しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

名誉のかけら L.M.ビジョルド著 小木曽絢子訳 創元推理文庫

2015-05-15 | 海外SF
戦士志願」「ヴォル・ゲーム」同様<ヴォルコシガン・サガ>シリーズの作品です。
上記2作で「いまいち」と感想書いていましたが、なにやら気になるシリーズでありブックオフで見かけて入手していました。

「名誉のかけら」はビジョルドの処女作であり<ヴォルコシガン・サガ>シリーズでは一番出版が古い作品になります。
といっても「戦士志願」と同年の1986年出版で実際には本書と「戦士志願」「遺伝子の使命」はほぼ同じ時期にかかれた作品のようです。

時代設定はシリーズメイン主人公であるマイルズの父母が出会ったところ。
マイルズの母親コーデリア・ネイスミスが主人公です。

シリーズの他の作品読むにも古いところから読んだ方がいいだろうということで手にとりました。
‘12年ローカス誌オールタイムベストでは269位にランクイン。

内容紹介(裏表紙記載)
ベータ星の女性艦長コーデリアは新発見の星を上陸探査中、見知らぬ敵に襲われる。彼女を捕えた男はヴォルコシガンと名乗った。辺境の星バラヤー軍の艦長だ。なんと彼は部下の造反にあって、一人とり残されたのだという。捕虜の身ながら、彼女は持ち前の機転で彼の指揮権奪還に協力することに……。マイルズの母コーデリアの若き日の活躍!


<ヴォルコシガン・サガ>シリーズは「戦士志願」から読むのが一般的(少なくとも日本では)とされているようですが、今回本作を読んでみて「こっちから読んだ方が入りやすいんじゃないかなぁ」ということを考えました。

本作読むと「戦士志願」で謎めいていたボサリ軍曹の過去やらバラヤー社会の位置づけ仕組みなどががよくわかるので入りやすいと思います。
(逆もある意味興味深いんでしょうけれどもね)

私的には「戦士志願」「ヴォル・ゲーム」より本作の方が好きかつ楽しく読めました。

上記2作がかなり変則的なスペースオペラなのに対して、本作は割とオーソドックスなスペースオペラの枠組みのストーリーを微妙に崩している感じで読みやすかったです。
主人公のコーデリアも副主人公のアラール・ヴォルコシガンも魅力的で二人のラブストーリーもなかなか楽しめます。
(それだけに若干月並みな感じもあるんですが…)

コーデリアはマイルズ的に勢いで突飛な行動を取るキャラクターに設定されていますが、同じようなことをしても「女性」が取るとなんとなく違和感ないですね。
女性=感性的という偏見があるのかもしれませんが…。

男性の象徴たるアラール・ヴォルコシガンなどはいろいろなしがらみでがんじがらめにされています。
まぁ一般的に女性の方が自由な行動は取りやすかったりはしますよね。

そう考えると男性でありながら「マイノリティ」的立場にあることでしがらみなく動けるマイルズは特異なキャラなんでしょうねぇ。

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