OAインストラクターのオンとオフ

パソコンインストラクターshienaのお仕事と日常

謝りすぎる講師

2008年04月27日 | インストコラム
最近、とてもステキな講師に出会いました。
メインの方なのですが、大変受講生想いでいつも謙虚。
それでいて非常にパソコン全般について詳しくていらっしゃる。

その方のサブに入ることがよくあるのですが、本当に毎回すばらしくて、
感動のため息をつくほどです。

ただ、最近ひとつだけ気になっていることが。
たいへんすばらしい講師なのですが、えてして、受講生に対して謝りすぎるところがあるのです。

うっかり、予定していた進行を忘れてしまったり、
ちょっと操作を間違えてしまった時、口癖のように
「私の準備不足で大変申し訳ありませんでした。」とおっしゃいます。

そんなとき、いつも「いやいや、そんなに謝ることないのになァ」と思います。
予定と違う進行をしてしまっても、いくらでも別の方法で修正することはできます。
進行の手順に正解はありませんものね。
また、少しくらい操作を間違えてしまっても、それくらいのことなら
誰しもしばしばあることですので、普通にやり直せばよいことです。

多少の間違いやうまくいかなかったことがあっても、それは講師側の都合で、
受講生にとってみたら、きちんと理解できれば問題ないわけです。
おそらく、講師が進行を失敗したと感じていても、案外受講生は
それほど大きな問題に感じていないことの方が多いような気がしています。

謝ることでかえって、失敗したことを強く印象付けることになって、
本当は失敗のうちに入らないほど小さな失敗が、大きなものに感じられてしまうことが心配です。

また、しょっちゅう謝ることで、
講師をナメる受講生が現れるのではないかということも心配です。


失敗しても、それを上手に軌道修正し、何事もなかったように講座を終了させ、
同時に受講生に達成感と満足感を与えられる。
そういうことも、講師の大事なスキルのひとつなのではないかと感じる今日この頃です。





資格はあるのにできない人

2008年04月26日 | 色々な生徒さん
Microsoft Office Specialistの話です。
根強い人気の資格で、スクールでも目指す人が多いです。

今回新しく働くことになったスクールに通ってらっしゃる、Aさん。
WordもExcelもExpertレベルまで受験し、合格なさっています。
相当できる方なのかしらん、と思いきや、実はパソコン操作の基礎も含め
ほとんど身についていない状態です。

この試験の合格者にありがちな状態です。
多くの試験対策の問題集には模擬試験CDが付属しているので、
おそらくそれを繰り返し練習し、操作を暗記なさったのでしょう。
実はこの試験、操作の内容や意味を理解していなくても、
操作手順さえ暗記できれば、合格できてしまうという落とし穴(?)があります。
暗記が得意な人にとっては、それほど苦はなく合格できるのではないかと
思います。

しかし、それでは試験の意味がまったくありません。
いくら履歴書に資格を書けても、中身が伴っていなければ何にもなりません。

資格試験の勉強を行う時には、合格することだけを目的とするのではなく、
学習している内容が、実務にどう活用できるか、応用できるかを
常に考え想像しながら学習することが、とてもとても大事です。
資格をとったあとに、何をしたいのか、どう活かしたいのか、考えることが大事です。
私が担当する受講生には、常々そういうことを伝えています。


最近の試験対策の本は、自学自習ができるような工夫がきめ細かにされています。
たとえば、個別講習で試験対策を行う場合、
テキストが自習に最適な形式ですので、受講生が進めるのにまかせていれば
インストラクタがほとんど声かけをせずとも、問題なくテキストを進められます。
そして、合格できてしまうでしょう。

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操作の反復練習は、テキストにまかせればよいのだと考えています。
インストラクタは、”学習している操作をどう活かすのか”を
お伝えし、例を挙げ、時に演習を加えながらトレーニングしていく。
そこに力を入れることが重要だと思います。

