危機に陥りかねません。ほーんと、よりによってインターネット企業の、よりによって広報部長がこのレベルの大失態をやらかすとは、実はオーナーの愛人さんとか?このツイッタいならぬバカッターが拡散される前は、いくら個人用アカウントとはいえ、彼女のフォロワーは200人程度だったそうなので、大手インターネット会社の広報部長なのに、誰も注目してないってとこで既に能力が知れそうです。彼女の部下はいたたまれまい…

 呆れながら記事を読み進んでいくと、この人のお父さんは南アフリカ出身で、彼女人自身も南アフリカで生まれたんだって。サッコさんの行動がおバカさんなのに違いはないけど、この出来事は、ネルソン・マンデラの大統領就任から20年を経て、南アの人種差別法は撤廃されたとはいえ、国民意識は実はさほど変わっていないという事実を露呈したのではないかと思います。南アで、白人と黒人の婚姻は、どの程度の割合なのか、ちょっと興味ある(けど、調べるの面倒だから調べない)。地球人が、混ざりに混ざって、純粋なアジア人とか、100%コケイジャンなんて稀になっちゃうまで、後、何年かかるかな?でも、その時にはきっと肌の色以外の、差別化の理由が生まれていそうです。人間には「自分は特別だ」と思いたい欲望があるようですし。

 だから、自分は特権階級であると子供の頃に植え付けられた価値観は、法律が変わった、環境が変わったからと、そう簡単に捨てきれるとは思えません。アメリカにおける黒人に他する差別の撤廃を求めた公民活動が活発化したのが1950年代。そして、1964年には、法の下の平等を規定した市民権法が制定されたので、正式に法的に人種による差別がなくなってから来年で半世紀、父親がアフリカ人の大統領が二期目を務めている最中ですが、実際には、肌の色を基とした差別はまだまだ残っている。たとえ、人口の面でマイノリティーである(2010年に12.6%、引用元はUS Census)にもかかわらず、大統領がアフリカ系、プロ・バスケットボールやアメフトの選手において圧倒的な存在を示していても。黒人は低所得層に多いとはいっても、実は億万長者に占める割合は、人口比では高いかもしれない(けど、調べる…以下略)。

 ですが、人間の価値感を覆すのは、50年やそこらでは無理。私より上の世代の、例えば元義父母の世代は、頭では「人種で差別してはならない」と十分に判っていても、そんな価値観が垣間見えることがあります。そして元義母は元義父の父親側がイタリア系であるという理由で、長年、結婚を両親に認めてもらえなかったそう。今でも特に東部では、WASPなご家庭は、それ以外(ヨーロッパ系であっても)との婚姻を渋るそうですし、ご先祖の出身地による差別意識というには、我々、単一民族の日本人が思うよりもっと根深いように思えます。徳川さんや冷泉さんとか、代々の欧州の貴族なんかから見れば、300年ほど前に先祖がこの国に(逃げて)来たから上流…プッ  と、なっちゃうかもしれませんが。



Latin American Museum of Art

2013-12-22 | Museumsとイベント
 若息子と二人でロングビーチにある、Latin American Museum of Artヘ行ってきました。現在の展示は、12人の写真家による「アメリカの中のラテン・アメリカ」連作、Latino/US Cotidianoです。ちょうどツアーが始まるところだったので、何の気なしに参加したのですが、私以外はラテン一家(陽気なお父さんと、ずっとニコニコしてたお母さん、小学生くらいの息子)と、アーティストっぽいラテン青年二人組で、ラティーノ自身の感想も聞けて実に興味深かった。

 特に私が興味を惹かれたのは、Hector Metaの一枚。LAダウンタウンのハイウェイから見える向上のビルの壁面を使った巨大公告の写真です。アップル社の「Think different」という公告の横に、低賃金・劣悪な条件下で働く農業労働者のための労働組合を組織化した公民権運動の指導者、シーザー・チャベスの写真が並んでいる一枚。それまで、農家に季節的に雇われる移民労働者に権利など無いのが当然というアメリカで、ハンストやデモ等の非暴力的手段で農業労働者の権利を訴え米国農場労働者組合を確立したチャベスを「異なった考え方」を実現させた人物と見れば、ポジティブなメッセージの作品なのですが、アップル社の中国の工場での搾取が問題となっている現状を鑑みれば、アップル社の公告と、搾取されてた労働者の解放の為に闘ったシャベスはなんとも皮肉な組合せということになります。

