・ 名優ジュディ・デンチの代表作
ジョン・マッデン監督、ジェレミー・ブロック脚本によるヴィクトリア女王の秘めた恋物語を、ジュディ・デンチ主演で映画化。
19世紀大英帝国全盛時代、ヴィクトリア女王(J・デンチ)は、最愛の夫・アルパート公を腸チフスで亡くし、3年経っても喪に服したまま公務に復帰しない。見かねた王室は、ジョン・ブラウン(ビリー・コリノー)をハイランドから呼び世話係とする。礼儀を知らない彼は純朴な敬意を女王に捧げるうち、2人の関係は親愛から友情、そして愛情へと変わって行く。100年経っても、英国王室はそれ程違いが見られないのも興味深い。
J・ジュンチは、気品ある物腰・態度と高貴なるが故の気まぐれが孤独感を増して行く女王を見事に表現していて、彼女の代表作といえる。翌年製作された「恋に落ちたシェイクスピア」でのエリザベス一世など、女王役はハマり役となっている。
近作「クイーン」でエリザベス女王を演じオスカーを獲得したヘレン・ミレンと比較しても、演技力では微妙な心の変化を演じ切ったJ・デンチの素晴らしさが分かる。