プロヴァンス料理について
旅行に行くと、その土地の名物料理を食べたいものである。
旅行案内書のレストランの欄を
見てもプロバンス料理の実態はなかなか解らない。
私の調べた所では、
宮廷料理を原型とするフランス料理のように、多くのシェフ達によって作りだされたのではなく
プロバンスの大地、地中海、そこに住む人々によって育まれた料理とある。
つまりプロバンス地方の田舎料理、おふくろの味である。
その特徴は
1)バターやクリームなどの乳製品をほとんど使わない、ヘルシーだけど量は多い
2)ニンニク、香味野菜、オリーブオイルをふんだんに使う料理
味や香りにかなりの「アクセント」がある。つまりクセのある料理。
3)料理の色彩が豊か。トマト(赤)、ナス(紫)、ズッキーニ(緑)、ピーマン(赤)
野菜をふんだんに使う料理らしい。
これが旅行の前に調べた情報である。
約2週間、プロヴァンスで実際に食事をした経験から言うと、この情報はかなり間違いがある。
バターやクリームをふんだんには使わない、
クセはない、ニンニクも気にならない。香味野菜、オリーブオイルも気にならない。
サラダは色彩が豊か、野菜をふんだんに使う。これはプロヴァンスに限らず、フランス全体に言える。
シャモニー、コートダジュール、プロヴァンス、いずれも綺麗に盛り付けた料理が出てきた。
結局、フランス料理、プロヴァンス料理の区別はつかなかった。田舎料理なんてとんでもない、洗練されたフランス料理と言って良い。
素材によってプロヴァンス料理と呼ぶらしい。素材をいかに料理するかはシェフの腕であり、一流シェフが作る料理は美味い。それだけの事である。
典型的な素材はナス、ウサギ、羊、牛のレバー等であるらしい。
エクス・アン・プロヴァンス、リル・シュル・ラ・ソルグ、アヴィニヨン、アルルと滞在した地は、いずれも街の規模にしてはレストランの数が多い。
レストラン同士の競争も激しいだろう。競争に勝ち残り、客で満員になるレストランは皆、美味い料理をだす。
レストランには料理のサンプルを飾ったショウウインドウは無い、メニューにも写真は無い。店先にメニューが貼ってある。
客は店先に貼ったメニューと店の外のテーブルで食事をしている客の料理を見て店を選別する。
店の外のテーブルで食事をする客は招き猫である。
今回の旅行では藤田さんがメニューを読む。「この料理があるなら、この店は間違いない」。そうして選んだ店に外れはない。 。