「アンのゆりかご」「こんにちはアン」ときて、「赤毛のアン」を読まなきゃおさまりがつかず...。
といって「昔読んだ村岡花子訳を読んでも芸がないかなー」ということで最新訳の本書を手に取りました。
これも新品で購入。
訳者の松本侑子氏はアナウンサー出身の作家の方のようで、作品等読んだことがなく全然知りませんでした。
本書は、松本氏による文中にちりばめられている聖書やシェークスピア等の英米文学などからの引用を精緻に調べた訳註が売りのようです。
集英社文庫からは松本氏訳で「アンの青春」「アンの愛情」も出ていてこちらも訳註が有名な模様。
また訳注だけでなく原書の文章が「子供むけ」というよりかなり難しい言い回しで書かれているのを反映して、原文に忠実に割と大人向けに訳文を作ったとのこと。
村岡訳で省かれている部分も訳している「完訳版」という位置づけでもあるようです。
内容(裏表紙記載)
孤児のアンは、プリンスエドワード島の美しい自然の中で、グリーン・ゲイブルズのマシュー、マリラの愛情に包まれ、すこやかに成長する。 そして笑いと涙の感動の名作は、意外な文学作品を秘めていた。 シェイクスピア劇・英米詩・聖書からの引用をときあかす驚きの訳註、みずみずしく夢のある日本語で読む、新完訳の決定版! 楽しく、知的で、味わい深い・・・・・・、今までにない新しい本格的なアンの世界。
時系列的には、「こんにちはアン」のラスト直後から始まるので違和感なかったです。(笑)
とりあえずの感想、「訳は少し硬いかなぁ…。」
まぁ内容は昔何度も読んだ「赤毛のアン」ですからいまさら特に新しい感想はありません。
ストレートに少女の成長を描いた名作だと思います。
(「花子とアンにさそわれて」で感想書いてますね)
今回読んで気づいたことは、なんとなく「ひとつながりの話」という感じがあったのですが、短いエピソードで作られた「お話」の積み重ねになっているのに初めて気づきました。
また今回は「こんにちはアン」に出て来た話の元ネタがいろいろでてきて「これかー」という発見があったりしてなかなか楽しめはしました。
ただまぁそこは40オヤジですので少年時代初めて読んだほどの感動はない。
その辺のところが美化されていて村岡訳の方がいいような感想になっているのかもしれませんが、とにかく訳文は硬いかなぁとは感じました。
村岡訳のアンの独特の言い回しはやはり魅力的です。
マシュウやマリラも。
最初に読むなら村岡訳、直訳的に内容をきっちり確認したいなら本書という感じでしょうか。
売りの訳註は...力作だとは思いますがただ小説を読む(楽しむ)のにここまで必要なのかは???かとは思いました。
などと書きましたが「こんにちはアン」で哀しい思いをしてきたアンの話を読んだ直後なのもあり、グリーンゲイブルズで成長し幸せになっていくアンの姿に感極まって最後あたりで目から涙がこぼれそうになりました。
歳とると涙腺ゆるみますね....電車の中だったのでとても恥ずかしかったです。(汗)
そのうち村岡訳で「アンの愛情」まで読み直そうかなぁ。
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