わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

Dayton Art Institute

2014-05-25 | Museumsとイベント
 今週末はメモリアル・デー(戦没者追悼記念日)で3連休です。折角の長い週末なので、ちょっとお出かけしたくて、一番近い都会(?)であるデイトン市にある美術館へ行ってみました。実は、大好きで日参している写真エッセーのブログで、おなじみの美術館です。実際に尋ねることが出来るなんて、夢にも思っていませんでしたから、実際に、その門前に立った時は、なんとも感慨深い思いでした。


メディチ家のヴィラを模した瀟洒な外観

 元々は美術学校だったそうですが、今は学校の方は閉鎖し、美術館として市民に公開されています。総合美術館としては規模は大きくありませんし、目玉となるような超有名作品が飾ってあるわけではありませんが、幅広いテーマで良品を揃えたなんとも居心地のいい美術館でした。美術館というのは、大抵が居心地のいい空間なのですが、その中でも、ここは、のんびりと寛げるタイプの美術館。気取らす、気張らず、少し前の流行り言葉、「癒しの空間」というフレーズがぴったり当てはまる感じ。

 あまり人が居なかったのも、のんびり出来た一因でしょうが、むしろ今までに私が住んだ街で何度も足しげく通った大型美術館、ニューヨークのメトロポリタンやMOMA、ワシントンDCの国立美術館やフィリップス、LAのLACMAやゲティーのように、名だたる巨匠の作品がどん!どん!どどーん!と、さりげ無く、されど綺羅星のごとく鎮座しているのではないのが、むしろ、気の張らない友人のような、「フレンドリー」な取っ付き易さの秘密かも。巨匠の名作は、なんとも言えない迫力が滲み出ているもので、観る側も心構えっていうか、その気迫を迎え撃つ心意気が必要な気がする。たとえモネやルノアールなど表面は優しげな印象派でもそうなので、ピカソ(ゴゴゴゴゴ!)、ルーベンス(ズシーン!)、ゴッホ(芸術は爆発だ)、フェルメール(心臓一突き)、ゴヤ(鬱だ、死のう…)、そして勿論、レオナルドォォォ!!!(DCに一枚あるけど、通りすがりに目が合っただけで、思わずひれ伏しそうになる)と、油断は大敵。メトロポリタンなんて、一周りすると、精魂果ててたりしました。教科書でお馴染みのあの絵(物)がこんな間近に!も、美術館、博物館の魅力ですが、ここに来なければ出逢うことはなかったという物に出会うのも醍醐味。

 何度も同じことばかり書いていますが、私的な絵の評価法の一つは:
(1)寝室に飾って、毎日眺めていたい!目が覚めた時、一日の最初に見たい、寝る前に見たい!彫刻の場合だと、撫で回したい!
(2)家の壁にかけて、日常風景の中に取り入れたい。
(3)タダなら貰って、玄関先にでも掛けておいてもいい。
(4)タダなら貰って物置に入れておく。
(5)お金をもらっても欲しくない。
の、5段階評価。ここは、(2)の日常風景の中に取り入れたいような絵や彫刻が多く、それもまた、ここの心地よさのせいだと思います。メロメロってほどじゃないけど、好きな感じの絵や彫刻。

 さて、美術館では、作品中に「犬探し」をするのが、私の趣味。なぜか鹿はたくさんいたけど、犬の姿は少なかった。でも、少ないながらも秀逸なわんこ達に出会えました。

 
奈良美智氏の「空飛ぶ仔犬王(FLYING PUP KING)」は、青森美術館のマスターピースだったような?
右の絵のタイトルは「I Bet He'ii Get It. (彼は絶対捕まえるよ!)」 ほのぼのとした素敵な絵


宴のご馳走のテーブルの下で、ちゃっかりオコボレに預かる犬達。右の犬は大きな骨をかじっています。
左の子はなにか落ちてこないかな?と期待の表情


右は小さな日本の美術紹介コーナーにあったユーモラスな作品。表情や動き、いくら見ていても飽きない。
こういった、いつまでも見ていたいような小品が多いのも、この美術館の特徴かも


 日本人補習校で中学生の歴史を教えているので、各時代の文化を紹介する機会も多く、昨日も授業の最中にタブレットで、元禄時代のハデハデ装飾品や、天平文化の代表的な作品などを紹介したのですが、ここにも見に来てほしいな。小さく限られた点数ではありますが、選りすぐりの日本の歴史的美術工芸品が展示されています。この美術館には、中庭を取り囲むクロイスターもあります。ニューヨークに住んでいた時、マンハッタンの北端にあるメトロポリタンの分館、クロイスター美術館は私がニューヨークで一番好きな場所でした。また行きたいなぁ…

 はてさて、美術んに行くと必ず、そこの付属のカフェやレストラン、そしてギフトショップをチェックするのも私のジャスティス!カフェは雰囲気は良かったけど、お料理の方は平均点。キッシュを注文しましたが、少し乾いてたし、一緒についてきたスープは味が薄かった。美術館のギフトショップはセンスの良い小物が揃っていることが多いのですが、ここも例外ではありませんでした。また散財した…orz

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