「スポンサーから一言」を読んで、「SF短編面白いなぁ」との思いが出て本書を手に取りました。
本書の作品のうちの何篇かが星新一の「きまぐれ星のメモ」に紹介されていたのと、ヴォネガットの創作人物であるSF作家「キルゴア・トラウト」(「ロースウォーターサンあなたに神のお恵みを」が初出)のモデルがスタージョンである(トラウト=ます、スタージョン=チョウザメ)というような話も知り、なんだかとても欲しくなり3~4ケ月前にamazonで購入しました。(新品です!)
本書、早川の異色作家短編集の一冊として刊行されていますが、2005年に再刊されるまでは「幻の本」ということになっていて高値で取引されていたようです。
異色作家短編集のシリーズ、星新一訳のフレドリック・ブラウンの「さぁ気違いになりなさい」などもあり他も気になりますね。
スタージョンの作品は長編2作「人間以上」「夢見る宝石」を読んでいますが、短編は初めてです。
上記二作の評価もかなり高いのですが、「短編」の方がいいという評価もあるようですね。
「きまぐれ星のメモ」を初めて読んだのは小学生頃なので思えばかなり長い間存在を知りながら読んでいなかったんですねぇ....。
内容紹介(早川書房HPより)
獣が微笑み、人外が嗤う ページを開けば 異形博物館の開館時間
伝説の珍獣をめぐる皮肉な物語「一角獣の泉」や、代表作「めぐりあい」など、異色中の異色作家、スタージョンの傑作10篇を収録。著者の魅力を集約した最高の短篇集、読者の熱望に応えここに復活
全体的感想、スタージョン的とでもいえばいいんでしょうか?なんだか不思議で印象に残る作品群です。
スタージョン=チョウザメにちなんで「キャビアの味」などと評する人もいるようですがわかるような気がします。
各編簡単に内容紹介と感想など。
○一角獣の泉
二人の少女と一人の男と一角獣の話。
陳腐で少女趣味な作品ともいえると思いますが、最初の部分がなんとも怖いお話です。
出来はいまいちと思いますが、味わい深い作品。
○熊人形
熊人形とともに少年が見ていたものは....。
「気まぐれ星のメモ」でテディ・ベアのとことで紹介されていた作品ですね。
夢とも現実ともつかず、時間や登場人物の関係性もなんとも微妙な感じでシャッフルされている、怖い作品です。
なんとも割り切れない読後感を抱く作品です。
○ビアンカの手
ビアンカの手に魅せられた男の運命は...。
この作品も「気まぐれ星のメモ」で紹介されていました。
「怖い」と思うほど共感できませんでしたが、なんとも不思議な味わいの作品ですね。
「よくこんなこと考え付くなー」と思います。
○孤独の円盤
円盤の声を聞いた女性に訪れたのは....。
アイディアも展開も陳腐といえば陳腐なんですが、なんだか霧の中に佇むようね状景が浮かび自分もそのなかにいるような気分になってしまう。
そういう作品です。
○めぐりあい
理想の女性とめぐりあった男性の想いはどこに??
これも「夢オチ」的な展開で、男性の最初の回想部分やらも陳腐といえば陳腐なのですがなんだか不思議な読後感でした。
○ふわふわちゃん
ネコのふふわちゃんは女主人とそこに来ている男に対し...。
「ネコ」という種族はもしかしたらこういう存在なのかなぁと思わせる作品
女性もそれに近いんだろうなぁ(男目線ですが...。)
○反対側のセックス
シャムの双子の殺害死体を検分していた男と女性新聞記者は....。
この作品中もっともSFっぽい作品ですね。
「不思議」度は一番少ない作品でした。
普通に面白かった。
○死ね、名演奏家、死ね
???楽団で口上を務める???は団長の???を殺害し...。
「サスペンス」という感じでしょうか?
主人公の気持ちがなんとなくわかるかなーという所。
丁寧に心理描写されていて、スタージョン巧いなぁと思わせる作品です。
○監房ともだち
新入り囚人は実は...。
怪談風なお話。
これも陳腐といえば陳腐な気もするのですが、不思議な読後感があります。
○考え方
他人とは違った考え方をする男の復讐とは?
「考え方」の問題とヴードゥーの魔術を組み合わせたところがアイディアといえばアイディアですが、陳腐といえば陳腐。
結末、初読で理解できませんでしたがよく考えたらわかりました。
そういう意味では考えオチ的な作品です。
イスを人に投げつけるのではなく、人をイスに投げつける...ですね。
全体的に「アイディアが陳腐」と書いた作品が多いですが、読んでいるときにはどこかで読んだような感じがして「傑作」とは思えないのですがが...。
なんだか不思議な感じではあり、読後とても印象に残りました。
短編集を読んだ後に各編の感想を書くときにタイトルだけで内容を思い出せない作品が必ず何作か出てきます。
でも本書の収録作品は全て覚えていました。
読んでからもう3週間くらい経っているのですが、まだ鮮やかに情景が浮かびます。
なんだか不思議です。
そんなわけでどの作品がとくに良かったかのを特定するのは難しいですが、好きなのは「熊人形」と「名演奏家死ね!」でしょうか。
「熊人形」はひたすら理不尽、「名演奏家死ね!」は割と形至下での人間の情念を書いているますが、どこかでつながっているような気がします。
人間の意識にはなにか不思議なものが存在していて「時々噴出するんだろうなぁ」というような気分になりました。
スタージョンの短編集は河出文庫で出ているものを2冊入手しているのでそのうち読みたいなぁと思っていますが、次々読む感じではなくどこかでまたじっくり読みたいですね。
異色なあなた!何やら情念が渦巻いているのを感じるあなたも!
