わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

スーパーマン=キリスト???

2013-06-17 | 映画・ドラマ・本
夏休みの間に息子達に日本語を習わせようと思って、ガーデナの仏教会の日本語教室に問い合わせに行ったら、6月の授業は生徒さんたちが忙しくて、人数が足りないのでキャンセルだって。あら、残念。

 今、日本に行っている上息子は、叔父、従弟たちと米軍基地内の劇場で「マン・オブ・スチール」を観て、Best movie ever!!(またかw)と、言っていました。特にスーパーマンのファンではない私も、来週辺りには目の保養の為に観に行きたい(ガタイの良いイケメンがぴったりスーツ…くふふふ…)と思っていますが、この夏のブロックバスターの中でも、このスーパーマン映画の宣伝戦略は話題になっています。劇場で公開された予告は、「ヒーロー」を共通項として、ナショナル・ガードとタイアップしたフィルムでしたが、配給会社であるワーナー・ブラザーズは他にも、キリスト教徒を特にターゲットにした宣伝戦略を採用しました。なんのかんの言っても、アメリカの多くはキリスト教社会ですから、牧師さんや神父さんが映画を褒めると、その宣伝効果たるもの莫大です。過去には、「ザ・ウォーカー(The Book of Eli)」や、「しあわせの隠れ場所(The Blind Side)」が、この方法で成功を収めました。

 具体的には、牧師さんたちを試写会に招待したり、キリスト教信仰と関連付けた予告トレーラーを作ったり、神学者を雇って牧師さんが説話で使える9ページにも及ぶ「イエス・キリスト:オリジナル・スーパーヒーロー」なんてネタ本まで作っちゃったり。これはペパーダイン大学の教授で、「ザ・ウォーカー」や「しあわせの隠れ場所」の時にも同様のブックレットを執筆したクレイグ・ディトワイラー先生によるものだそうです。「しあわせの隠れ場所」の方は未見だし、食指も動かないので何とも言えませんが、「ザ・ウォーカー」はまさに聖書をめぐるお話だから、キリスト教徒をターゲットにするのは明白だけど、スーパーマン?でも言われてみれば確かに、スーパーマンは死んでも生き返るし、人を超えた叡智と力の持ち主だし、地球人のために頑張ってる清く正しい宇宙人だ。

 ああっ、スーパーマン様~!

 赤子の時に己の種の存続の使命を担って、父親によって遠い星から送られて地球に降り立ち、善良で素朴な養父母に育てられ、成人してからは人類を救うために自分を犠牲にする。ふーむ、なるほど。宇宙人なのに地球を護って奮戦してるのは、ウルトラ警備隊の皆さんも同様なんだけど、彼らはお仕事で地球を救ってんだし、来るのは大人になってからで、スーパーマンとは、ちょっと事情が違います。こんなトコロで日米というか、キリスト教文化が根底にあるかどうかの差が出てくるんですね。すると、海外出向ならぬ、星雲外勤務で地球に派遣されるウルトラマンの根底にある、日本の文化は会社社会なのか!?!あ、自分で書いて、いま、イヤンな気持ち…

 監督のザック・スナイダーは、私の『Best movie ever』の一つ、「300」(ガタイの良いイケメンが束になって裸マント…ぐへへへ…)でも、レオナイダス王の最期をまるで十字架上のキリストであるかのように映しだしていたし、対するペルシア王クセルクセス王は自らを神だと名乗った。スナイダー監督の他の作品を見ても、「ウォッチメン」のドクター・マンハッタンは、伸縮自在、呼吸のための酸素も不要、核兵器は破壊するわ、全身青いわ(これは関係ないか)、神の如き存在。世紀の駄作「エンジェル・ウォーズ」もまた、主人公の自己犠牲で終わる。きっとスナイダー監督は、ゴスペル・モチーフが好きなのでしょう。この映画の中でも、聖書を意識した台詞や、教会や十字架等のキリスト教敵象徴が使われているらしいので、映画を見に行く時には、そこんとこも気をつけてみようと思っています。

 昨年末に日本でも大ヒットした「レ・ミゼラブル」や、サメに噛まれて腕を失いながらも全く挫けず、トップ・サーファーとして君臨する実在の女性を主人公にした「ソウル・サーファー」のように、題材そのものがキリスト教的な映画に比べると、スーパーマン…といいますが、「マン・オブ・スチール」は、一見して明らかにキリスト教映画じゃないけど、そんな風に解釈できるとは面白いと思います。ユダヤ人に支配されているといわれるハリウッドだけど、こうやって見ると、キリスト教の影響も大きいのですね。で、わたし的には、映画は面白けりゃそれでいいです。

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4 コメント

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Unknown (ししゅうねこ)
2013-06-20 00:13:32
今トレイラーを見てきましたよ
うーん、クリストファー・リーヴのイメージが強すぎて
ちょっと違和感

前から焼き直しが多いと思ってたハリウッドだけど、最近顕著だ・・・
ししゅうねこさん (わに)
2013-06-20 05:20:41
クリストファー・リーブのスーパーマンは本当に完璧過ぎましたよね(TT)
 スーパーマンも、つい数年前に新シリーズがあったと思ったけど、あれも途中で断ち切れになっちゃたのかしら?
バットマンもスパイダーマンも、何回仕切りなおしてるの?って感じだけど、その度にヒットするから需要が多いのでしょうかね?
 数年経ったら、アイアンマンなんかも又、アタはしい俳優さん使って、新シリーズなのかしら??
面白そうね (ミミ)
2013-06-20 12:45:26
今週末息子と見に行くつもり。
トレーラー見て、すごく劇画チックで、300ぽくて期待w
ところで、「しあわせの隠れ場所」は良かったですよー。
うっかり「幸せのちから」を見て腹を立てないように・・・w
しあわせの隠れ場所 (わに)
2013-06-21 04:45:57
モデルになったNFLプレーヤーが、自分の許可なしに映画作って、しかも内容はつくり話ばかり!って怒ってるのをラジオで聞いてしまって、なんだか苦手意識ができてしまって… サンドラ・ブロックも割と苦手だし…
「しあわせのキセキ」はこないだ観た。結構良かったです。

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