 スペイン語メロドラマ「ノヴェラ」の典型的な農場人物をテーマにした写真では、ラテン青年の一人が「子供の頃は夕食の後、家族でノヴェラを見た」といえば、家族は「うちは今でもそうだよ」と。私にとって、ラティーノは家族を大事にするという印象があるんですが、それには、食後に家族の団欒があり、一家揃って同じ番組を楽しむことが影響しているのかも、と思いました。日本もかつてはそうでしたよね。でも、毎晩、夕食を揃って食べる一家は、今の日本やアメリカでは少ないし、その後、皆でテレビを見る機会も少ないでしょう。私達の世代には、家族で洋画劇場を見ていたらヌードが出てきて、茶の間に漂う気まずい雰囲気…なんて経験があったものですが、今どきはそんなこともなさそう。

 テキサスのロデオをテーマとした展示では、ホットドッグをぱくつく、ちょっと太めな青年の写真を指さして、ラテン一家のお母さんが夫を突っつき「ほら、あなたが写ってるわ」なんて言ったら、すかさずお父さんが「いつの間に撮られたんだろう」なんて返して、皆で笑ったのですが、通行人として写っていたカウボーイハットのお腹の出たおじさんが、いかにもテキサスの典型的おじさん的だったので、「私、前にテキサスに住んでたんだけど、このおじさん知ってるような気がするよ(I think I knew him!)」と言えば、さっきのお父さんが「きっと、お宅の庭師だよ(He's your gardener!)」と茶々入れ。また皆でアハハと笑ったのですが、私も一緒に笑ってから、少し考えた。かつてカリフォルニアでは、庭師といえば日本人だったそうですが、気の良さそうな、そのおじさんが私を日本人と知って皮肉を言ったとは思えないし、自分で言うのもナニですが、私はどう見ても、芝を業者に刈ってもらうほど大きな庭のある家に住んでる裕福なマダムには見えない(トホホ…)。私と若息子以外はラテンのグループが、この発言を軽くジョークとして受け取って笑っちゃうのは、ラティーノ自身が「典型的なラテン親父=芝刈り」と認識してるということ?

   

    

   

 木曜日に美味しそうなキューバ風サンドイッチの出てくる映画を見て以来、オイシイキューバ風サンドイッチが食べたい!と、思っていたんですが、隣接のカフェで念願のサンドイッチを頂くことも出来ました。明るい雰囲気、サンドイッチも美味しかったけど、デザートに頂いたココナッツ・フランは絶品でカプチーノにぴったり!このカフェも、美術館の人たちも、とてもフレンドリーなのも気持ちいい。展示は何ヶ月化毎に変わるので、新しい展示が始まったら、また訪れたいと思います。



First Showing「Chef」の試写会

2013-12-19 | 映画・ドラマ・本
 またまた、ニールセンのご招待でサンタモニカに映画の試写会を観に行きました。今日の作品は、ジョン・ファブロー監督・主演の「Chef」です。「エルフ」やアイアンマン1と2の監督、アベンジャーズの製作者ときけば期待が高まりますが、一方で「カウボーイ&エイリアン」の監督と聞くと「大丈夫なんか…?」と不安がよぎる。名前しか知らんかったけど自分自身で演技もして、しかもお料理もする(作中、鮮やかな包丁さばきを披露しています)なんて、とても才能豊かな人ね、と思いながら、映画が始まって顔見たら「えー、この人だったの!」な、お茶の間でもお馴染みの俳優さんでした。でも、ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニーJr.、スカーレット・ヨハンセンといったスターをチョイ役で使うことができるのは、さすがに大物?

