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TANAKAHAN日々思った事を綴ってみたりして

戦史に学ぶ

2012-05-01 23:23:47 | Weblog
職場は休みだったが、連休明けは行事が立て込んでいるので職場で一日残務処理を終えて帰宅する。連休中は未読の本に手を付けようと『硫黄島栗林忠道大将の教訓』(小室直樹著)を読む。硫黄島はクリント・イーストウッド監督で映画化された島で、実は東京都に属する。本土爆撃を阻止するため、壮絶な死闘の末に2万人近い日本兵が戦死した。この攻防には勝者がないと言われるが、この戦いがあったからこそ戦後日本の繁栄が約束されたと小室先生は指摘する。それまでの攻防戦は水際で相手の上陸を阻止する水際攻撃が主な戦法だったが、圧倒的な物量差ですぐに劣勢に陥り、「生きて虜囚の辱めを受けることなかれ」というくだらぬ戦陣訓による無謀な「バンザイ突撃」での犬死も多く、陥落が早かった。プライドは大事かもしれないが、大儀を見失った途端に価値も見失う。栗林中将はゲリラ戦による徹底抗戦を選び、米軍にも甚大なダメージをもたらし、米国に日本兵の恐ろしさを植え付けた。当時も今も変わらないが、米国民は自国の兵隊が死ぬ事に強い拒絶反応を示す。米国留学経験を持つ栗林中将はそれを理解していた。首都防衛という大儀を見失うことなく、階級バッチを外して最後は壮絶な玉砕を果たしたと言われる。
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