しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

こんにちはアン 上・下 バッジ・ウィルソン著 宇佐川晶子訳 新潮文庫

2014-06-04 | 海外小説
アンのゆりかご」を読んで「赤毛のアンでも久々に読もうかなぁ」などと思いながらブックオフ大森店の新潮文庫-外国人作家の書棚を見ていたら本書を発見、上巻350円下巻350円で購入
正直「ビミョーかな~」とも思ったのですが...。

原題は「Before Green Gables」クスバート家に引き取られるまでのアン・シャーリーの物語を書いた作品です。
アン誕生100周年(Anne of green gables出版-1908年から100年)を記念してL.M.モンゴメリの子孫の方から頼まれてカナダの児童文学作家バッジ・ウィルソンが書いた作品とのこと。

「シャーロキアン」ほどではないでしょうが、世界中にアン・マニアは存在するようで、“Before Green Gables”についても考証が進んでいるのでそれに合わせて書いたようです。
ホームズものは色々出ているので、言われてみれば赤毛のアンのこの種のものももっと出ていても良さそうなものですね。

私は知りませんでしたが、世界名作劇場でアニメ化もされていたようです。(BSフジ)
アニメ化に合わせてか、新潮文庫で出版されたであろう本書は2008年発行の奥付ですが、調べたらべたらすでに絶版...売れなかったのかなぁ。

私と同世代(1970年生まれ)かちょっと下の方は世界名作劇場で「赤毛のアン」(1979年放送)を知ったという方も多いのでしょうが私は見ていませんでした。
裏でやっていた天才バカボンか何かを見ていたような…。
ちらっとネットで調べたらTVアニメ版の監督 高畑勲、作画の宮崎駿ともに「赤毛のアン」好きではなかったようです。
ちょっと意外ですね。

内容(裏表紙記載)
上巻
はじめまして。あたしの名前はアン、おしまいにeが付くのよ。学校の先生だった両親は、あたしの誕生をとっても喜んだけど、病気で亡くなって、今は一人ぼっち。でも元気はなくさないわ。まっ赤な髪とソバカスは嫌いだけど、お母さん譲りの鼻は気に入っているの。一つでもいいところがあるってすてきよね。世界じゅうの女の子たちを魅了し続ける赤毛のアン、誕生100周年記念作品。
下巻
トマスさんちで9歳まで暮したけど、おじさんが亡くなって、こんどはハモンドさんちへ。なんと双子が3組よ。食器棚の扉に映るケティ・モーリスの代りに、こだまのヴィオレッタがお友達になったの。そのハモンドさんも急に亡くなり、あたしの引き取り手は誰も現れず…でも夢だけは捨てなかったわ。そしてついにプリンス・エドワード島へ。アンがマシュウに出会うまでの物語。

上記の一人称の内容紹介はいかにも「赤毛のアン」ファンの怒りを買いそうですね…。

さてとりあえずの感想「結果ありきで作品を作るのは大変そう」

丁寧に設定と話を合わせていて力作とは思いましたが「赤毛のアン」という確固としたキャラクターが出来ている人物を「生かす」のは大変だったろうなぁということ。

「赤毛のアン」本編では、「あまりにつらくてあまり語りたくない過去」とされているところをあえて描くわけですし,…。
あんまり救いなくしてしまっても読者が引くし、といって楽しくも書けない。
その辺のバランスうまく取っ書いているなぁとは感じました。
でもそれだけにちょっと窮屈な感じがして「ものすごく面白い」というところまではいかないのはしょうがないところなんでしょうねぇ。

アンのつらい生活が終わり、「グリーンゲイブルズ」での輝かしい生活が始まることへの期待感を持たせたラストは「ジーン」と胸が熱くなりました。。

この辺が定番ものの強みですね。
「文学作品」というよりもアンファンの「妄想」の一形式と思えばかなり楽しめる作品だと思います。

ただ1点、トマスさんのところにいた時に出会ったエッグマンとヘンダーソン先生がアンを引き取らないで全く「すまない」とも思わなかったのは納得いきませんでした。
普通この展開なら引き取るだろうと思うのですが....。
なにかアンシリーズ本編に根拠となる事件が書かれているのでしょうか?

そこだけ気になりましたがとにかく楽しく読めました。
「赤毛のアン」ファンなら読んでみてもいいんじゃないかと思います。

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