OAインストラクターのオンとオフ

パソコンインストラクターshienaのお仕事と日常

83歳の第一歩

2009年08月06日 | 色々な生徒さん
最近は、「パソコン初心者」と言ってもマウス操作がほぼできる状態の方が
増えてきたように感じます。

マウスの操作、「クリック」なども知らない初心者の存在があるということを知って、
驚くインストラクタに会うことも多くなってきました。


それでも、まだまだ、本当に初めてパソコンに触るという初心者は
多くいらっしゃいます。
個別や個人講習を行っているスクールではとくに。


数か月前に、83歳になる男性(Aさん)が、うちのスクールに入会しました。
マウスも触ったことがなく、キーボードに触れるのも初めて。

最初のうちは、ご自身でも、自分自身の力のなさに多少のいらだちを
感じているご様子が見えていた時期もありました。
続けてくれるかな??と、ちょっと心配になるくらい
なかなか覚えられなくて、とにかく大変な苦労をなさっていました。


それでも毎週見ていると、少しずつでも、だんだん、
操作に慣れてきているご様子が間近でうかがえ、嬉しく思います。


週1回の教室。5か月ほど経ち、パソコンに
目が慣れてきたのもあるのでしょうか。
最初は、コマンドボタンの▼をクリックする操作が一苦労でしたが、
だんだん、それができるようになってきました。

コマンドボタンそのものをクリックするのか、もしくは
▼をクリックするのか。
慣れているものにとっては、もはや無意識で手が動くことですが、
パソコンの感覚が0な方にとっては、どういう時に▼をクリックするのか
また、ボタンそのものをクリックすれあどうなるのか・・・
その違いをつかむのにも時間がかかります。

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Aさん特別カリキュラムを考えています。
必要なことを簡潔に、大きな文字で示したプリントを用意してます。
通常のテキストの順序にはとらわれず、わかりやすく、
必要な事柄を操作しながら、まずは、パソコンに目を慣らしていただくことが
最初の目的です。

これに、Wordの図形の操作は最適だと感じています。
図形やクリップアートなど、マウスの形に注目する癖づけにもなりますし、
ドラッグやクリックの練習にもなります。
また、書式設定についても、見やすくわかりやすい。

そしてさらによいのは、イラストが一つ入るだけで、
とても見栄えのする成果物が出来上がります。
「できた」という実感を持っていただきやすいと感じてます。



ただただ勉強するだけでは、なかなか、身につかないな。
やっぱり、「楽しい」って思っていただければ、自然に前向きになれて、
どんどん身に付きます。

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先月あたりから、Aさんから質問が出るようになってきました。
「作ったものをとっておくことはできないのですか?」と。

良い変化が見られてきて、嬉しいです。
少しずつ質問や疑問が出てくる、やりたいことが出てくるということは
とても大事な変化で、すかさずそれを次へとつなげます。

「疑問を持つ」ことは、物事を定着させる上で、一番よく効くオクスリです。


受講生にうまいこと次へつながる「疑問」を持たせることができれば、
皆苦労少なく次の段階へステップアップしていけるのかもしれません。

先月は、自分で「保存」と「開く」ができるようになりました。




できる者から見れば、本当に小さな小さな一歩かもしれませんが、
Aさんにとっては、大変素晴らしい一歩です。


ゆっくりでも、ご自身で好きなものが作れるように、そして、
パソコンを便利に生活に役立てていただけるように、
楽しく進めていきたいです。

Aさんの今後がとても楽しみです。