 自分の創造性を認めない口やかましいオーナー(ダスティン・ホフマン)と決裂し、しかも料理評論家(オリバー・プラット)にこき下ろされたことに腹を立てレストランで大げんか(で、そのようすがYouTubeで拡散)し、有名レストランを辞めざるをえなくなったシェフ、カール・キャスパー(ジョン・ファブロー)は、生まれ故郷のマイアミで、前妻と、その前夫(ロバート・ダウニーJr.)、旧友のマーティン(ジョン・レグイザモ)、そして10歳の息子、パーシーの助けを得て、キューバ風サンドイッチのフードトラック(移動式屋台)を開店します。マイアミからニューオリーンズ、テキサスを経てロサンゼルスへ帰ってきたカールを待っていたのは…と、いう、ストーリーだけなら、映画館にわざわざ観に行くことはなかったであろう映画なのですが、ファースト・ショーイング(完成前に評価を得るための試写会)の魅力で、わざわざサンタモニカまではせ参じました。

   

 でも、このまま公開できそうな出来の良さで、場内で何度も笑い声が沸き起こっていたし、エンディングとともに大きな拍手が送られましたが、私もその一人。観終わった後に幸せな気持ちになれる映画を「Feel good movie」といいますが、これはまさにそんな一作。予想通りに進むお話なのですが、そこがいい。お話の途中で、セオリー通りにドラマティックな何か悪いことが起こったら嫌だなぁ、と、ずっと思いながら見ていましたが、トラックが盗まれたり、裏切られたり、息子と大喧嘩したり、なんてお決まりの災難もなくハッピーエンドへと向かったのも、鑑賞後のスッキリと暖かな気持ちへ繋がったと思います。妙に取ってつけたような「イベント」がないので一層、ひたすら美味しそうなお料理と、父と息子の絆、友情、好きなことをやり通す気持ちを楽しむことが出来ました。作中では、日常生活にすっかり定着したツールとしてのソーシャル・メディアが重要な役割を果たしますが、意外とこういう映画って今までなかったかも。

 スカーレット・ヨハンセンの主人公のガールフレンドという立場は余計で、良き理解者であるだけでいいんじゃないかと思ったけど、スカヨハちゃんは、この映画でも可愛くてセクシー。カールの前妻もいかにもなセクシー・ラテン美女なんだけど、スカヨハ演じるモリーも実にいい女なのだなぁ。でも、一番好きなキャラクターは、レストランではカールの下で働いていた友達のマーティン。ジョン・レグイザモは「3人のエンジェル(To Wong Foo, Thanks for Everything! Julie Newmar)」のかわいいオカマちゃんのイメージが張り付いており、ひゃっはー!言いながらゾンビを倒していようが、LAのギャングを裏で仕切ってようが、可愛く見えてしまう。この映画ではええオッサン、頼れる友人。美味しい役どころです。

 色々と美味しそうなものが出てくるのですが、カールが息子のために作るグリルドチーズサンドイッチが垂涎モノ… 多くのグルメマンガが人気を博している日本でも、
受けそうな映画だと思いました。見るとキューバ風サンドイッチがものすごく食べたくなるので、劇場前に屋台出したら繁盛間違いなし。LAのシーンでは、まさにこの劇場前のプロムナードやサンタモニカのファーマーズ・マーケットが映り、今週末はファーマーズ・マーケットに行こうと思った私、ルイジアナのシーンでは、ニュー・オリーンズ行きたーい!生牡蠣食べたい、ガンボ食べたい、ベニエ食べたい!と、思い、テキサスのシーンでは、テキサスのBBQにポテトダラだ、ブルーベル・アイスクリーム食べたい!と、思う私。はい、影響されやすい性格です。気になったのは、シェフがイレズミだらけなとこ。個人的に、手にタトゥー入りの料理人なんていやだなぁ…

市民権の意義

2013-12-18 | 日記
 若息子はお弁当にハムとチーズのサンドイッチか、PBJ(ピーナツバター・アンド・ジェリー:ピーナツバターとグレームジャム)のサンドイッチを持って行くことが多い。Jelly(ジェリー)は日本で言うジャムで、ゼリーはアメリカではジェロ(Jello)。じゃ、ジャム(Jam)はといえば、Trafic Jam(交通渋滞)みたいに何かが詰まってることや、Jam Sessionみたいにグループで即興で演奏することだったり。日常生活で一番良く使うのが、印刷機やコピー機のペーパージャム:紙詰まり…と、せっかく作ってやったのに、若息子が置き忘れたPBJサンドイッチを食べなから思う私… これって、血糖値上がりそうだなぁ…

