特に初心者向け講座のインストラクションの時に強く思います。
最近では個別にご自宅にお伺いしてのレッスンや、ご相談を受けることもしている日々です。
パソコンのお教室や講習会に通ってらっしゃる方のお宅にご訪問することも多々あるのですが、
そこでよくいただくご相談に「ファイルの開き方がわからない」というものがあります。
お話を伺っていくと、そのご質問の多くは「教室では○○というところから開いています」というもの。
つまり、エクスプローラーから直接ファイルをダブルクリックして開いているというケースがたいへん多いです。
特に、受講生の数が多いような一斉講習の時って、上記のように、
特定場所に、すでに保存されているファイルを開いて続きを作る、という操作をすることが多いですよね。
楽に開けるとか、講座の進行上わかりやすいという利点はありますが、
ちょっと気を付けないといけない点もあるなあと。
パソコンの入門の時点からほとんどの操作を、エクスプローラーから開く方法で続けていると、
その操作が、生徒さんにとっての「正しい操作」になってしまいます。
すると何が起こるかというと、自宅で学習をする際や、
1から文書を作ろうと思った時に、それができない(ファイルが見つけられない)という
困ったことが発生します。
(付随して、名前を付けて保存と、上書き保存の違いがどうしてもわからないとか、
ファイルの保存場所を間違えるというミスも多くなります。)
これはいけないなあ…と。
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基礎講座の時などは特に、最初は繰り返し繰り返し、
遠回りでも正しい開き方をとるほうがいいなと、感じています。
Wordでしたら、まずはWordを開いて→ファイル→開く・・・そしてひとつひとつたどって、ようやくファイルを開く。
それを繰り返して、定着してからようやく、エクスプローラーから開く方法に移る。
というのが良いのではないでしょうか。
これは本当に思うのですが、「生徒さんがご自宅に帰っておひとりで操作するときに困らないように」
という視点を持ってインストラクションをしていくことは、大変重要だと。
パソコンをすでに利用している人たちにとっては、何も意識せずにササっとできているようなことでも、
初めてのかたは、きちんと段階を踏んでトレーニングをしていく必要があります。
ひとつの操作を実現するには、どういうスキルが必要で、それにはどんな知識が必要で、
それを学び「着実に定着させる」(←ココ大事)には、
何をどういう順番で、どう時間を配分して進めていくのがよいのか。
初心者の方にとって「ひとりでパソコンを利用する・できる」ということはとてもハードルの高いことです。
その方々の目線に立って、その人たちに必要なものに気づいていきたいです。
時間制限や範囲が決められている講習会などでは、ついつい、講座の進行や足並みをそろえるとか、
そのような講習会の外枠的なところに意識が行ってしまうことも多くありますが、
今一度、「生徒さんが一人でもできるようになること」という視点に立ちかえって、
いったん自分自身のインストラクションを振り返ってみるのもよいのではないかと思いました。
時間制限と範囲が決められている中でも、できることはたくさんあります。
生徒さんの声から、ふと見落としてしまうようなことたちに気づかせていただいています。