よく出るところだけを教えるのがインストラクタではありません。
受講生のスキルをより引き上げていくことが任務だと思っています。

受講生にとっても、そういうインストを受けながら、独学では得られない気づきや
収穫を得ることで、スクールに通う意義をより強く感じられるものなのでは
ないでしょうか。

また、何度かここのブログにも書いていますが、
「想像力を働かせる」「ひらめく」ことが、記憶の定着につながるのです。
様々な活用方法を皆様に想像していただき、「そうか!」というひらめきを繰り返すことが
結果的に合格への最短コースとなるのだと感じています。

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冒頭に書いたAさん。
これからExcel・Wordと実践練習を繰り返すこととなりました。
まずはExcelの文書作成と関数から。
完成図を見て、そのとおりに書類を作るトレーニングです。

文書作成をしながら、試験で学習したことを、どこでどう活かせるのか
学んでらっしゃいます。
毎回がひらめきの連続のご様子で、大変熱心に学習してらっしゃいます。

操作はたくさん知っているのに、まだまだ、ひとつひとつの意味を理解しきれておらず、
活かしきれない様子です。
これから、多少時間はかかるでしょうが、Aさんと一緒にステップアップして
いきたいと思います。
反復練習とコツさえつかめば、きっとぐんとレベルアップできる方だと思うので、
今後がひそかに楽しみでもあります。




新年度、新しい環境へ

2008年04月25日 | インスト日記
ここ2年ほど、スクール勤務を離れていました。
スキルアップの目的もあって、しばらく集合形式の講座で講師の仕事をしてきました。
紆余曲折あり、この4月からまた、スクールインストを再開しました。
再開といっても、以前働いていた場所でということではなく、
別のスクールでの勤務です。

これからは、週数回のスクールインストに加え、これまでどおり
集合形式の講習会講師の仕事も続けます。
また、一度は終わったと思ったテキスト作成の仕事ですが、
こちらも、引き続き請負発注をくださることとなり、
結局、自宅で作業を行うこととなりました。

数年前、続けられるか不安だったダブルワークですが、
今となっては、ダブルどころか、4つを同時にこなしています。
やってみればできるものでした
内勤したりスクールで働いたり、外にでたりしてみましたが、
私には、こうやっていくつかの仕事を同時に進める働き方が
一番合っているということがわかりました。
今の状態が、一番働きやすいです。

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ところで、今回勤務することになったパソコンスクール、
個人経営でこじんまりとしたところです。インストは校長含め全3名です。
開校してからもうかれこれ8年近くになるそう。
部屋は広く、個別講習とセミナー講習、マンツーマン講習を行っています。
小さなスクールですが、大変エネルギッシュな環境です。

月謝は相場よりも2割ほど高め。
高くすることで、一定の顧客層を保っているのだとか。

ここでの仕事を始めて、そろそろ1ヶ月が経過します。
やはり、月謝が高いからか地域柄か、受講生の層が違うことは実感します。
熱心で上品で、きちんとした方が特に多いように感じています。

担任制なので、私の曜日のクラスに通ってらっしゃる生徒さんとは
末永いお付き合いとなります。
楽しくスキルアップしていただけるよう、そして、長く通っていただけるよう、
力を尽くしていきたいと思っています。


ところで、個別講習の大変なところは、生徒さんが5名いれば5名、
全員違うことを学習している点です。
今回の教室は、インストが、とにかくしゃべります。
質問に答えるだけではなく、ひとりひとりへ個別にインストラクションをし
ひっぱっていく形式です。

Word・Excel・PowerPointの2003・2007の基礎応用、そして
Photoshop Elementsなどの画像加工ソフト、
すべてが同時に進行していきます。

集合形式の講師の場合は、自分が担当する講座の内容のみを、
とにかくしっかり予習して準備していけばよいわけですが、個別の場合は
すべてのアプリの、すべてのレベルが、同時に進むなかで
インストしていくわけなので、自分も駆け足ですべてを網羅する必要があります。

そういうわけで、最初はちょっぴり大変。
また鍛えられます。


そんなこんなの新年度ですが、今年度も一年楽しくお仕事できればと思います。