 ともあれ、LA Timesによりますと、多くのラテン系やアジア人のアメリカ住民がほんとうに欲しいのは、市民権ではなく法的権利であるであるという調査結果が発表されたそうです。移民法改案は下院を通過し、上院でグダグダしている、毎度おなじみの状態ですが、これまたお馴染みのピュー・リサーチセンター(Pew Research Center)の調査結果ですと、9割近いラテン系と7割強のアジア系アメリカ人は、移民法改革を支持していますが、もし選択を迫られたら、55%のラテン系、49%のアジア系アメリカ人は、市民権そのものよりも、アメリカでの就労権と居住権が重要であると答えたそうです。そりゃそうよね、市民権ってのは、合法的に仕事したり、住んだりするために必要だから欲しいんであって、「アメリカ人」になるというのは、そのオマケみたいなもん。アメリカで大統領選ぶよか、日本の選挙に投票したい私から見たら、当然でしょ?だけど、自国の大好きなアメリカ人には驚きの結果かも。世界中がアメリカ人になりたいと思ってる!って信じてそうな連中が一杯いるもん。

 ラテン系とアジア系市民の人口は着々と増加中で、両党にとっても、この二つのグループの支持獲得が最重要視されていますが、ラテン系の54%とアジア系の62%がオバマ大統領の仕事ぶりを支持しており、全米の支持率41%より高い支持率となっています。また40%以上が、移民法改革が失敗したら共和党議会のせいだと答えたそう。私なんぞは、移民法も保険法も福祉も債務問題も失業率の高さも貧富の差が広がり続けているのも景気が停滞しているのもアメリカ人の学力が低下しているのも、政策が滞ってるのは何でもかんでも上院でのさばる共和党のバカ野郎どものせいである!と大声でわめきたい方ですがW ちなみに、どちらも、移民政策よりは、教育や保険、経済や債務問題を重要視しているとのこと。

 約3500万人のラテン系アメリカ人のうち成人の半分ちょっと、1250万人のアジア系のうち成人のほぼ4分の3が移民で、ラテン系の22%、アジア系の11%は不法移民なのだそうです。そして、ラテン系とアジア系の市民は、一般市民全体より、この国の行方に交換を抱いているという結果も出ています。全体では、14%だけがこの国は正しい方向に向かっていると答えたのに対し、ラテン系は34%、アジア系は38%が、ポジティブな返答だったそうですから。ま、多くの移民は自分の国よかマシだと判断したから来たんであって、この国は希望がないと思うならこないわよね。ああ、この国はお先真っ暗~と、おおっぴらに嘆くことができるのは、その国に生まれたことによる権利(Birth Right)で、法的市民権を得た国民の特権であるわけです。日本に住んで日本お悪口、文句ばっかり言ってる日本人以外の人は、じゃ、お国に返れば?と、言われても仕方ないような気がするんだけど…

2012年度におけるアメリカのラテン系・アジア系住民(成人)

 この記事のオリジナルはロサンゼルス・タイムズのサイト内、ここから



無印良品、ハリウッドに見参

2013-12-17 | アメリカのニュース
 日曜の午後から何だか調子が悪く、昨日は一日中寝ていました。会社に行かなくてもいい内職なので出来る事で有り難いことです。微熱があり身体がだるく、軽い頭痛とくしゃみ、鼻水で、風邪引いたかと思って大人しく寝てたけど、今夜、気温下がったら、今は元気だし、実は季節的なアレルギーだったのかも。昨日、一昨日は夏のように暑かったので、花粉もひゃっはー!したのかな?花粉症なら、さっさとアレルギーの薬飲めばよかった。この忙しい年末に、2日損した気分。LA周辺では、一日で気温差が10°C変化するのも珍しくないのですが、基本的にいつも晴れているので、昨日まで暖かかったからと軽装で外に出たら激寒だったり、厚着して出たら短パンTシャツで十分だったりと、なかなか侮れない。

