・ J・ロバーツ、N・キッドマン初共演による「瞳の奥の秘密」のリメイク作。
オスカー外国語映画賞を受賞したアルゼンチン映画「瞳の奥の秘密」(09)を、キウェテル・イジョフォー主演、ジュリア・ロバーツ、ニコール・キッドマン共演によってリメイクされたサスペンス。監督は「ニュースの天才」のビリー・レイ。
02ロスで、9.11同時多発テロをキッカケに組まれた「テロ対策合同捜査班」チームのFBI捜査官レイ(C・イジョフォー)が殺人事件発生で駆け付けた現場で発見された被害者親友ジェス(J・ロバーツ)の愛娘だった。
捜査に乗り出したレイはエリート検事クレア(N・キッドマン)共々容疑者特定に漕ぎ着けるが、何故か真相は闇に葬られてしまう。
レイはFBIを退官後、犯人逮捕に執念を燃やしていたレイは独自捜査を続けて、13年後ついに容疑者を発見した・・・。
「瞳の・・・」を観た筆者は結果を知っていたので更なるひねりに興味があったが、オリジナルとして観た場合キャッチフレーズにある<衝撃のラスト20分>は、意外な展開に驚いたことだろう。
更なるひねりは、納得したがはっきり決着させたいハリウッド流を実感した。
最大のハリウッド流アレンジは同い年のJ・ロバーツとN・キッドマンの初共演。オリジナルのジュリアの役は男で被害者は新妻だったが、役柄を変えて実現したもの。
そのため二人のバランスを取るためかニコールの見せ場が激減。レスがクレアに好意を抱きながら不相応だとあきらめる微妙な相互の心理描写が台無し。彼女の見せ場はブラウスのボタンが外れたまま容疑者とのやり取りするぐらい。
オリジナル同様、現在と事件発生時の展開が交錯しながら進むサスペンスは13年前(オリジナルは25年)との区別がつきにくく、J・ロバーツがメッキリ老けて見えるくらいで二人の変化は分かりにくいのが難点。
オリジナルの持つインパクトや情緒・深みに欠けるきらいはあったが、豪華キャストによるハリウッド流アレンジを楽しみながら観ることができた。