鑿壁偸光 漢字検定一級抔

since 2006.6.11(漢検1級受験日) by 白魚一寸

「漢検漢字辞典」の瑕瑾(2)

2006年07月30日 | 三点セット1 漢検漢字辞典

前回に引き続き、1級学習の上での、「辞典」の問題点。

4.意味の記載が不十分なところがある

「辞典」の親字の意味解説の順序は、「よく使われている意味、一般的意味から、順次、あまり使われていない意味、特殊な意味への順とした。」
([この辞典の使い方]8頁)とあります。「従来の漢和辞典とは一線を画し、現代日本語の中の漢字辞典を目指した」([この辞典の特色]4頁)との立場からはこれでいいでしょうし、1級の勉強にも殆ど支障はありません。

ただ、何故、漢字がこのような字形となっているかを考えるには、意味については、古い意味(原義)から、新しい意味の順に並んでいた方が、歴史的変遷が押さえられます。普通の漢和辞典の意味解説の順序はそうなっています。

例えば、私は、怪訝の と間違ったことがあります。は1級漢字ではありません。いぶかる、いぶかしいという訓は憶えていましたので、いぶかしいは、心の中の気持ちですから、立心偏と思ったのです。

部首間違い病については、丸暗記ではまた間違いますので、間違ったときは、何故、その部首になるのかを考えるようにしています。 「辞典」の訝の意味解説には、①いぶかる。疑う。あやしむ。②人を迎える。迎えてねぎらう。とありますが、これでは、何故、言偏になるのかわかりません。こういうときは、他の辞典を見るようにしました。

「字通」は、訓義の展開の順序は、歴史的な用語法の展開を考慮した(「凡例」7頁)とあり、訝の訓義は、①むかえる。②むかえて誰何する。いぶかる。とあります。人を迎えるときに、無条件に信頼できないから、「貴方は誰ですか」と聞くことが、訝の意味にあり、これであれば言偏であることは納得できます。こうやって、納得出来ると、部首を間違うことも少なくなるものです。



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