 ところで、無印良品は「MUJI」としてアメリカ進出し、既にNYのマンハッタン内で三店、サンフランシスコやサンホセで展開しています。このたび、ハリウッドに8千平方フィートの大店舗を開くというニュースは、先月、LA Timeで伝えられましたが、店舗も完成して、先週金曜にプレス向けのプレビューが開かれたそうです。このニュースを見た時、私が思ったのは「なんでハリウッド?」なのですが、やはり、多くの人が同じことを思ったらしく、今日、NPRの番組「Design & Architecture」中でも、そのことが取り上げられていました。ハリウッドはLAの観光地の中でも、最も「お上りさん」を意識したスポットで、いわば温泉街の遊技場やお土産屋が並ぶ中央通り。大阪で言うなら道頓堀筋。無印良品の洗練されたイメージとは合わないような気がします。オーガニック・自然志向で、少しアップスケールなエリアのほうが似合ってるのではないかと、思うのですが…

 この地を選んだMUJI USAの社長、生明 弘好(あざみ ひろよし)氏によると、公共交通システムのアクセスの良さと観光客へのアピールが、ハリウッドを選んだ理由だそうです。車に頼らず、地下鉄やバスを利用する若い世代を惹きつけるとともに、世界中から集まる観光客に対する露出を狙った選択というわけですか。この短いセグメントは、ここから試聴できます。なるほど、とは思ったものの、私的には違和感が拭い切れないな。最初にLA Timesの報道を見た時に、FaceBookでも呟いたけど、日本では無印良品って、さりげにお高いではありませんか?MUJI USAもその路線で行くなら、ハリウッドを訪れる観光客や、車を持ってない若者層が買い漁るようなお値段じゃないし、シンプルでモノトーン、グレー、ベージュといった落ち着いたデザインのコンセプトは、エレクトックなハリウッド、メルローズ、サンセット・ストリップと相容れないような気がする。むしろハリウッドで成功しそうなのは、DAISOの$1.50店。サウスベイでアジア人だけを相手にしてるのは勿体無い。一方、MUJIはサンタモニカのモンタナ・アベニューか、ベニスのアボットキニーが一番しっくり来ると私は思う。

 でも、NYCのMUJIは、チェルシー、ソーホー、そしてタイムズスクエアにあるので、このハリウッド店がタイムズ・スクエア店と同様の役割を果たし、将来的に他の地域にも店を出すというシナリオはありそうです。ところで右上は、上記サイトに掲載されていたハリウッドのMUJIの店内の写真ですが、こうやって見ると、アンソロポロジーとかの、既存全米展開おしゃれ店と似てるな… 無印良品ことMUJI、アメリカでの今後の発展が興味深いところです。余裕のある若年層を掴んで成功・拡大するか、路線変更を已む無しとされるか…




人生における謎が一つ解けた

2013-12-14 | 映画・ドラマ・本
「コクリコ坂から(From Up On Poppy Hill)」を見ていたら、日米問わず映画でおなじみなシーンが出てきたので、長年の疑問を解決すべく、この機会に息子たちに問うてみました。男って並んで立ちションしながら話すの?

 息子たちの答は「No」。互いにいないふりして無視するってさ。そうかー、そうだよねー。女の子同士はよく一緒にトイレ行くけど、互いに個室の中では会話しないもん。お喋りするのは、洗面所だもん。でも、映画やドラマじゃよく、ジョボジョボなんて背景音と共に、一方がずっと切り出す機会を狙っていた重要な事をさりげに持ち出したりするじゃないですか?で、相手に適当にあしらわれるのがデフォじゃないですか?そういう場面を見るたび、「男同士は排泄の最中に会話するものなのだろうか?ニーハオ・トイレみたいなもんなんだろうか?いや、そんな軽いものではなく、深刻な会話はトイレで行うものなのだろうか?」と思っていましたが、疑問がやっと解決しました。

