しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

極北に駆ける 植村 直己著 文春文庫

2012-10-14 | ノンフィクション
「エベレストを越えて」に続き、文春文庫の植村氏の著作です。

入手は200?年頃ネットで古本を購入しました。

この「極北に駆ける」はエベレスト国際隊の後1972年9月~73年6月までのグリーンランドのエスキモーでの暮らし及び犬橇での3000km単独行くを綴ったものです。

時系列的には70年のエベレスト日本隊、71年の国際隊の方が古いわけですが、この「極北に駆ける」の方が書かれたのは早いためか、文章は「エベレストを越えて」より若々しく、「エベレストを越えて」ではどこか達観した感じを受けましたが、この作品では野心にあふれた「青春」真っ盛りな印象を受けました。

植村氏関係の本はいろいろ読んでいたので、グリーンランドでの話も断片的には読んでおりダイジェスト的に知っている気になっていましたが、まとめて本人の書いたものを読むとやはり迫ってくるものが違います。

シオラバルクのエスキモーの人たちの生活描写は生々しく感じられましたし、交流の話もなんだか心にしみいりました。

犬橇3000kmの旅はこの人らしいどこか自分を突き放したところから書いていますが、その分大変さが伝わりました。
淡々と書いていますが、一つ間違えば命が危ない...、「冒険」ですね。

グリーンランドの自然環境も温暖化の影響などで変わっているでしょうし、エスキモーの暮らしもこの本に書かれたような昔ながらのエスキモーの暮らしをしている人は果たしてまだいるのだろうか?
犬を食べてしまう話や、白熊を撃つ話なども今の世の中では通らないだろうな...。

そんなことを考えたらなんだか別の世界のおとぎ話を読んだ気にもなりました。

「人間の暮らしって...」などということを考えさせられる本です。

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