「辞典」の見出し語だけで高得点が取れると持ち上げていますが、「辞典」には、1級を勉強する上でも次のような問題点があると思っています。従って、「辞典」を学習の中心に据えるのがいいと思いますが、「辞典」1冊で勉強するのではなく、他の漢和辞典(あるいは電子辞書)も併用した方がいいと思います。
1,三音の記載がない
仏教語は、呉音という原則があり、呉音は、漢音や慣用音とは違った音読みをする場合が多いので、呉音であるかどうかを押さえておくことは、音読みのときに有益です。また、1級漢字では、あまりないかもわかりませんが、唐音というのは、例外的な読み方ですから、これを押さえておくことも有益かと思います。私は、主に「新字源」(旧版)を使っています
2.六書の記載がない
形声文字であれば、部首以外の部分が、音を表わしますが、会意文字の場合は、部首以外の部分が音を表しません。従って、両者の区別は、音読みを解くときに大事だと思います。
1級漢字の殆どは、形声文字ですから、部首以外の部分が音を表しますが、ときどき、「あれ、どうしてこんな読み方をするの?」と思う漢字が出てきます。そのときは、六書を確認していました。音読みの定着に資すると思います。私は、主に、「字通」を使いました。
例えば、卓犖の犖(ラク)は、形声文字であり、音符は、勞(ロウ)の省文(勞ー力)とあります。なぜ、ロウ→ラクになったのかはよくわかりませんが、唯、ラクと丸暗記するより、ラ行音で転化したと理解した方が、憶えられると思います。
これにたいして、会意文字(たとえば、咎)は、音読みに法則性はないでしょうから、熟語を丸暗記するしかないと思っています。
3,字源(解字)の記載がない
漢字が、どういう成り立ちでできたかを考えることは面白いのですが、1級の勉強にはあまり有効とは思っていません。しかし、どうしても憶えられない漢字の場合は、字源(解字)を参照することによって、定着することもあります。私は、主に、白川先生の「字通」を使っています。
帳面は、3冊目、邇まで書きました。
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