 映画の方は、私は既に日本語でDVDを送ってもらって観てるんだけど、印象が薄くてよく覚えてないから、今度は吹き替えで見てみようと思ったんだけど、息子たちは途中で飽きちゃった。私もノスタルジックな街の風景には惹かれたけど、逆に言えばそれだけ。主人公たちに好感は持つけど共感はできないし、お話も予定調和で感動もなく、何だか深みのない作品でした。アリエッティ、コクリコ坂と、不完全燃焼な作品が続いたので、評判のいい「風立ちぬ」と「かぐや姫」は楽しみです。

 「コクリコ坂」は途中で観るのをやめてしまい、代わりに日本の映画レビュー・サイトや掲示板で評判がいいので気になっていた「クロニクル」を観ました。息子たちは友人宅で観たので、「人生において一度観たら十分な作品」だとパス。曰く、
 上息子:「(大友克洋の)Akiraの劣化版」
 下息子:「Everyone dies(みんな死ぬ)」
と、イマイチ評判がヨロシクない。え?高校生が急に超能力を得てキャッキャ、うふふな、コクリコ坂同様に青春を謳歌する話じゃないの?と思いつつつも、なんでアキラ?と思いつつ観たら、随分な鬱展開映画だった。救いがなさすぎて辛い。
 
 で、懲りずにもう一本、ハル・ベリー主演の「ザ・コール 緊急通報指令室」を観ました。公式サイトはこちら(音が出るので要注意)。この映画、ちょうどクリスマス期に予告が流れていたので、劇場で何度も予告は見たんだけど、映画そのものはいつの間にか公開されていつの間にか終わってたので、あまり期待はしなかったのね。サスペンス感たっぷりな予告に騙された!って映画は数知れずだし。たまたま図書館の「NEW」の棚にあったから、借りてみただけなのですが…

 緊急通報番号911(日本の110番に当たる)のオペレーター、ジョーダン(ハル・ベリー、相変わらず美しい)は、過去に誘拐された少女からのコールを受け、救出に失敗したことがあります。その彼女が何の因果か、またも誘拐されて車のトランクから助けを求めるケーシーからの電話を受信。過去の救出失敗がトラウマとなっているジョーダンは、今度こそは少女を救うべく、携帯電話での通話だけを頼りに少女を見つけ出そうとします。操作が難航する中、ボスに「あなたのシフトは終わり。この件はもうあなたのケースじゃない」と言われたジョーダンは、居てもたってもいられず遂に自分で、最後の通話が記録された場所へ向かいます。果たしてジョーダンはケーシーを救うことができるのか?以下、盛大にネタバレ:

 シスコンをこじらせた三十路男が、ガンで髪を失って死んだ姉に執着するあまり、妹に似た金髪の少女をさらっては頭を剥いでカツラを作っていたんですね。郊外に立派な家を持ち、奥さんも子供もいるのに、完全にイッちゃってます。そして危機一髪というところで、警察よりも先にアジトを発見したジョーダンと、ケーシーは共同して男と戦い、倒して、アジトに縛り付けて放置してきます。え?なんで?と思いますが、あのまま、後は警察に任せたら、普通すぎるから?

 911のオペレーターの仕事が、こんなにも大変なものだったなんて知りませんでした。幸い、私はお世話になったことはありませんが、LAPD殿連携も超ハイテクで頼れそう。LA郡民として少し安心できた。でも一方で、犯人の車を発見できずに、不審を感じてケーシーを助けようとした善意の人が二人も犠牲になり、最終的にもジョーダンの探り当てたアジトが見つけられない警察に対して少し不安が募る。

 映画が始まる前に入ってる予告がホラー映画。いやな予感。予告でも凄い緊迫感でしたが、本編もずっと緊張しっぱなし。このハラハラ・ドキドキ感、そして森の中に犯人を一人朽ちるに任せるという顛末は確かにホラーに近いものがある。幼い子供を抱え、夫は殺人犯で行方不明な奥さんに事が気がかりですが、そこは「フィクションなんだから」と割りきって、深く考えてはいけないのでしょう。ダラダラ長引かせず、1時間半ちょっとにまとめ、最後まで緊迫感を失わず、意外なエンディングへ。映画を見た、という満足感のある一作でした。

 しかし、後味のすっきりしない映画ばっかり観ちゃったなぁ…