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本書の作品のうちの何篇かが星新一の「きまぐれ星のメモ」に紹介されていたのと、ヴォネガットの創作人物であるSF作家「キルゴア・トラウト」(「ロースウォーターサンあなたに神のお恵みを」が初出)のモデルがスタージョンである(トラウト=ます、スタージョン=チョウザメ)というような話も知り、なんだかとても欲しくなり3~4ケ月前にamazonで購入しました。(新品です!)
本書、早川の異色作家短編集の一冊として刊行されていますが、2005年に再刊されるまでは「幻の本」ということになっていて高値で取引されていたようです。
異色作家短編集のシリーズ、星新一訳のフレドリック・ブラウンの「さぁ気違いになりなさい」などもあり他も気になりますね。
スタージョンの作品は長編2作「人間以上」「夢見る宝石」を読んでいますが、短編は初めてです。
上記二作の評価もかなり高いのですが、「短編」の方がいいという評価もあるようですね。
「きまぐれ星のメモ」を初めて読んだのは小学生頃なので思えばかなり長い間存在を知りながら読んでいなかったんですねぇ....。
内容紹介(早川書房HPより)
獣が微笑み、人外が嗤う ページを開けば 異形博物館の開館時間
伝説の珍獣をめぐる皮肉な物語「一角獣の泉」や、代表作「めぐりあい」など、異色中の異色作家、スタージョンの傑作10篇を収録。著者の魅力を集約した最高の短篇集、読者の熱望に応えここに復活
全体的感想、スタージョン的とでもいえばいいんでしょうか?なんだか不思議で印象に残る作品群です。
スタージョン=チョウザメにちなんで「キャビアの味」などと評する人もいるようですがわかるような気がします。
各編簡単に内容紹介と感想など。
○一角獣の泉
二人の少女と一人の男と一角獣の話。
陳腐で少女趣味な作品ともいえると思いますが、最初の部分がなんとも怖いお話です。
出来はいまいちと思いますが、味わい深い作品。
○熊人形
熊人形とともに少年が見ていたものは....。
「気まぐれ星のメモ」でテディ・ベアのとことで紹介されていた作品ですね。
夢とも現実ともつかず、時間や登場人物の関係性もなんとも微妙な感じでシャッフルされている、怖い作品です。
なんとも割り切れない読後感を抱く作品です。
○ビアンカの手
ビアンカの手に魅せられた男の運命は...。
この作品も「気まぐれ星のメモ」で紹介されていました。
「怖い」と思うほど共感できませんでしたが、なんとも不思議な味わいの作品ですね。
「よくこんなこと考え付くなー」と思います。
○孤独の円盤
円盤の声を聞いた女性に訪れたのは....。
アイディアも展開も陳腐といえば陳腐なんですが、なんだか霧の中に佇むようね状景が浮かび自分もそのなかにいるような気分になってしまう。
そういう作品です。
○めぐりあい
理想の女性とめぐりあった男性の想いはどこに??
これも「夢オチ」的な展開で、男性の最初の回想部分やらも陳腐といえば陳腐なのですがなんだか不思議な読後感でした。
○ふわふわちゃん
ネコのふふわちゃんは女主人とそこに来ている男に対し...。
「ネコ」という種族はもしかしたらこういう存在なのかなぁと思わせる作品
女性もそれに近いんだろうなぁ(男目線ですが...。)
○反対側のセックス
シャムの双子の殺害死体を検分していた男と女性新聞記者は....。
この作品中もっともSFっぽい作品ですね。
「不思議」度は一番少ない作品でした。
普通に面白かった。
○死ね、名演奏家、死ね
???楽団で口上を務める???は団長の???を殺害し...。
「サスペンス」という感じでしょうか?
主人公の気持ちがなんとなくわかるかなーという所。
丁寧に心理描写されていて、スタージョン巧いなぁと思わせる作品です。
○監房ともだち
新入り囚人は実は...。
怪談風なお話。
これも陳腐といえば陳腐な気もするのですが、不思議な読後感があります。
○考え方
他人とは違った考え方をする男の復讐とは?
「考え方」の問題とヴードゥーの魔術を組み合わせたところがアイディアといえばアイディアですが、陳腐といえば陳腐。
結末、初読で理解できませんでしたがよく考えたらわかりました。
そういう意味では考えオチ的な作品です。
イスを人に投げつけるのではなく、人をイスに投げつける...ですね。
全体的に「アイディアが陳腐」と書いた作品が多いですが、読んでいるときにはどこかで読んだような感じがして「傑作」とは思えないのですがが...。
なんだか不思議な感じではあり、読後とても印象に残りました。
短編集を読んだ後に各編の感想を書くときにタイトルだけで内容を思い出せない作品が必ず何作か出てきます。
でも本書の収録作品は全て覚えていました。
読んでからもう3週間くらい経っているのですが、まだ鮮やかに情景が浮かびます。
なんだか不思議です。
そんなわけでどの作品がとくに良かったかのを特定するのは難しいですが、好きなのは「熊人形」と「名演奏家死ね!」でしょうか。
「熊人形」はひたすら理不尽、「名演奏家死ね!」は割と形至下での人間の情念を書いているますが、どこかでつながっているような気がします。
人間の意識にはなにか不思議なものが存在していて「時々噴出するんだろうなぁ」というような気分になりました。
スタージョンの短編集は河出文庫で出ているものを2冊入手しているのでそのうち読みたいなぁと思っていますが、次々読む感じではなくどこかでまたじっくり読みたいですね。
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