OAインストラクターのオンとオフ

パソコンインストラクターshienaのお仕事と日常

楽しい講座とは。

2008年12月29日 | インストコラム
「楽しい講座を行う」と一言に言うと、簡単なように感じますが、
実はこれこそ、非常に工夫が必要で、なにより大変なことなのではないかと
思うようになりました。

楽しい講座、というのは、インストラクタがただ楽しんで講座を行えば
よいというものではありません。

受講生が「楽しい」と感じる講座=「楽しい講座」です。


それでは、どういうときに、人は楽しいと感じるのか。

「自分で操作ができてきた」という充実感、そして、
「これは役に立ちそうだ。使えそうだ。」という実用的興味。

実は、後者の興味を持ってもらうことこそが、楽しめる講座を行うためには
重要なポイントなのではないかと思います。

ただ、新しいことを覚える楽しさだけでも、確かに楽しい気持を
感じていただけますが、それだけでは、
「自分でやってみよう」という、次の段階に
なかなかつながっていかないようだと、
周りの受講生を見ていて感じています。
「自分でやってみる」行動は、本当に「楽しい」と感じていることの現れです。


ニーズをつかむ、というのが、とても大事ですね。

個別講習、集合講習と、形はいろいろあるこの仕事です。
人それぞれ、クラスそれぞれで、ニーズは違います。
それぞれのニーズを把握し、それに即したアプローチを
講座の中で仕掛けていくことが、
「楽しい講座」を作るための要であると、思います。



まずは、ニーズをつかむということが、最初の第一歩。
次は、それに叶う仕掛けをカリキュラムに反映させることが一歩。
実際に講座を行う歳の演出の段階で、また一歩。
人によりクラスにより、説明方法も進め方も違えば、
もしかしたら、インストは笑顔の出し方さえ、
変える必要があるかもしれないのです。

なかなか、工夫が必要で、大変なことです。


そう考えると、「楽しい講座」を行うことこそ、
インストラクタとしてのスキルが必要となってくることなのではないかと
思うこのごろです。

そして、このスキルさえ身につければ、実はどんな形態の講座でも
こなしていけるのではないかと感じています。


自宅でパソコンを開く、という一歩。

2008年12月26日 | インスト日記
パソコンスクールでのエピソードです。

3か月ほど担当している、中~高齢の方々の、Photoshop Elements講座のクラス。
デジカメを初めて触るという方々と、デジカメの梱包されている箱を
開けるところからはじめました。
写真の撮り方から、印刷、編集・・・と、順番にゆっくり進めているところです。

最近、楽しくなってきたご様子で、今日は皆さん
ご自身でElementsで作成なさった作品を
お持ちになって、見せてくださいました。

その中で1名のかたが、素敵なクリスマスカードを作成して、
プレゼントしてくださいました。

こういうサプライズは、嬉しいですね♪

もとから入っている、テンプレートを組み合わせた
基本的なものなのですが、自分ではがきを作って、
編集して、保存して、ちゃんと印刷できた!
ということは、たいへん大きな一歩で、素晴らしいことです。

いや、感動で何度も書いてしまいますが、
最初は、怖々、プリンタの紙の入れ方も初めて、インクの替え方も
初めてという方々です。


そう、なにより、自宅でも操作なさろうという気持ちを
もっていただけていることと、
実際にチャレンジして、生活の中で楽しんでいらっしゃるということが、
とてもうれしいことです。


パソコンや、ソフトに慣れない方々のなかには、
スクールでは操作してみるけれど、自宅ではパソコンを閉じたまま
開かない・・・という状況の方が多いです。
そういう方々が、少しずつでも、楽しさを感じていただけて、
やってみようという、興味と、前向きな気持ちを持っていただけることは
大きな前進です。
そう、自宅でPCを開くことは、やる気がアップしてきたという現れです。


とにかく、楽しく、楽しく、操作をして、
教室に来たら、たくさん笑って、また楽しく、学んだことを
生活で役立てられるようなクラスを作っていけたら、
私自身にとっても、それは本望で、嬉しいことです。

自分自身も、前向きなパワーを持って、これからもやっていきたいです。



6年目の危うさ

2008年12月03日 | インストコラム
そろそろ、インストラクタの仕事を続けて、6年目となります。
まだ6年です。 もう、かな?


最近、ふと、自分の危うさを感じることがあります。
それは、「この程度で大丈夫だろう」という感覚。

お客様に対する対応、説明の仕方など、今までの経験と照らし合わせて、
「このラインで進めれば問題ないだろう」という、妥協が出るようになってきました。

・・・とは言っても、この妥協は、必ずしも悪いものではないと思うのです。
これまでの学習の結果だし、たぶん、何年も同じ道を続けていれば、
当然、こういう、よくいえばバランス感覚が身についてくる。
それに、この先も長く続けていくからには、ある程度の妥協をしていかないと、
どこかで息切れしてしまう。


ただ、”今までの経験”に甘えてしまったら、いけないと思うのです。
今まで、いろいろな講師と仕事をする機会がありましたが、
そういうとき、さまざまなベテランと呼ばれる講師の横顔に、
チラホラ見えていた、「気づけない」危うさ。

受講生の感情や様子、進み具合、ペース、その他いろいろ。
気づけない講師がしばしばいることに、どうしてだろう、って
疑問を感じることがありました。

それは、もしかしたら、こういう長年の経験の積み重ねによる妥協が
よくない方向へ向いているのではないのだろうか、ということを、
ふと、最近思うようになりました。


「このラインで進めれば・・・」というやり方は、悪いことではないと思うのです。
ただ、「ライン」を決めるということは、様々な受講生をひとくくりにすることです。
受講生ひとりひとりが見えなくなります。
そこから、「気づけない」危険が起こるのだろうと。。




細く、長く、続けていくために、よい意味で妥協しながらも、
経験に甘えないという厳しさを持って、
今後も続けていこうと思うのでした。